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【雲】-多文化都市をつなぐ立体格子-

■都市にかかる雲:イントロダクション

自己完結した自閉的な建物群。
自然発生的に完成した都市。
依存し合う空間、強く閉ざされた壁。
その状態を地形のように捉え、雲をかけました。
雲、という弱い境界を壁の外に新しくつくりました。
雲は生活を壁の外に拡張するきっかけです。
都市に生活があふれ、混ざり、つながっていきます。
 
■多文化都市?大久保:敷地
敷地は新宿区大久保。魅力的な内部の生活とペンシルビルでできた都市。表裏の区別が存在し、密集する表同士裏同士でも隣との関わりを閉ざすような空間で窮屈な活動が行われ、この都市にはわずかな隙間しか残されていません。
 
■立体格子:デザイン
この隙間に雲をかけ表の商と裏の住をつなぐことで留学生を含むすべての活動が関係し合う状態をつくります。
雲とは生活の溢れ出しのきっかけとなる立体格子です。
立体格子は都市を構成する面の強さに対する線という弱さ、使い手による変更可能性という計画性の弱さという2つの弱さをもつものです。
これによって余白や路地の立体化、可視化を行います。
住人や店舗はこの格子をきっかけに増改築を行います。
使い手の行為や意思、つまり生活が入って初めてなんとか建築と呼べる程度のもので都市を覆います。画一的なペンシルビルやアパートでできた都市を生活でできた都市へと変えていきます。
「雲」とはバラバラにつくられる生活の全体性を担保するコンセプトイメージであり、生活でできた都市の体験や現象を作り出す格子のあり方です。
 
■家具から都市まで:機能
きっかけ/路地/余白/学生寮/個人空間/共有部/言語学校/カフェ/屋台/商業空間/都市
 
■都市・建築・生活の断絶と連続:空間
依存しあう都市の様々な生活、活動が格子にあふれ、関係し合い、格子をきっかけに自然発生的に成長していきます。
日々更新される都市の様相は大久保のダイナミズムを映し出し、気象現象のように訪れるたびにその表情を変えていきます。

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