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卒業設計「知層連続体~手をとりあい社会に開く専門学校~」

新M1の笈川です。卒業設計が終了したので投稿します。

閉ざされていた学びの場を社会に開く。
孤立していた専門学校が手をとりあうようにして都市に『知の積層体』を創る。
重なった知は知層となり都市に新たな風景をつくる。
その風景は都市に溶け込み社会に発信していく。

学校は社会に出るための訓練をするところであるのに社会から隔絶されているように感じた。

近年の不況により社会の求人数が減少し就職難が起きているため大学卒業直後に就職率のいい専門学校に入学する人数が増加している。

しかし専門学校は社会に一番近い教育機関であるはずなのにテナントビルのような建物に多く、縦に積層されていった結果として閉鎖的なものとなっている。
そこで複数の専門学校を地層のように折り重ね横に伸ばしていくことで「知層」を作り様々なアクティビティを風景として都市に広げることを考えた。

ボード。

敷地は渋谷区桜丘町。ここには数多くの専門学校と趣味の教室が存在している。

また高低差があり、坂道が多い地形の中で専門学校を繋ぐように敷地を取っていく。

プログラムは専門学校生の発表の場であり、社会と学校とを結びつける機能にする。
具体的には料理の専門学校では実際にカフェやレストランを運営する場を、デザインの専門学校では
ギャラリーやショップを設けたりする。実践を重視した専門学校だからこそこのようなプログラムが必要であり
社会に限りなく近い活動が学生に学び意欲を与える。
また学校の授業では教わらない社会人に必須な人間関係やコミュニケーション能力を鍛えることもできる。

空間構成は専門学校の基準階の床をそのまま伸ばして場を形成していく。

すると敷地の高低差により断層が起こる。

ズレを伴いながら横に広がることで画一的に積層された学校ではなくなり様々なアクティビティが風景として現れる。
また専門学校をつなぎそれぞれが手をとりあうことで周辺の中心となる核が形成される。

ダイアグラム。

平面図。

断面図。

模型写真。

 

桜丘町という場所は渋谷・代官山・中目黒という3つの商業エリアに囲まれた所であり、
渋谷・代官山・中目黒のどこにも属さない都市の余白地帯となっている。

渋谷は文化発信の町である。
西側の区域は物を消費することにより文化を発信しているのに対し、

ここ桜丘町は知を生成することにより文化を発信していくことで都市の余白地帯に対する新たな回答を得る。

 

感想

教育施設と社会(世の中)との関係に少なからずの不満がこのような形で提示できたのはよかったと思っています。

欲を言えばもう少し空間的な提案をしたかったです。

ただ講評会で乾さんに言われた「屋根伏ダサイね。」は一生忘れません。

 

以上です。ご指導いただいた先生、先輩方にこの場を借りてあらためてお礼を申し上げます。

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