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日々の焦点と幸せ-街をうつす駅前空間-

0 はじめに

建築というのは、コミュニケーションの媒介であると考えている。建築空間によって、場の性質が決定されると同時に人々の行動は誘発され人はコミュニケーションをとる。例えば、小学校では子供の身体や他の人とのコミュニケーションを図り、教会では神あるいは自分自身という精神的な面とのコミュニケーションを図るために建築空間が作られる。本設計において、日々の幸せを感じるために街と身体とのコミュニケーションを図り、その為に生活を比較可能にすることを目的とする。

1 設計の背景

背景として敷地に対する背景と個人的な関心である「幸福」に対する問題意識を大きな二つの背景とする。

1-1 行幸通りに関して

敷地に設定した行幸通り及びその地下通路は東京駅中央口の西方向に位置する。東京駅は新幹線の起点となっているため東京の玄関口となり、利用者を最も特定しない機関である。また、東京駅周辺の丸の内はオフィス街として発展している。、大手銀行や大企業のビルが建ち並び、日本の金融及び経済の中心地の一つとなっている。そういった特徴を持つ敷地であるが地上レベルのオープンスペースにおいては、立ち止れるような空間は少なくほとんどが歩行などの為に用意されている。

1-2 しあわせに関して

幸せとは環境や状況などが変化する点に認識できるものであるが、日常というものの性質上その変化点は形骸化し認識しづらいものだとヒアリングを重ねるなかで感じた。

2 設計の目的

以上の背景より都市にオープンスペースを設け、そのことにより日常の身体感覚と街の姿を再認識することを目的として、通勤や帰宅またはショッピングの前後などの隙間の時間に利用できるギャラリーを備えた空間を公共空間として提案する。

3 設計手法

身体とのコミュニケーションと街とのコミュニケーションという大きな2つの目的に対して建築を構成する壁や床、天井に注目しそれらの素材をアクリルとし曲率を与える事をデザインコードとする。

3-1 身体とのコミュニケーション

曲率を持った面はやわらかく空間を作り、その曲率の大小によって空間の使われ方を誘発する。また、曲率を持った面は球の一部であるが、一つの曲率に対して、球で言うところの内側と外側という2つの性質を持っている。小さな曲率を持った面の場合、内側はまとまった空間を作りその面は垂直な面で構成される壁よりも、緩く丸まった面は「人が止まる」という行為に対して身体にフィットしよりその行為を誘発することでポジティブスペースとなり、外側は先の空間や上下方向対して開けた構成となりネガティブスペースとしての役割を帯びる。また、大きな曲率を持つ面の場合、それが椅子としての役割を帯びるとして、内側の面はくつろぐ事のできる椅子となり、外側の面は緊張感をもった椅子となる。このように曲率の違いとその内側、外側によって様々な行為が生まれ空間の性格が作られる。また、様々な曲率は異なる曲率と組み合わせる事で空間の性格が強まる。

3-2 街とのコミュニケーション

具体的な透明素材に関しては、熱に対しては弱いが素材自体の強度的な側面や近年の修士設計でも用いられている事から実現性の一番高いアクリルとした。透明素材を用いる事で曲率をもった面はレンズの役割を果たし普段見ている街の様子を拡大、縮小し見えているはずの景色、例えば、街に建ち並ぶビル群をより広角に映し、街に咲いている小さな花や人々の動きなどを拡大して映すことで再認識させる。レンズに映される像の成り立ちには焦点の距離と位置が大きく関係している。ルーペに使われる凸レンズの場合、焦点距離はレンズに対して対象側にあり、対象が焦点距離より近い距離にあるときに正立して拡大し、焦点距離よりも遠い距離にあるときに倒立して拡大する。凹レンズの場合、焦点距離はレンズに対して観測者側にあるため正立して縮小する。焦点距離は曲率の大きさに反比例して大きくなる。つまり、東京駅などの遠い対象を映させる場合、曲率を小さくする必要が在る。また、ある凸レンズと凹レンズを交互に組む事で焦点距離が延長され像の大きさを保ちつつ遠くまで輸送する事ができる。

 

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