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国内の「シェアワークスペース」における空間の分節・接続手法
修士2年の浜本です。2018年度の修士論文の概要を掲載します。 0-1.背景と目的 情報通信技術の発展により働く場を拘束する物理的な要因が減少し、様々なワーカーを対象としたシェアオフィスやコワーキングスペース(以下、CWS)が増加している。それらの新たなシェアを志向するワークプレイスをシェアワークスペース(以下、SWS)と定義する。このSWSは既存の建築計画学や設計論の範疇を超える要請を抱えているものが多く、既存の枠組みの中でその評価軸が明確に確立されているとは言えない。また、このようなSWSでは場を共有することで生まれる交流に価値を見出しているものが多く、ワーカー同士の交流のきっかけを生み出すような空間づくりが行われている。一方、SWSはユーザー相互のプライバシーを保護し、静謐な環境を確保する必要もあり、この対立する要求を設計者はいかにして解決しいているのか。 以上の問題意...
geography of the scene
1.背景-漂白されていく都市に対するアンチテーゼ 現在都市は様々な人口物により埋め尽くされている。道路はきれいに舗装され、都市の中の植栽は整備され、元々は大きな力を持っていた地形でさえ隠蔽され人の手により飼いならされている。純粋な意味での原っぱなど東京という都市にはもう存在しないのではないか。また、“2020年”というスローガンを掲げ、現在都内では多くの再開発が進んでいる。新宿区四ツ谷はその名の通り4つの谷が存在する場所である。しかし、ここも例外ではなく再開発という名の都市の漂白が場所の個性を消そうとしている。 2.分析-スリバチ地形の時代的推移 かつては豊富な緑と大きな池があり景勝地として知られていた。時代推移と共に花街、住宅街へと変化していった。そのことにより、土地は造成され地形は密集する建物により隠蔽されている。 図2-1 時代的推移 3.提案-大都市...
東京の高密度居住地に関する研究-フットプリントと分布による分析-
B4浜本です。春期研究発表の内容を投稿致します。 1.序章 1-1.研究の背景・目的 世界中には様々な高密度都市が存在している。都市において人間は一つの要素であり、大なり小なり都市の固有性を生み出す存在である。そこで人がより高密度で居住する空間は、よりその性質が色濃く表れ、その都市の形態や空間構成に強い影響を与えているものだと考えた。また、都市圏における人口の集中は続くものだと考えられ、その中で今後来たるべき社会状況を考慮し、コンパクトシティを考える必要があるのではないか。これらの背景を踏まえ、東京における高密度居住を数値により類型し、現況を記述し、その方法論を定位することを本研究の目的とする。 1-2.研究の対象 総務省統計局が提供する平成22年度国勢調査―世界測地系250mメッシュデータから求められた東京における人口の集中している場所、具体的には500人/ha以上の人口密度を有する地域...