You are here: Home // 伝統的集落 // 中国北京集落現地調査~川底下村~

中国北京集落現地調査~川底下村~

 M2 若田優樹です。

 

831日~94日まで北京川底下村に集落調査に行ってまいりました。

 集落は北京から西に90km行ったところにあります。

 川底下村は民清時代に形成され。住居形式は四合院ではありますが、傾斜地にあるために、四合院の形式性を逸脱した住居が見受けることができます。

 四合院の住居にIDを1~44まで振って調査を行った。

 その一部を本記事で紹介しようと思う。

  

集落調査一日目

 

ID39

 ID4の前にある空き地に建てられた新しい住戸である。北棟がカフェとして道路に対して開いている。南棟と道路にレベル差があるために南棟支部に半地下の倉庫が設けられている。ここで道路側が低くなるように段差が設定されている傾向を発見。逆に道路に対して逆に傾斜しているような住戸は特殊なものとして分類できるのではないか??

 

初日は午後からの調査であったことと不慣れだったために6住戸しか調査できなかった。

  

二日目

  

ID

 増改築が施され、かつての姿はかなり変わっている。しかし、地形的な制約が強いため極めて特徴的な携帯を持っている。特に階段状の通路の丈夫にコンクリートの柱でスラブを浮かせテラスとして利用している点は二日目調査終了時点で、同じ例を見ない。2000年に倒壊していた住居の基礎から平面の外形を取り立て直されている住棟があった。昔からのものがそのまま残っている部分の奥の方は猛犬がいるため実測できなかった。

 

 

 

ID

 四合院である。北側の住棟が立て直されていて、屋上をテラスとして利用している。屋外からと北棟からテラスへアクセスする階段があり、動線に上下の回遊性と複雑性が生まれている。また石垣のアールがそのまま壁面になっている住棟も増築されている。

 

 

 

ID

 住棟が二つの住宅である。敷地が小規模で、三角形に近い形であるにも関わらず、古くからある部分は投稿線に対して垂直であり、門の部分の方向もそれに合わせている。形式性を優先している。しかし、それにより建築面積が少なくなっているので、東棟の背後に不整形な部屋を作っている。

 

 

 

ID10

 四合院の形式から西棟が押し出されている。インタビューによるとこの住戸は風水に対して厳格である。路と道の関係もそのひとつである。路は屋外の道のことで道は屋内の道のことである。道は水平垂直でなければならず、路は自然環境への対応が優先されるため曲がっていたりしても良い。この住宅ではそのルールがしっかりと守られている。また、北棟の西側の壁面に沿って階段があり中庭から2.7m高い位置にもう一つ部屋を作っている。見たところ、その部屋は宿泊用に使われていると予想される。

 

 

 

ID15

 横組みになっている住戸。右側の住戸は特徴的である。西東南棟が一体化している。最初は東に西棟がありそれに壁を東西方向に付けることで南棟ができているのではないか。北棟は倉庫になっている。普通は北側であり斜面側でもあるというポテンシャルの高い場所が倉庫になっているので、あとから作られたものであると考えられる。倉庫のレベルは1980であり、ここは山の斜面があり昔は住棟が建てられない条件であるところに倉庫を現在立てたのだと予想される。その倉庫から敷地の北側であり斜面の高い場所の通路に接続しているのが面白い。このように南北に増築されたため中庭は非常に狭く閉鎖的である。

 

 

 

ID6~8などはどれも増改築がなされている。昔作られた形式とは違うものになりつつあるが、敷地境界線や地形の制約により、断面的に面白い空間が生まれている。集落は2000年ころから改造され始めている。その改造の前に集落の歴史を記録保存する意味で北京建築工程大学本の実測が行われたみたいである。川底下村は現在も人が生活している集落であり、生きた集落は絶えず変化し続ける。川底下村の変化も古い形式からは逸脱しているが、これもれっきとした集落の変化と言えるのではないだろうか。集落の観光地化とそれに伴う住民の増加などにより、住民や職人が知恵を使いながら地形や敷地形状に対応した結果が現在の住戸の姿である。そのように考えると増築された部分に関しても、論文のテーマの一部になりうるのではないかと思う。さらには、増築された部分も検証することで工程大の本に対する立ち位置も確立できるし、現在川底下村を調査する意義が生まれる。なぜなら2000年頃から集落は変化を始め現在も施工中の住戸が見られ、現在は変化の途中であるからだ。今後、その点にも留意し調査を行う。

  二日目の調査は雨の中の調査だったがしっかりと出来たのが11住戸、実質12.5住戸分の調査が行えた。

  

三日目

 ID25

 二つのオーナーが入っている住宅である。北側の住宅では、階段を上ると屋上にテラスがある。中庭からは四合院の見栄えを崩さないようにしつつも新しい床面積を追加している。テラスへ行く階段とテラスからは関帝廟にアクセスするための路地につながっていて、その後ろにある畑にもそこから行ける。テラスという床面積を増やしつつも路地とテラスのレベルを合わせることで交通の利便性を獲得している。また南側の住戸は中庭の他に畑を敷地内に持つ。門から直接畑にも中庭にも行くことができる。南棟をぐるぐると回る動線が確保されている。

 

 

三日目は13住戸測量することができた。

  

4日目

 ID31

 南側の住宅は閉ざされていて測量できなかった。しかし、北側は調査できた。西棟が押し出された三合院であり、北棟の脇から階段を上ると眺望のようテラスがある。自家製のコーヒーを飲めるという看板があり、テラスでコーヒーを飲める。

 

 

 

次に村全景の写真を撮るために、村の向かいの山に登る。全景の写真を撮撮影。

  

断面図作成

 断面は臨機応変に三角図法や路地をこまめに測量して、高低差を総体的なものにすることでなんとかやり切ることができた。家に帰って作図して考察を行おうと思う。断面図から、増築部分は中庭からの景観を壊さないように作られていることが証明できたらひとつの結論になると思う。断面図はID19が調査できなかったので断面2を制作することを断念し、1・3・4の三つを作成することにした。

  

断面調査が終わってID25の東にあるIDを降っていない住戸の平面を測定することにする。

  

最終日

 

最終日は撮り忘れた寸法を測定、住民へのインタビュー、道の高低差を測定しすべての住居の高低差を相対的に比べられるようにした。

Copyright © 2024 OKOLAB.net. All rights reserved.