Your are here: Home // Archives for 11月, 2017
アメリカにおけるショッピングモールの発祥と発展の研究
B4の日野原です。春期の研究内容を投稿させていただきます。 序章 研究の概要 0-1 研究の背景と目的 現代、ショッピングモールは身近な存在かつ生活の中で欠かすことのできない存在であるが、定義は曖昧である。正統な建築の研究対象から外されることも多く、研究している文献も少ない。その少ない文献や洋書ではショッピングモールの歴史に関しては記載があるが、建築的空間の分析が行われていないため、本研究では建築的分析を行うこととする。 また、レム・コールハースは『S,M,L,XL』(図0-1,2)の中で現代の商業空間について語っている。その中で、レム・コールハースは現代の商業空間を建築家の手に負えないグローバルに均質化した空間とし、ジャンクスペースと呼んでいる。レム・コールハースがショッピングモールをジャンクスペース(ゴミの空間)と呼ぶには、建築美よりも経済活動を優先し造られたことを理由としている。マッ...
吉祥寺の商業過程における住居系建築物のリノベーション手法に関する研究
B4の内藤です。春学期の研究を投稿致します。 0-1. 研究の背景と目的 吉祥寺は住宅地域から商業地域に変遷した発展地域である。駅前は高層ビルや商店街が集中しているが駅周辺は低層住宅が広がっている。 一般的に商業進出する際には、販売を目的とするにふさわしい空間構成で形成された建物を配置し、その中にテナントを配置していくのが主流である。しかし、商業テナントが進出手法は一つではないと考えられる。新築だけではなく増築、減築して商業化が行う建築物も存在する。建築の形態は商業過程に大きく依存する。本研究では主に、本来住宅のみの用途で建設された建築物である住宅系建築物に商業テナントが介入したときに、施されるリノベーション手法に関した研究を行う。 ここで本研究では以下の二つを目的とする。 ⑴ 住居系建築物に対するリノベーションの手法を分析する。 ⑵ 用途やビルディングタイプの分類とリノベーション手法の関...
アルヴァロ・シザの建築作品にみる「土地の変形」
B4関根です。遅ればせながら、2017年度春学期に取り組んだ研究内容について発表させていただきます。 1,研究の背景 アルヴァロ・シザ(以下シザ)はポルトガルを代表する国際的建築家である。また、1992年に、プリツカー賞を受賞している。 代表作として、ポルト大学建築学部(1986-93/99、ポルト、ポルトガル)やEXPO`98リスボン万博ポルトガル館(1995-98、リスボン、ポルトガル)などが挙げられる。 シザの建築は、土地に馴染みつつも、現代的な「白亜の塊」が浮いているような建築と称される。また、空間の移り変わり、つまり、シークエンスが魅力的でもある。以上のことからシザの建築は、「詩的建築」と謳われることがしばしばあり、このように謳われるシザの設計手法は、数多くの人の興味の対象となり、多くの研究がなされている。 また、シザの「建築家は何も創造しない。ただ現実を変形させるのみである。...
ラルフ・アースキンの住宅作品における パッシブデザインの手法とその変遷について
B4小峰です。春学期の研究内容について報告いたします。 序章 序論 0_1 研究の背景と目的 日本では近年、環境問題への取り組みが求められており、建築分野でもサステナブル建築の発展に注目が集まっている。しかしながら日本には四季があり、年間を通して気候の変動が激しいため、日本でのパッシブデザインの設計は難度が高く、現状では十分に実現されていないように感じる。 ラルフ・アースキン(Ralph Erskine、図1)は1914年にイギリスで生まれ、スウェーデンを中心に活躍した建築家である。数あるアースキンの作品の中でも住宅作品に注目すると、その分布はスウェーデンの首都であるストックホルムの周辺に集中している。この地域は暖流であるメキシコ湾流の影響により、同緯度帯にあるロシアやカナダ等の他国に比べると温暖な気候となっており、日本と同様に四季がある。冬には氷点下まで気温が下がり、降雪も...
オランダの教会から住居へのコンバージョンに関する基礎的研究
学部4年島田里沙です。2017年度、春学期の研究結果を掲載します。 私は、オランダの教会から住居へのコンバージョンに関する基礎的研究を行いました。以下研究概要を掲載いたします。 序章 研究の背景と目的 近年、オランダではキリスト教のコミュニティが縮小 して使われなくなった教会が増えていること、またオランダでは住宅不足が社会問題となっていることから、オランダは教会から住居へとコンバー ジョンされる事例が見られる。 この論文では、1オランダのコンバージョンや保存に 関する制度や法律を明らかにする。2教会を住居へコ ンバージョンする際の設計手法、設計の際の問題点や 障害などを明らかにする。 研究の対象と方法 オランダの教会から住居へのコンバージョンがされた事例、7件を対象とし、平面、断面、住戸配置などから分析を行う。 1,chapel of living...
上海新天地における石庫門型里弄住宅の保存と再生に関する研究
B4の丁佳蓉です。春学期の研究内容を発表させていただきす。 序章 1−1.研究の背景と目的 特殊な地理的・歴史的要因によって、上海には西洋の文化と中国の伝統文化が混在し、共生している。1843年開港以来、租界時代に欧米各国の様々な建築様式の建物が建てられ、西洋建築と中国伝統建築が融和した「中洋折衷の建築」の景観が形成した。社会状況の元に上海における都市の主要な構成要素となる「里弄」が発生していった。2010年に「石庫門“里弄”建築の建造技術」は中国政府から国の無形文化遺産に認定された。 1990年代に入り、都市基盤の整備や都心部不良住宅の更新が新しい段階に入り、里弄住宅が一時大量に取り壊され、面積は下降傾向にある。しかし、里弄住宅は旧市街地の各行政区においてその比率が依然高く、如何に里弄住宅のストックを合理的に再生するかがますます重要な課題になっている。 旧市街地再生一つの事例として、新天...
素材から見たアルヴァ・アアルト ~夏の家のレンガに着目して~
B4の布施です。春期の研究内容を発表させていただきます。 序章 0-1 研究の背景、目的 Alvar Aalto(1898-1976)はフィンランドのモダニズム建築家である。アアルトの作品では戦前は白スタッコ、1950年代はレンガ、1960年代以降は大理石が多く用いられている。 1953年に建てられた夏の家はレンガ時代の始まりの作品である。また、フィンランドではこの時期セメントや鋼材の資源に乏しかったためレンガを主体構造に用いなければならなかった背景もあるが、MITベーカーハウスの設計の際に工業化された均質なレンガではなくあえて手作業でレンガを焼く工場からレンガを仕入れていたという話からもアアルトが素材にこだわりを持っていたことがわかる。アアルトの夏の家からレンガに着目し、素材と建築の関係について分析、考察を深めたい。 研究目的は大きく二つに分けられる。 第1にアアルトの用いる素材から建築...
利用者の分布調査に基づく神奈川工科大学KAIT工房の空間特性に関する研究
B4の山田です。春学期の研究を発表させていただきます。 「利用者の分布調査に基づく神奈川工科大学KAIT工房の空間特性に関する研究」 序章 1−1 研究の背景 建築を設計する際に、設計者はその建築がどのように利用されるのか考えなければならない。特に商業施設や美術館、公共施設などでは、利用者の動線や分布というものを意識する必要がある。しかし、実際に設計者の意図通りに建築が利用されるかは分からない。 近年、壁などの仕切りで空間を明確に分節しない平面構成をした建築が多く見られる。代表的な事例として、神奈川工科大学KAIT工房があげられる。この建築内における利用者のアクティビティーは家具や内装、柱の位置などにより大きく影響され、個人が自ら場所を探求することにより確立される。そのような空間の境界があいまいな建築内で、設計者の意図する人々の分布は実現されているのだろうか。 図1 神奈川...
2017年度OB/OG会
2017年度 秋学期建築見学会
大河内研究室では、春学期と秋学期の年2回建築見学会を開催しています。 秋学期は、2017年11月5日にJIA東海支部主催の『ROKI Global Innovation Center -ROGIC-』の見学+講演会に参加してきました。 設計者である小堀哲夫さんに説明していただきながらの施設の見学と、ROGICの設計に関する講演会を拝聴しました。 ROGICは、自動車のフィルターを主に取り扱ってきたROKIの新たな研究開発施設として設計されました。 日本建築学会賞(2017)とJIA日本建築大賞(2016)を同年内にダブル受賞した史上初の作品です。 大空間を覆う屋根と天井のデザインが特徴的で、自然光、外気を積極的に取り入れた環境を整えた奥行きのある空間、それを実現するための施主との強い信頼関係を構築した点がJIA日本建築大賞では高く評価されています。 スキップフロアにより、お互いの存在を感じ...