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フランク・ロイド・ライトの有機的建築における空間の分節と結合に関する研究

B4の吉村です。遅くなりましたが春学期の研究内容を投稿させていただきます。   序.はじめに  近年の住宅における単位空間の分節・結合方法とは視覚的にも物理的にも幾多にものぼり、様々な住宅の形を生み出す要因になっている。常に新しい形での、「住まい方」や「使い方」を求められる「住宅」において、空間同士の分節・結合の方法に関してどのような提案ができるのかを考えてみる。このことに際し、今日までの「住宅」における、単位空間の配置から空間の分節・結合方法についてどのような空間構成の変遷が見られてきたのかを解明すべきであると考える。その住宅設計の手法においてフランク・ロイド・ライトの住宅建築に焦点をあて、実際の空間の分節と結合手法の変遷とライトが提言する「有機的建築」との結びつきの考察を本研究の目的とする。 1.研究の対象  ライトの表現してきたプレイリーハウスという住宅は「有機的建築」と...

自然素材の扱いからみるミース・ファン・デル・ローエ

自然素材の扱いからみるミース・ファン・デル・ローエ

B4の木村です。春季研究発表の内容を投稿致します。 1.序章 1-1 研究の背景と目的 ミース・ファン・デル・ローエは近代建築の巨匠である。「Less is more (より少ないことは、より豊かなこと)」で有名であり、洗練された材料による空間構成を得意とした。材料には主に鉄やガラスなどの工業製品を選定しているが、一方で自然素材の扱いにも光るものがある。しかし、自然素材に着目した研究は不十分であるため本研究は自然素材の扱いからミースの設計意図を導出するものと位置付ける。 1-2 研究方法 本研究では「バルセロナ・パビリオン」、「トゥーゲントハット邸」、「ファンズワース邸」の3作品を研究対象とする。この3作品は八束はじめの「ミースという神話」にて「神の家」と呼称されている。人間が住むための「人の家」ではなく、魅せるための美学としての建築だとしてこの名がつけられた。従って、この3作品はミースの...

森の墓地の設計案におけるシークエンスの変遷過程に関する研究

B4の渡邊です。春期研究発表の内容を投稿致します。 1.序章 1-1 研究の背景 1914年、南ストックホルム墓地のコンペティションにエリック・グンナール・アスプルンドとシーグルド・レヴェレンツが勝利し、森の墓地の設計が2人に依頼された。この墓地はコンペから完成まで25年の長い月日を費やしており、その間にコンペ案からの変更点が多く見られる。 1-2 研究の目的 森の墓地のコンペ案から実施案までの空間構成の変遷を分析し、さらにシークエンスの変化を汲み取り、アスプルンドの案変更の意図、アスプルンドの目指したランドスケープを明らかにする。 1-3 研究の位置づけ 残されたスケッチや図面等から、火葬場や礼拝堂、アプローチの構成の変遷やそのアスプルンドの意図について検討している研究は見受けられるが、シークエンス構成の変遷に関する研究は不十分である。本研究では、3Dモデルを作成することで、シークエンス...

フェルディナン・バック著「魅惑の庭」のスケッチから読み取る庭の構想に関する研究

1.序章 建築家ルイス・バラガンの作品を見ると、特徴的な庭を含んだ建築が多く見られる。その庭は木、花、水など様々な自然の要素や、壁の色、それらの配置のされ方などあらゆる点が考えつくされており、バラガンの庭への強いこだわりが感じられる。バラガンはなぜここまで庭にこだわったのだろうか。バラガンは自身の庭の作品に画家であり造園家であるフェルディナン・バックのスケッチからの影響を強く受けていると言われており、これが庭へのこだわりが生まれたきっかけではないかと考えられる。そこで本研究ではバック著の「魅惑の庭」に掲載される全36枚のスケッチを深く分析することにより、バック独自の庭の構想を読み取ることを目的とする。 2. フェルディナン・バック(1859-1952)とは 作家、風刺漫画化、アーティスト、社会批評家、造園家など多くの分野に着手している。地中海様式の庭のスケッチも多数作成しており、その庭の構...

建築のポシェを利用した採光手法に関する研究 −スティーヴン・ホールの作品をケーススタディとして−

B4の野田です。春季研究発表の内容を投稿致します。   第1章 序論 1.1研究の背景と目的 ポシェ(残余部分)とは、平面や断面において、空間を「地」と考えたときに「図」にあたる部分、すなわち壁・柱・梁およびそれに準ずる空間のことである。構造上の必要性ではなく、外観と内観機能の相互の要請によって発生するポシェは、近代建築ではあまり見られない。ここで、ポシェを積極的に取り入れている建築家スティーヴン・ホールに注目する。スティーヴン・ホール(1947-)は、光の空間を巧みに演出する建築家であり、光による空間体験に重点を置いた作品が多数ある。その中には、ポシェを採光手法として取り入れた作品が含まれており、スティーヴン・ホールがなぜ無駄とも言える部分=ポシェをあえて使用したのかは疑問である。 本研究では、建築のポシェを採光手法として扱ったスティーヴン・ホールの意図を明らかにすることを目的...

チェコのキュビズム建築における分析的キュビズムの参照と引用にみられる関係性

キーワード:参照  引用  展開  収束  ポリゴン化   線  細分化 序章 1−1 研究背景 チェコにしか存在しないキュビズム建築は、ピカソやブラックが描いた分析的キュビズムを参照し引用したと言われている。当時、チェコ建築界はウィーンのオットーワーグナーやヤンコチェラの強い影響を受け、彼らの進める合理主義なモダンデザインに対し、若手の建築家たちは別の表現を求めていた。それは当時、チェコ・スロバキアが独立の予兆に満ちた時代であり、彼らが求めたのが、インターナショナルスタイルではなく、チェコ・スロバキアのアイデンティティを確立するためのナショナルスタイルを築き上げようとしたからであった。そして、1911年、若手の建築家、画家、彫刻家は、“the Group of Plastic Artisrs”を設立した。この芸術運動は1911—1925年までの短期間で収束したが、1918年(...

西澤文隆のコート・ハウスにおける平面構成の研究ーコート・ハウス論の記述に対する西澤文隆の作品への反映手法の分析を通してー

  序章 研究の背景 近年、土地は狭小化が進み、狭い土地にいくつもの住宅が密集してしまっている。そしてそれが原因で住宅内部のプライバシィを保つこと、豊かな生活を生む空間を作り出すことが困難になってきている。その中で敷地全体を囲うことでプライバシィを保ち、また内部空間と外部空間を一体的にすることで豊かな空間を作り出すコート・ハウスはこの問題の解決策として有効である。そして建築家の中に西澤文隆というコート・ハウスを設計している代表的な建築家がいる。西澤文隆は「正面のない家」シリーズをはじめとするコート・ハウスをいくつも手掛けていて、庭と生活空間を混在・共存させていく手法を多く用いている。 研究の目的 西澤文隆は自身の著書であるコート・ハウス論の中で「囲われた敷地のなかに自然と人、室内と室外の緊密な関係を造り出す」という記述のように西澤文隆のコート・ハウスに対しての持...

テナント型商業空間における人の歩行経路に関する研究 ー表参道ヒルズにおける追跡調査ー

テナント型商業空間における人の歩行経路に関する研究 ー表参道ヒルズにおける追跡調査ー

B4の小林千雅です。2014年度前期の小論文を掲載いたします。   第1章 序論 1.1.研究背景と目的  商業空間において、より利益を上げるためには人の流れ、つまり動線計画がとても重要になってくる。しかし、一般的な商業施設は積層されたスラブにただの移動手段としての階段が配置されており、平面的にはつながっているとしても断面的なつながりが非常に薄い物が多い。  今回、調査対象とした表参道ヒルズにはいくつかの特徴がある。普通の商業施設は最下層部分にエントランスが設けてあり、そこから上がって行くパターンが多いが、本館部分の商業空間の中層部分にエントランスが設けられており、そこから上下に動線がのびている。本館の中央部分には巨大な吹き抜けが設けられており、他階の様子がよく見えるとともに開放的な空間となっている。また、すべての店舗が貸しテナントとなっていて表参道ヒルズは場所を提供することによ...

アドルフ・ロースの住宅作品における空間構成に関する研究 —ラウムプランの成熟によるファサードと内部空間の同調性−

アドルフ・ロースの住宅作品における空間構成に関する研究 —ラウムプランの成熟によるファサードと内部空間の同調性−

B4佐藤滉哉です。前期の論文を掲載します。よろしくお願いします。 0.はじめに 0-1背景 オーストリアの近代建築家アドルフ・ロース(Adolf Loos 1870-1933)は、1898年に発表した論稿「被覆の原理」のなかで、「暖かく快適な空間をつくり出すこと」が建築家に課せられた課題として第一にあり、その空間を作るために「骨組みを発明すること」が第二の課題であると述べている。これは言い換えれば内部空間と構造のことであり、ロースの建築は内部の皮膜と外部の皮膜、そしてそれを支えるための構造体という三つの層からなっていると解釈することが出来る。また、ロースは部屋割りを階ごとに平面的に考えるのではなく、三次元の空間・立体の展開において考えるとした、建築が作り出す空間についての「ラウムプラン」を提唱したことでも知られている。 0-3目的 「建築は外部に向かっては沈黙を守り、これに対して内部に...

ル・コルビュジエのサン・ピエール教会の研究 ―構想案の変遷と再建案におけるオーセンティシティの検討―

ル・コルビュジエのサン・ピエール教会の研究 ―構想案の変遷と再建案におけるオーセンティシティの検討―

B4小林直美です。2014年前期の論文を掲載します。 1章 序論 1.1 研究の背景と目的 近代建築の三大巨匠であるル・コルビュジエは、フランスに多くの建築を残したが、その一つにフェルミニの建築群がある。1953年から始まったこの計画のうちル・コルビュジエはスタジアム、青年文化会館、集合住宅、そして教会の設計を手掛けたが、教会は幾度と重なる難題によって計画が大幅に遅れ、建設が実施される前にル・コルビュジエは死去した。その後、弟子であるジョゼ・ウブルリーらやル・コルビュジエ財団、フェルミニ市議会議員等の協力により、2006年にこのサン・ピエール教会はようやく竣工に至ったが、完成までには工期の遅れや資金難によってさまざまな変更が加えられたため、出来上がった建築は生前のル・コルビュジエ自身の建築と言えるかどうかは疑問である。 本研究では主に参考資料と文面から計画背景や空間構成の変遷を分析し、生...

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