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境界のかたち -麻布米軍ヘリ基地地下返還計画-

ボード

01.背景・目的
戦後70年を迎える今年、戦争体験者の高齢化により失われてはならない記憶が失われようとしている。このような世代の転換期において、私たちのような戦争を知らない世代が戦争について考え、記憶を継承することが求められる。
本設計では、私たちが戦争を自らの問題としてとらえ、考えを巡らせるため、米軍基地の地下に平和祈念館を提案する。
02.敷地
敷地は、六本木の麻布米軍ヘリ基地とする。日本の旧陸軍兵舎からは始まり、現在は米軍基地として軍用地の歴史を辿ってきた。基地返還の過程で、現在アメリカが使用している基地はハーディーバラックス、不法占拠地、代替返還予定地の3つの領域が存在する。ハーディーバラックスは正規の米軍基地であり、新聞社やヘリポートなどの重要機関から成る。不法占拠地は、六本木トンネル開通の工事のために一時的に日本の土地と貸与したものであるが、工事終了後も返還されずに不法占拠されている場所である。代替返還予定地は、不法占拠地の代わりの返還地として提案されたものであるが、両国で合意がなされたにも関わらず未だにアメリカがヘリポートの一部として利用している。

03.計画概要
基地の全面返還に向けた第一段階として、不法占拠地と代替返還予定地の地下返還をする。ヘリポートとして使われるこれらのエリアは、都心の利便性から返還がされていないが、六本木トンネルの事例から地下返還が可能であると考える。

04.プログラム
不法占拠地、代替返還予定地にそれぞれ戦争に関する美術館と博物館を配置する。また、隣の青山公園の一部を地上に表れる追悼ホールとする。
05.展示計画
美術館には153点の戦争記録画、博物館には約5000点の遺品と330名の証言ビデオを展示する。これらの資料は戦後政府が隠ぺいし、倉庫に眠ってきたものであるが、戦争の転換期において、これらを公開し、日本が加害者としての一面を認めることで、平和について考える新しい第一歩になると考える。
05.動線計画
領土境界線の縁を歩く。来館した人々は戦争に関する展示物を見ながらこの場所の歴史を体感し、日本の領土を最大限に主張し、アメリカの領土に対しての抑圧をも意味する。縁を巡った先に、日本領土内の追悼ホールが表れ、地上からの光が十分に差し込むこの場所は平和の象徴として機能する。
06.終わりに
これらの領土境界線は基地が全て返還されたあとも、記憶として残り、平和について考えるきっかけの場所となることを願う。

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