Your are here: Home // Archives for 10月 28th, 2017
ポルトガルにおける改修デザインにおける歴史的共作と作家性の相克 ―新旧区分の接合部に発生するディテールに着目して―
研究の途中経過を報告します。本研究のフレームワークは壮大に「辺境からみたモダニズムの受容と展開」、「建築の時間論」、「デザインとテクトニクス」と考えています。これまで建築の時間に関して深く関心を持ってきました。そこで私が今回着目したのはポルトガルのリノベーション、リノベーションにおけるディテールです。この夏に大河内先生と布施さんとポルトガルで現地調査を行い、興味深い事例に多く恵まれたので研究を通して面白さを伝えられればと思います。 序章 1-1.研究の背景、目的、対象、方法 1. 近年、保存対象となる建造物は多種多様なものへと拡大している。一方で未だに保存か解体かの二者択一的な解決、改修段階においての設計手法は画一的なものが多い。そもそも文化財や保存という概念は19世紀、近代化の過程で再開発に反発して生まれたと言われている。現在ではヴェニス憲章という国際的文化財保存の基本ルールが半世紀もの...