* Concept
都市を流れる川
川の氾濫から都市を守る調節池
人はよりよく生きるために都合の悪い様々なモノに蓋をしてきた。
そんな隠されたモノ、都市基盤に私たちはあまりに無頓着だ。
私たちと基盤を遠ざけている邪魔な蓋をほんの少しめくって、
私たちと基盤との関係をぐっと近づける。
これまでも、これからもずっとお世話になる都市基盤と人との関わり方を提案する建築
* Site
目黒区中目黒1丁目
東横線の中目黒駅から徒歩約10分、目黒川と山手通りに挟まれた細長い敷地。
その地下には目黒川の万が一の氾濫を防ぐため、ある 一定の水位を越えると水を
一時的に溜める調節池が埋まっている。今現在、この調節池を実際に見ることが
出来るのは対岸側から見える水の取り込み口のみ。その他護岸部分はもちろん、
上部も全て埋められている。敷地の北側はオシャレな shopの集まる場所として知られ、
南側は桜の綺麗な川沿いのウォーキングロードとして人気だが、
その間にある調節池はその存在 すら殆ど知られておらず、どちらからの流れもここで
途切れてしまっている。調節池上部とその対岸側に敷地をとり、
あらゆる方向・ 高さ・距離から調節池や川を感じるように、
また、流れをゆるやかにつなぐように建築を配置する。
* Program
資料館という非日常だけではなく、日々の生活の中に調節池が常に
感じられるような用途を用意する。調節池上部には資料館、
対岸に は図書館・カフェを設け、それらを結ぶ橋を架ける。
山手通りから対岸へ、病院から駅へ、資料館から図書館へ…
川に沿うように、川を渡って…
この建築自体に目的のある人もない人も、様々な目的を持った人が行き交う。
そのすぐそばに常に調節池の存在を感じる。