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木造密集市街地におけるCLTを用いた段階的都市更新に関する研究 –東京都世田谷区三軒茶屋二丁目を対象とした建て替えをケーススタディとして–

M2 佐藤滉哉です。修士設計について、ゼミ合宿までの途中経過を報告させて頂きます。

 

私の研究の大きなテーマは、「木造密集市街地における新たな都市更新手法」と、「木質構造部材CLTの有用性」についてです。この2つのテーマが私の研究のメインのテーマとなります。

動機としては、

1つ目のテーマに関して、都心周辺部に存在する木造密集市街地(下図上)は、老朽化や土地の有効活用を目的として大規模な再開発による都市更新が計画される。しかし、大規模な再開発故に、街並みを残したい住民からの反対や複雑な土地所有の問題もあり、進行し難く、従来のスクラップアンドビルドとは異なるアプローチが求められていると考え、設定しました。

2つ目のテーマに関して、建築は設計段階においてほぼ恒久的なスパンを想定して計画される。一方で時間が経つにつれて都市や建築に求められる要素は変化していく。その都度壊しては作り上げる。ならば、初めから完成させる設計ではなく、変化に対応していける建築が必要なのではないかと考えます。そこで、断熱・遮音・耐火性が高いなど建材として優れた点が多く、ユニット化(下図下)により、施工工期を大幅に短縮することが魅力である新しい木質構造部材CLTを用いて段階的に変化していく都市の可能性を考え、設定しました。

木造密集市街地-01  工場でのCLTユニット施工

研究の目的

本研究では、木造密集市街地において、従来のように全面的に取り壊して一斉に整備するのではなく、下図のように、【防災性の向上】、【上部利用】、【建物の不燃化】と、CLTの特性を活かして、段階的に建て替えていく都市更新手法の提案を目指します。

研究方法ダイアグラム-01

敷地概要

所在地:東京都世田谷区三軒茶屋二丁目

区域:旧センター地区再開発予定地(第4工区)

敷地面積:3568.13㎡(種地A 112.29㎡ 種地B 209.06㎡を含む。種地に関しては後述するものとする。)

用途地域:商業地域 防火指定:防火地域

建ぺい率:80% 容積率:500%

梗概 敷地図-01 マスタープラン2-01

敷地(下図上)は、東京都が、整備の対象としている木造密集市街地であり、世田谷区はこの敷地を含めた周辺において、基盤整備事業を進め、各地区の再開発(下図中上)を行ったが、老朽化した商店が軒を並びながらも、複雑な土地所有(下図中下)や土地利用者からの反発等を要因にこの敷地では事業が停滞している。渋谷から近く、土地の資産的価値は大変高いにも関わらず、敷地は低層高密であり、立地のポテンシャルを活かしているとは言い難い。一方で、敷地内の建物の立地形態は極めて複雑であり、路地空間は他には無い、独特の個性(下図下)を持つ。この敷地において、建物スケールでの段階的な建て替えによる都市更新を行うことで、路地空間の個性を保ちつつ、防災性の向上や上部空間の有効利用で、この街に大いに貢献できると考え、この敷地を選定しました。

敷地 鳥瞰パース-01キャロットタワー-01PPT用 土地所有者マップ-01    路地-01

 

基礎研究

設計に取り組むに際して、木造密集市街地の現状や敷地の課題点や可能性を考察することで設計での留意点を提示、また、CLTの現状や国内(下図上)・海外(下図下)の事例より手法を参照します。

CLT事例リストCLT海外リスト-01

設計提案(9/18現在)

本研究では、敷地のコンテクストを保持しつつ、下図上のように、段階的に木造密集市街地を更新する。種地にCLTユニットを建設し、少数テナントを移設する。空いた敷地に防火壁を建設し、防災性を向上させる。同時に防火壁を構造体として上部に人工地盤を建設、同上に世田谷区庁舎建て替えの為の仮庁舎をCLTを用いて建設する。仮庁舎の役割を終えた後に、CLTの施工性を活かして、住商併用建物にコンバージョンを行う。随時既存テナントを上部建物に移設しながら既存躯体を建て替えることで全体を構築、この地区を更新していくことを考えています。(下図下は現状の想定プログラム)

更新ダイアグラム0-01想定プログラム-01

今後、スタディを進め、マスタープランのベースとなる平面図を書き出し、学科全体発表に向けて設計提案を深めていく予定です。

 

 

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