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geography of the scene

卒計アーカイブ ボードθ

1.背景-漂白されていく都市に対するアンチテーゼ

現在都市は様々な人口物により埋め尽くされている。道路はきれいに舗装され、都市の中の植栽は整備され、元々は大きな力を持っていた地形でさえ隠蔽され人の手により飼いならされている。純粋な意味での原っぱなど東京という都市にはもう存在しないのではないか。また、“2020年”というスローガンを掲げ、現在都内では多くの再開発が進んでいる。新宿区四ツ谷はその名の通り4つの谷が存在する場所である。しかし、ここも例外ではなく再開発という名の都市の漂白が場所の個性を消そうとしている。

 

2.分析-スリバチ地形の時代的推移

かつては豊富な緑と大きな池があり景勝地として知られていた。時代推移と共に花街、住宅街へと変化していった。そのことにより、土地は造成され地形は密集する建物により隠蔽されている。

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図2-1 時代的推移

 

3.提案-大都市の地形が生み出すダイナミズム

建築の成長、技術の進歩の弊害として加速する都市の漂白の中で過去に決定的な要因であった大地(地形)を空間として知覚するための建築を考える。線形に行われてきた都市計画。その始まりであった地形を建築内に取り込むことにより、現在の都市のなかで場所性を獲得していく。

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図3-1 コンセプトドローイング

 

4.手法-揺らぐ境界

だまし絵は異なる2つのイメージの重ね合わせによりできている。普通に見ると美女の横顔に見えるが、それは不意に老婆の横顔へと変化する。既存の都市に存在する境界に対して齟齬を生み、現状の都市で強固な存在である建築に対して虚構としての建築を考える。また、その2つの重ね合わせるイメージは既存の都市に存在する〈模倣形態〉と新たに都市に出現する〈輸入形態〉を用いる。

 

5.内部空間-現地形の露出

無理に過去の姿へと回帰するのではなく、現在の姿を凍結する。つまり、既存の都市に存在している大地を露出させる。実際に現状の都市の中にヒューマンスケールを超えるような地形の存在を知覚させることで、都市に身を置いたときにも地形の存在を知覚するようなきっかけを生み出す。

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図5-1 現在の地形の形を露出させる

 

6.プログラム-分棟型の美術館

荒木町という密集地に適したスケールの美術館を計画する。従来のような大きな建築が1つあるのではなく、分棟形式とし都市に分散させる。分棟型の美術館との間に都市を通過する。地形を感じる空間を経験することにより、都市に元来存在する地形さえも展示物となる。また、全4棟のうち常に1棟で制作が行われ、一定の期間を経て次の棟で制作が行うというようなサイクルにより機能が建築同士を接続する。展示品はその場で制作される。そのことにより、その場所にふさわしいサイトスペシフィックなアートが制作される。

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図6-1 都市を巡る分棟型の美術館

 

7.設計提案-都市に溶け込む地形を知覚するシーン

外観からは認識できないような地形が露出した内部空間を獲得する。現在の都市空間や建築の成長は豊かな環境だけでなく均質な都市を生み出している。今こそ大地の再考が必要である。本提案の4つの建築は、都市の中でゲニウス・ロキを呼び起こす起点として存在することを目指す。

パース群

 

図7-1 内観パース

 

 

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