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銭湯再生におけるコンバージョン手法に関する研究ー銭湯要素の扱いに着目してー

銭湯再生におけるコンバージョン手法に関する研究ー銭湯要素の扱いに着目してー

B4の柚木です。春学期に行った小論文を掲載させていただきます。 序章 研究の概要 0-1 研究の背景、目的  近年建築業界では再生建築が注目されている。その中でもコンバージョン手法は既存の用途から用途変更をして新たな機能を持つ建築に再生させる手法であり、多くの再生事例が存在する。また近年の再生では日本特有の建築である銭湯が対象となることが増えており、建築雑誌やインターネットの記事に取り上げられることが増えてきている。銭湯は古くから日本人にお湯を提供し、地域の交流の場として栄えた地域施設だが、時代の流れにより衰退の一途をどっている。しかしそのような状況においても再生し新たな施設へと転用した事例が存在する。  本研究では既存要素に着目してコンバージョン手法を分析するため、既存用途により建築的特徴の強い銭湯をケースタディとして、銭湯の要素が再生後にどのように扱われていく...

アーキファニチャを用いた新たな団地再生手法の研究

アーキファニチャを用いた新たな団地再生手法の研究

修士2年の建入です。修士研究の途中経過を投稿いたします。 1.研究の背景・問題意識 近年の住宅は、在宅ワークやSOHO型住宅、多拠点居住など、ライフスタイルの変化に合わせて、住空間も多様に変化しています。 その中で団地は、大量供給のために標準化された設計により、同型のプランの集積によって構成されており、多様性があるとは言えず、高度経済成長の負の遺産として空き家が増加しています。 一方で、広い隣棟間隔や周辺施設の豊かさなどから団地を再評価しようという流れがあり多くあるストックを解消しようと、独立行政法人都市再生機構(以下UR)は様々な取り組みを行なっています。 団地の周囲に菜園を計画するものや、高齢者のためにEVを設置するなどバリアフリー化するなど様々な事例がありますが、ここでは室内空間の改修に着目します。 ■室内空間の改修につい...

藤井厚二の一連の実験住宅の変遷過程 ―通風計画に着目して―

藤井厚二の一連の実験住宅の変遷過程 ―通風計画に着目して―

B4の間宮です。2020年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。 第一章 序論 1-1 研究の背景 現在地球環境問題が表面化し、自然エネルギーを利用した環境住宅が見直されている。この環境住宅を手掛けた設計者の先駆けともいえるのが藤井厚二である。藤井は生涯5回に渡って自邸をつくり、自らが住む生活実験を行うことで日本の気候風土に適した住宅を模索した。 1-2 研究の位置付けと目的 藤井厚二の実験住宅に関する研究には、伊藤帆奈美、橋本剛らによる聴竹居の気温と風速の実測調査や、実験住宅の変遷を通風の観点から考察した研究が存在する。しかし、藤井がそれぞれの実験住宅で何に挑戦し、何が障害になったのか具体的に研究したものは見当たらない。そこで本研究は藤井の5棟の実験住宅を対象にCFD解析を用いて通風の観点から分析することで、各実験住宅における藤井の挑戦と失敗...

ジェフリー・バワの建築設計手法 ~自然通風と空間構成に着目して~

B4福井です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。 0-1 研究背景 本論文は21世紀の建築の時代における転換に大きな役割を果たしたスリランカ出身である、建築家ジェフリー・バワの設計作品から、彼が語る建築の時代と高温多湿な熱帯での自然通風を考慮した設計手法を解明することで思想が有する意義 と展開の可能性を示す。 0-2 研究目的 本論文では、湿度や気温が非常に高い地域の自然通風と空 間のつながりをジェフリーバワの設計した作品を風環境を評 価することで建築空間と自然との境界を規定している空間構 造を解明する。また彼の作品が何らかの変遷を遂げて設計論 が集積されていく過程を代表作品を歴史的に辿ることから分 析、考察を行う。 環境評価については近年発達を遂げたコンピューターによ るCFD解析を用いて風の挙動を可視化し、熱帯の建築と環境 の合理的な関係性を提案した思想か...

オフィスビルから宿泊施設への用途変更に関する研究

オフィスビルから宿泊施設への用途変更に関する研究

修士2年の島田です。研究の途中経過を投稿致します。 序章 研究の概要 0.1研究の背景 大都市圏を中心に、ホテルの開発計画が相次いで浮上している。その背景には訪日外国人数の増加があり、日本政府観光局の目標値によると2020年の訪日外客数4,000万人に達する。その影響により、東京のホテルのマーケットでは2016年時点の既存ストックの31%である約3万室の客室が供給されても3,500室程度不足すると推計される。2017年から2020年までに供給される客室数は既存ストックに対し38%、都市別では、東京は31%、大阪は42%、京都は 最も多い57%に相当する供給が見込まれている   最近では、オフィスビルを都市型ホテルに転換する事例が、都心部を中心に急増している。しかし、森トラストの発表によると、東京23区におけるʼ18年の大規模オフィスビル供給量は147万m2となり、過去20年間で4...

住宅宿泊事業法施行に伴う民泊に関する研究―空間構成・ホスピタリティ・諸制度への対応に着目して―

住宅宿泊事業法施行に伴う民泊に関する研究―空間構成・ホスピタリティ・諸制度への対応に着目して―

M2久木元です。修士論文の概要を掲載します。   ■研究の背景 現在日本では訪日外国人が年々増加する傾向にあり、特に都市部では宿泊施設不足が問題視されている。そのため従来のホテルや旅館、簡易宿所に加えて一般住宅に宿泊させて宿泊料を取る「民泊」という宿泊形態が急激に増加している。 しかし現行の旅館業法では民泊に該当する宿泊形態を規制できないため、「ヤミ民泊」と呼ばれる正式な登録なしに運営される宿泊施設の数が増え続けている。この問題の解消のため2018年6月15日に住宅宿泊事業法が施行されることになった。 住宅宿泊事業法に基づく民泊(以下、新法民泊)では既存の住宅を利用して運営される場合が多く、外国人観光客の受け入れだけではなく、近年の縮小社会によって日本が抱えている空き家問題やコミュニティ問題の解決の一助となることが期待されている。 しかし民泊新法施行以降、Airbnb等の仲介サイ...

ラルフ・アースキンの住宅作品における パッシブデザインの手法とその変遷について

ラルフ・アースキンの住宅作品における パッシブデザインの手法とその変遷について

B4小峰です。春学期の研究内容について報告いたします。   序章 序論 0_1 研究の背景と目的 日本では近年、環境問題への取り組みが求められており、建築分野でもサステナブル建築の発展に注目が集まっている。しかしながら日本には四季があり、年間を通して気候の変動が激しいため、日本でのパッシブデザインの設計は難度が高く、現状では十分に実現されていないように感じる。 ラルフ・アースキン(Ralph Erskine、図1)は1914年にイギリスで生まれ、スウェーデンを中心に活躍した建築家である。数あるアースキンの作品の中でも住宅作品に注目すると、その分布はスウェーデンの首都であるストックホルムの周辺に集中している。この地域は暖流であるメキシコ湾流の影響により、同緯度帯にあるロシアやカナダ等の他国に比べると温暖な気候となっており、日本と同様に四季がある。冬には氷点下まで気温が下がり、降雪も...

オランダの教会から住居へのコンバージョンに関する基礎的研究

オランダの教会から住居へのコンバージョンに関する基礎的研究

学部4年島田里沙です。2017年度、春学期の研究結果を掲載します。 私は、オランダの教会から住居へのコンバージョンに関する基礎的研究を行いました。以下研究概要を掲載いたします。   序章 研究の背景と目的 近年、オランダではキリスト教のコミュニティが縮小 して使われなくなった教会が増えていること、またオランダでは住宅不足が社会問題となっていることから、オランダは教会から住居へとコンバー ジョンされる事例が見られる。 この論文では、1オランダのコンバージョンや保存に 関する制度や法律を明らかにする。2教会を住居へコ ンバージョンする際の設計手法、設計の際の問題点や 障害などを明らかにする。   研究の対象と方法   オランダの教会から住居へのコンバージョンがされた事例、7件を対象とし、平面、断面、住戸配置などから分析を行う。 1,chapel of living...

ポルトガルにおける改修デザインにおける歴史的共作と作家性の相克 ―新旧区分の接合部に発生するディテールに着目して―

ポルトガルにおける改修デザインにおける歴史的共作と作家性の相克 ―新旧区分の接合部に発生するディテールに着目して―

研究の途中経過を報告します。本研究のフレームワークは壮大に「辺境からみたモダニズムの受容と展開」、「建築の時間論」、「デザインとテクトニクス」と考えています。これまで建築の時間に関して深く関心を持ってきました。そこで私が今回着目したのはポルトガルのリノベーション、リノベーションにおけるディテールです。この夏に大河内先生と布施さんとポルトガルで現地調査を行い、興味深い事例に多く恵まれたので研究を通して面白さを伝えられればと思います。 序章 1-1.研究の背景、目的、対象、方法 1. 近年、保存対象となる建造物は多種多様なものへと拡大している。一方で未だに保存か解体かの二者択一的な解決、改修段階においての設計手法は画一的なものが多い。そもそも文化財や保存という概念は19世紀、近代化の過程で再開発に反発して生まれたと言われている。現在ではヴェニス憲章という国際的文化財保存の基本ルールが半世紀もの...

イギリスの教会から集合住宅へのコンバージョンに見るスケルトンとの融和・対立・乖離

イギリスの教会から集合住宅へのコンバージョンに見るスケルトンとの融和・対立・乖離

修士2年の山本です。修士論文の成果を報告します。   背景と目的 イギリスでは、教会を住宅にコンバージョンした教会転用物件が不動産市場で扱われている。 教会から住宅へのコンバージョンが起こる背景 ①歴史的な建造物を保護する景観規制により古い建物が解体できない。 ②住宅の供給戸数の限定・住宅価格の高騰による慢性的な住宅不足。 ③1900 年代の都市部への人口流入により建設された教会が、脱宗教等で未使用になったが、簡単に壊せない。 ④教会のコンバージョン後の用途は、採算をとるために集合住宅や事務所が一般的である。 ⑤使用材料、構造、デザイン等が質が高いため、教会のコンバージョンへの投資が盛んである。 コンバージョンには主に以下の図の2つの手法がある。 図 主なコンバージョン手法 教会のコンバージョンはこれらの延長なのか。他のコンバージョンと何が違うのか。 ⇨これを明らかにすることが、...

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