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東京の都市空間における新旧共存景観の基礎的研究

東京の都市空間における新旧共存景観の基礎的研究

B4川上です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。   序章 1-1.研究背景 新旧景観は世界の様々な国で生まれている。ヨーロッパでは街並みを意識したゾーニングが行われており尚且つ建物自体が長いスパンを保持する歴史的建造物群と再開発群という明快な対比が生まれている。また、中国では都市を一掃して開発することが珍しくなく、大きなエリアの開発群と既存バラックといった対比の風景が現れている。それに対し東京は雑多で奇妙な風景が錯綜するカオスと言われ、距離は関係なく平然と時代・素材・タイプの異なる建物が建ち振る舞うことで他国よりも対比関係が複雑に絡み合った新旧の景色が生まれていると感じる。こうした新旧景観にこそ東京という都市の特徴がより現れているのではないだろうか。 近年ではますます開発が進み、東京ではこれからもたくさんの新旧景観が生まれてくることが予想される。本研...

アルヴァ・アアルトの設計手法に関する基礎的考察 -内皮と環境因子に着目して-

B4の石渡です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表させていただきます。   1.はじめに 1.1     研究の背景 北欧を代表する建築家であるアルヴァ・アアルトの建築は、その独特な形態や曲線・曲面が特徴的である。中でもそれは天井をはじめとした建築内部に表れていることが多く、建築の内皮が躯体の形態から離れ、自由にふるまっているものも少なくない。 このようなアアルトらしい建築の形態は、アアルトが建築の内部空間にいる人間の感じ方を熟慮して建築を設計していたからではないだろうか。 1.2     研究の目的 アアルトの建築作品における内皮の形態を分析し、アアルトがどのような思想を持って設計していたのかということについて考察する。 過去にも曲面形態に関する研究はなされているが、その研究は形態自体に着目したものであった[i]。本研究は、アアルト建築の曲面形態は単なる形態に留...

近現代における建築と衣服の変遷から見るパビリオン建築

B4寺島です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表させていただきます。 近現代における建築と衣服の変遷から見るパビリオン建築 序章 研究概要 0-1研究の背景 建築と衣服は、古くから、人間の身体を守るシェルターとしての本質を共有し、建築とは“固定されたシェルター”、衣服とは“移動するシェルター”という視点を持つことができる。また、両者は社会的・個人的あるいは文化的なアイデンティティの表出としての役割を担ってきた。両者は時代と共にイデオロギーや技術革新によりボーダーレスな概念をまといながら、結果として様式的に創作動機を共にしつつ、新しい形態や質感をもった作品を生み出し進化させてきた。特にコンピュータをはじめとする様々な技術の革新が、建築や衣服の自由な造形を可能とし、それぞれの表面と構造の関係に変化をもたらしている。 近年、都市から都市へと巡回する移動式パビリオン建築が話題と...

F・L・ライトのフローイングスペースを生む 設計手法の分析と CFD 解析による環境評価 -ロビー邸をケーススタディとして-

B4佐坂です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表させていただきます。 0.序章 0-1.研究背景 日本にとどまらず世界中でのエネルギー消費が産 業革命以来問題となっている実際、日本でも ZEB や ZEH など推進の政策を国を挙げて初めている。そこ で建築家には環境配慮の建築計画が求められている ことがよくわかる。  ここで巨匠フランク・ロイド・ライト(以下ライ ト)は近代建築にフローイングスペースと呼ばれる という設計手法の持ち主として大きな影響を与えた 人物で主に知られている。一方で、ライトが手がけ た住宅作品にはオーガニックハウスといわれる自然 との調和を図った建築構成になっていて、ライト自 身も自らの作品を有機的建築と呼んでいる。さらに は、産業革命に伴い発達した環境設備機器をもいち 早く導入しているのである。ここからライトには意 匠的な空間構成にとどまらず、環境...

現代建築レビュー4月号

B4の大澤です。2019年6月4日に実施しました新建築4月号の「現代建築レビュー」の模様を報告致します。 氏家(司会):今月号で気になった建築をあげてください。 福井:僕は、偶然の船です。家具が人間の身体感覚から寸法を決められ、オフィスの空間に場所性を生み出すのが面白いと思いました。 佐坂:僕は、ICIラボです。平面を見た時、RC断面と木造の断面が対照的に描かれていて、空間として気になりました。 建入:僕は、面白法人カヤック社屋です。オフィス的外観と中の木の架構の差を、スケールの操作で落とし込めていて面白いと思いました。 森本:僕は、Arup東京新オフィスです。フリーアドレスが散りばめられ、デジタル技術の導入も今までにないものだと思いました。 川上:私は、HandiLaboです。単純な構法でも心地よいリズムを持つ温かみのある空間が生まれてて面白いと思いました。 皆川:私は、偶然の船です。家...

現代建築レビュー3月号

B4の川上です。2019年4月25日に実施しました新建築3月号の現代建築レビューを投稿致します。   大河内(司会):今月号はリノベ特集でしたね。では皆さん気になった作品をひとつ挙げていきましょう。 建入:僕が気になったのは旧山口萬吉邸です。歴史的建造物としての保存にかかる相続税を考慮しリノベされた経緯が面白いと感じました。また、オフィスの設備とレトロ感の融合が良いと思いました。 森本:一番良いと思ったのは、西陣産業創造曾館です。木造であることを視認できるように構造的に補強をしている点や混構造を理解して設計が検討されている点が面白いと思いました。 林:僕はシカゴのギャラリーです。階段の向きが効いていて、新しいRCとレンガが向き合っている様子が良いと思いました。この敷地だからこそできた建築という感じがしました。 石渡:私もシカゴのギャラリーが良いと思いました。新旧の対立、レンガの凹...

梅田吸気塔再生計画

梅田吸気塔再生計画

  ■背景 梅田駅周辺にはたくさんの建物が建っている。また、地下には日本有数の大きさを持つ大阪・梅田の地下街が存在する。地上部分と地下街は分かれて存在しており、双方の関わりはあまりない。 本計画では、地上と地下をつなぎ、地上部分と地下街との関わりを生み、ただ通り歩くところに滞在できるようになるなどの新しいアクティビティを誘発する。大阪・梅田の都市を再編することを目指す。 ■敷地 計画敷地は大阪府大阪市北区曾根崎2丁目16。この場所には、三つの幹線道路に囲まれた三角地帯がある。ここには横断歩道や歩道橋がないため、一般の人は立ち入ることができない。都市から独立した空間である。 この場所には、その下にある「ホワイティうめだ」という地下街に空気を送る吸気塔が建っている。この吸気塔は、ステンレス版で囲まれた不思議なオブジェのようなものであり、これは、昭和38年(1963年)に建築家・村野...

コンセプトシェアハウスの実態と交流の仕組みに関する研究—空間構成・立地・運営に着目して—

コンセプトシェアハウスの実態と交流の仕組みに関する研究—空間構成・立地・運営に着目して—

修士2年の大滝です。修士論文の概要を掲載します。   ■研究の背景 2000年頃から増加を続けるシェアハウス(以下、SH)(図1)の多様化が進んでいる。経済性を重んじるSHの対立項として、性質の似た居住者を集め、コミュニティを活発にする「コンセプトシェアハウス」(以下、CSH)が登場した。この施設は、趣味、嗜好、性別、国籍などの共通点をもとに入居者を募り、カテゴリーの似た人間同士でシェア生活を営むものである。 コンセプトには「クリエイターが集う」ものや、「外国人と同居してコミュニケーションを図る」ものなど、多様なもの見られる。また、コンセプトが変われば、建築にも機能の付加や、空間の接続の変化などの違いが生じるように思われるが、交流を生むための空間的な工夫が見られないものが散見される。 このような現状を踏まえ、CSHの事例の交流を生むための空間的な工夫をつぶさに分析することで日本の...

Roof Top City ―メガストラクチャーがつくる空中都市―

Roof Top City ―メガストラクチャーがつくる空中都市―

1.背景 ペンシルビルが多く並ぶ場所は、土地が細分化されているため地権者がそれぞれに存在し、大規模な開発が困難になっている。そのため、そのような地域では陣取りをしていくかのように中規模な開発が行われ、残ったペンシルビルは開発から取り残されてしまう。しかし、残ったペンシルビルを取り壊して立て直すことに私は寂しさを感じる。ペンシルビルに入る店舗には昔ながらのものが多く、そこには常連客などが集う。また、土地が細分化されていて路地が生まれるため、ペンシルビルのある場所には独特の空間やコミュニティーが形成され、その場所の魅力となっているからである。 2.提案 現段階では先述した地権者の問題により、既存建物を一気に開発させるのは難しいと考えられる。そこで仮設的な開発をして利益を生み出すことを提案する。地権者から上空権を買い取り、既存建物とは干渉しない形で上空部に建築物をつくり、上空部での利益の一部は...

Shunojutaku シェルフユニットで編成する集合住宅

Shunojutaku シェルフユニットで編成する集合住宅

              01.一人暮らしにとっての「イエ」とは何か 一人暮らしの人にとって「イエ」とな何なのか。家族と団欒する場ではない。現況、他者と積極的に交流する場になっているとも言い難い。学生であったら授業やゼミ活動、バイトで自宅に帰って来るのは夜遅く、また、社会人であれば仕事の出張などで家に滞在している時間が多いとは言えない。では、ホテルではなくそれぞれがお金を払って部屋を持つ理由はどこにあるのか。私は自分の所有物を誰からも侵されることなく、安心して保持できることが最も重要なことだと考え収納=シェルフを中心に集合住宅を設計することを考えた。                 02.敷地 敷地は豊島区の池袋駅から徒歩で10分ほどの...

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