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建築におけるルーフの領域性に関する研究

B4の木村です。更新遅くなりました(ひぃー;°Д°)

 

私は前期の論文で、建築のルーフの領域性について研究しました。

建築単体においてルーフがどのような意匠になっているのか、またそれが空間にどのような影響を与えているかを考察し、まとめました。

 

主な論点はルーフと空間の対応関係についてです。

ルーフが形成する領域について考えるにあたり、ルーフの形態が空間に及ぼす影響、すなわちルーフと空間の対応関係について考え、分析しました。その対応関係は一般的に以下の3つに大別できるとして、それらを筋にいろいろ考えました。

1.ルーフによる領域指定

2. ルーフによる領域分割

3.ルーフによる領域統合

 

ルーフによる領域指定では、ルーフは根源的に覆うという操作から成り立ち、その投影面がルーフの形成する領域ですよというお話です。さらにその中で、半屋外空間などの中間的な領域を形成するルーフ、支配領域の範囲、可変的な領域指定について考えました。

中間領域の事例【谷口吉生・東京国立博物館法隆寺宝物館】

 

 

 

 

 

周辺環境の支配をしている事例【ジャン・ヌーヴェル ルツェルン文化会議センター】

 

 

 

 

 

可変的な領域指定の事例【アーキグラム インスタントシティ】

 

 

 

 

 

 

次に、ルーフによる領域分割では、ルーフの凹凸や抑揚、開口などの形態による空間の分節や境界形成について考えました。この項目は結構いろいろなことを関連付けてかさまs・・・ではなくて、様々な視点から考えたので、なんだか取り留めの無い感じになりました。

 

凹凸による空間分節の事例【平田晃久 HOUSE T】

 

 

 

 

 

 

内外の矛盾【アルヴァ・アアルト メゾン・カレ】

 

 

 

 

 

 

開口による場の形成【ル・コルビュジエ ラトゥーレット修道院】

 

 

 

 

 

最後のルーフによる領域統合は、ルーフがばらばらな単位空間や機能を上から覆うことでひとつのまとまった秩序をもたらすというお話です。実際この章が一番手こずりました。空間統合の話はルーフを持つほとんどの建築にいえることで、その中でも特徴的な事例を取り上げたのですが、そのバリエーションも多くてまとめるのが難しかったです。

 

単位空間の統合【山本理顕 HAMLET】

 

 

 

 

 

 

統合からの解放【坂茂 ポンピドーセンター・メス】

 

 

 

 

 

 

 

このように、ルーフの形態と領域性について様々な視点から考えてまとめました。実際研究してみて、ルーフの多岐にわたる働きの中の一つである領域形成のお話だけでもこれだけ考えられる項目があって、今回はなんだかそれをまとめるだけでいっぱいいっぱいだった感じがします。。。すごく体系的な話で終わってしまったので、もっと細かいデザインの部分まで分析できたらよかったなと思いました。

また、今回ランドスケープや記号性など他の働きは考えずに研究しましたが、それが意外と難しく、やっぱりルーフは様々な意味や事象を兼ねそろえた要素なんだと実感しました。なので、展望としては他の働きも考えた総合的なルーフ論について考えられたら面白いかなと思いました。

まあ、修士でルーフをやるかは分かりませんがww

 

 

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