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藤井厚二の一連の実験住宅の変遷過程 ―通風計画に着目して―
B4の間宮です。2020年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。 第一章 序論 1-1 研究の背景 現在地球環境問題が表面化し、自然エネルギーを利用した環境住宅が見直されている。この環境住宅を手掛けた設計者の先駆けともいえるのが藤井厚二である。藤井は生涯5回に渡って自邸をつくり、自らが住む生活実験を行うことで日本の気候風土に適した住宅を模索した。 1-2 研究の位置付けと目的 藤井厚二の実験住宅に関する研究には、伊藤帆奈美、橋本剛らによる聴竹居の気温と風速の実測調査や、実験住宅の変遷を通風の観点から考察した研究が存在する。しかし、藤井がそれぞれの実験住宅で何に挑戦し、何が障害になったのか具体的に研究したものは見当たらない。そこで本研究は藤井の5棟の実験住宅を対象にCFD解析を用いて通風の観点から分析することで、各実験住宅における藤井の挑戦と失敗...