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眼差しの皇居

眼差しの皇居

  01 空虚な中心の存在 東京の中心に皇居は位置している。天皇の住まいであると 同時に歴史の中で強い意味性を持った場所である。しかし ながら、禁域として立ち入ることは許されず、森、石垣、濠といった周縁のみが、我々の皇居の認識である。かつて、R・バ ルトが「表徴の帝国」で指摘したように、ただ森で囲われ たなんでもない場所、空虚な中心として存在する。   02 切断の思考 禁域であるがために中心と周縁は切断されている。皇居は近代国家成立と同時に、江戶城という形式を保ったまま、天皇という内容が与えられた。そこには、恣意的な結びつ きが存在している。近代とは、あらゆる概念の形式と内容 の「切断」と「恣意的」な結びつきによって成り立ってい る。そして皇居、天皇もまた近代的な枠組みの中に投じられた象徴として、切断と恣意的な結びつきが行われている。この切断の思考の柱によって皇居を捉えるこ...

高密度都市マカオにおける勾配をもつ路地の空間特性―路地の領域性・形態・過密性―

高密度都市マカオにおける勾配をもつ路地の空間特性―路地の領域性・形態・過密性―

修士2年の五味です。修士論文の概要を掲載します。 0.1研究の背景 ・マカオは近年、観光とカジノの街として急成長を遂げる都市として知られている。ポルトガル風の街並みと、華人の流入による中華風の文化が混在する都市であり、起伏に富み複雑な街 路形態が特徴である。近代以降、人口密度が世界一となり、世界有数の高密度都市となった。 ・マカオの最大の特徴は高密度な都市が起伏に富んだ地形の上に形成されていることであるにもかかわらず、マカオの都市空間と地形の関係は十分に語られてこなかった。 ・旧市街にはいたる所に複雑な形態を持つ路地が存在し、土地の起伏と相まって濃密な立体的都市が展開している。廟などの宗教施設が点在し、コミュニティーの場となっている。 →本研究はこうした勾配をもつ路地を対象とし、その空間特性を解明することを主題とする。 0.2研究の位置づけ マカオに関する既往研究には、是永らの①都市形成...

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