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コンセプトシェアハウスの実態と交流の仕組みに関する研究—空間構成・立地・運営に着目して—

コンセプトシェアハウスの実態と交流の仕組みに関する研究—空間構成・立地・運営に着目して—

修士2年の大滝です。修士論文の概要を掲載します。   ■研究の背景 2000年頃から増加を続けるシェアハウス(以下、SH)(図1)の多様化が進んでいる。経済性を重んじるSHの対立項として、性質の似た居住者を集め、コミュニティを活発にする「コンセプトシェアハウス」(以下、CSH)が登場した。この施設は、趣味、嗜好、性別、国籍などの共通点をもとに入居者を募り、カテゴリーの似た人間同士でシェア生活を営むものである。 コンセプトには「クリエイターが集う」ものや、「外国人と同居してコミュニケーションを図る」ものなど、多様なもの見られる。また、コンセプトが変われば、建築にも機能の付加や、空間の接続の変化などの違いが生じるように思われるが、交流を生むための空間的な工夫が見られないものが散見される。 このような現状を踏まえ、CSHの事例の交流を生むための空間的な工夫をつぶさに分析することで日本の...

直径1kmの空白 ー科学と自然が共存する都市公園ー

直径1kmの空白 ー科学と自然が共存する都市公園ー

    1.敷地 敷地は神奈川県横浜市泉区、深谷通信隊跡地、面積約770000 平方メートル、直径約1kmの円形空地。この土地はかつて、日本海軍が電波基地を建設するため、用地買収したものだった。終戦後、アメリカ軍によって接収されたが、衛星通信機器の進歩により電波基地は集約され、ほとんど活用されることなく、平成26年に返還された。 特徴的な円形の敷地は電波干渉を防ぐ目的で形作られた。その為、直径1km内部にあった高さのあるもの、豊かな広葉樹林と桑畑は伐採され、その後も長きに渡って放置された結果、土地は荒れ果て、未だに低未利用地となっている。 図1ー敷地航空写真   2.プログラム この敷地に挿入されるべきプログラムには、直径1kmの巨大な円形という特徴を最大限活用すること、そして破壊されゆく自然環境を保全し、市民に対して開いていくことが求められていると感じる...

現代建築の残余空間とラインの関係性に関する研究 ーSANAAの作品を軸としてー

現代建築の残余空間とラインの関係性に関する研究 ーSANAAの作品を軸としてー

B4の大滝です。春期の研究内容を発表させていただきます。 序章 0-1. 研究の背景と目的 0-1-1. ポシェの変遷 建築におけるポシェとは、建築の残余空間のことを指す。この概念の歴史は非常に長く、本来は建築の構造を受け持つ部分、空間を図として見たときの地にあたる部分を指すが、現代における使われ方は変化しているように思われる。近代以降、ポシェという概念は構造的に必要とされる厚みから解き放たれ、自由さを獲得した。建築のポシェは量塊から面へと圧縮され、かつて物質的に充填されていた残余空間は様々な要素を獲得し、変化してきている。現代的なポシェは残余空間が空洞化することで、図と地の関係こそ保たれているが双方空間になっているものなど多様な変化を見せている。 このようなポシェの変化は『「ポシェ」から「余白」へ 都市居住とアーバニズムの諸相を追って』(著 小沢明)にも記述されている。この本では、従来の...

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