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村野藤吾の建築における階段とその思想―形態・素材・装飾に着目して―

B4米沢です。前期の研究について投稿します。 0.序 0-1.研究の背景  村野藤吾が階段にこだわっていたことは、いくつかの証言から知られる。  1964年の新建築に掲載された「日生を語る」と題した対談では「わたしは非常に階段と手摺にはやかましいのですよ」と言い、「動線の美学」にて、階段について村野は「非常にやかましく事務所で言っています。これから先まだいくらか仕事ができると思いますので、よりいいものを作りたいと思います。」と語っている。以上のことからも村野藤吾の設計した階段には、村野藤吾建築の表現において重要な要素であることがわかる。 0-2.研究の目的  村野藤吾の建築作品の階段を調査・分析することによって村野藤吾にとって建築の部分である階段が建築全体や村野藤吾の思想に起因するものであるかを明らかにすることを目的とする。さらに村野藤吾作品の階段を「形態」、「素材」、「装飾」の3点から見...

谷口吉生の美術館建築における軸線と構成 —アプローチと建築—

谷口吉生の美術館建築における軸線と構成 —アプローチと建築—

B4山本です。2014年前期の論文を掲載します。 1.序章  1-1背景 谷口吉生の建築で素材やディテールという面を抜きにして、建築的体験の上で、プロポージョンと空間構成といった点での明確な特徴とはなんなのか。彼の建築を配置図上で拝見したり、実際足を運ぶと、アプローチから内部の空間体験におけるまで至ってアシンメトリーであることに気づく。アシンメトリーな構成美とは、シンメトリーな西洋的な構えに対し、至って東洋的、日本的な構成である。彼の建築はしばし日本的と言われることがあるが、果たしてその要素とはなんなのか。日本的な建築として桂離宮が挙げられる。ブルーノタウトは、桂離宮に「永遠なる美」として日本の伝統美を見出したとして知られている。表現主義者であった彼は、視覚的な美とともに機能的な美を見出し、相互関係の豊かさを唱え、モダニズム建築の理念を日本的建築の中に発見したのだ。そんな桂離宮の空間特性の...

ルイス・カーンの光の設計手法について―ミクヴェ・イスラエル・シナゴーグにおけるケーススタディ―

1.序論 1-1.研究の目的と背景 ミカベ・イスラエル・シナゴーグは11年もの歳月をかけて設計されたが、建設には至らなかった。しかし、この作品はカーンの作品の中で重要な意味を占める作品だと考えられる。そこで、この作品を研究し、3D化することで、採光のシュミレーションを行い、カーンの設計手法の意図を読み取る。 2.ミカベ・イスラエル・シナゴーグの概要 ミカベ・イスラエル・シナゴーグのプロジェクトは1961年5月に始まり、それから7回のスタディ案の変更を経て1963年10月29日に最終案が決定した。 しかし、度重なる設計変更に伴う予算の増額により、その結果深刻な資金不足となり建設工事が始まることはなかった。 敷地はカーンの生まれ故郷であるフィラデルフィアで、カーンはユダヤ系の哲学者の血を引くことからユダヤ教の教えである「生命の木」をプランに反映させたと考えられる。 3.スタディ過程の分析 3-...

Louis I Kahnのアンビルド作品における光の設計手法の研究 -3Dモデルによる光の復元-

Louis  I  Kahnのアンビルド作品における光の設計手法の研究 -3Dモデルによる光の復元-

修士2年の新谷です。 前回の投稿から、夏合宿までの成果を投稿します。   前回、カーンの開口部のカテゴリーに関して述べた。カーンの作品(アンビルドを含む)の中でも採光が特徴的であるものを表にしてまとめた。 この表から、カーンのアンビルドにおいて重要な物(カーンの採光において節目となったものや建てられた物に影響を与えたもの)であると思われる作品を選定し、今後の研究対象とすることにした。 1.合衆国領事館および公邸 この作品は、ガラス面の手前に自立する日よけの壁と、日よけの屋根が複合して使用されている。アンゴラでの強い日差しを遮るために、当時カーンはこの日よけ屋根が最高の解決方法だとしていたが、この後強い日差しで設計する機会が多くあったが、この日よけ屋根が再び用いられることはなかった。初期のカーンに多用されていた直接日差しを遮る光の制御方法と、二重壁が組み合わせて使用されていること...

Louis I Kahnのアンビルド作品における光の設計手法の研究 -3Dモデルによる光の復元-

Louis  I  Kahnのアンビルド作品における光の設計手法の研究 -3Dモデルによる光の復元-

修士2年の新谷です。前期の修士論文の成果を投稿します。   1.序論 1−1.研究の背景と目的 ルイス・I・カーンがどのような意図を持って自己の建築を設計しているかは、過去から今日に至るまで様々な研究がなされてきた。その多くは既存の建築からカーンの建築を分析しているものである。カーンの光の設計に関する既往の研究としては、河野ら1)や柳田ら2)による研究があるが、いずれも既存の建築を分析しているものである。カーンが設計した60年代中旬の建築は、光の採光方法を複数採用している物が多く、魅力的な空間を持っている物が多い。しかし、それらの多くは実現すること無く終わっている。そのため、既存のカーンの建築のみの研究ではカーンの設計の本質に近づくことができないと思われる。カーンのアンビルド作品の分析・3D化をすることで、よりカーンの設計意図を深く読み取ることができるのではないだろうか。 本論の...

ジャン・プルーヴェのアルミニウムを用いた建築作品に関する研究−クラフトマンシップとデザインの関係性について−

0.序 0-1. 研究の背景 近代建築以降、建築家がその存在を知りつつもなかなか汎用的に用いることができなかった構造材の一つとしてアルミニウムがある。日本でアルミニウムに構造材料としての 役割が認められたのは2002年5月の建築基準法の改正からである。サッシュや金物としての使用は一般的であったが、近年アルミニウムを構造材とした建築が多く見られるようになってきた。伊東豊雄のアルミニウムを使ったハニカム構造や難波和彦の箱の家など、日本の著名な建築家がアルミニウム建築を試みている。しかしこうしたアルミニウム建築はまだ実験的な段階で留まっており、今後さらに発展していく素材である。また、アルミニウムは軽量で耐食性に優れ、容易にリサイクルできることから、環境に優しい素材として評価が高く、注目されている素材である。こうしたアルミニウムの特性は、今後の環境と調和した持続的な循環型社会を築いていく上でアルミ...

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