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仮設集合体-アルゴリズミック・デザインを用いた集合体の生成手法に関する研究-

M2 松井 夏樹です。修士設計の報告をさせていただきます。

 

0-1研究の背景と目的

集合体建築は、集落等に見られるプリミティブな建築形態のひとつであり、現代でも多くの建築家が手掛けている。しかし、集合体建築は、単位空間の微妙な位置の変更が全体の空間の質に大きな影響を与える建築形態であり、スタディに膨大な時間と労力がかかる。また、集合体の生成ルールは、建築家のセンスや経験等に依存しているものがほとんどである。アルゴリズミック・デザイン(以下A.D)は、コンピュータの発展と共に1990年代から、建築設計においても積極的に取り入れられ、近年では、その膨大な処理能力と正確性から、建築設計者の設計ツールとして、様々な場面で用いられ、環境デザインにおける有効な設計ツールとしても大きな注目を浴びている。しかし、A.Dを用いた事例の多くが、建築の部位や構造・設備設計等に偏っており、集合体建築のような複雑な形態を生成するために用いた事例は少なく、A.Dには、まだまだ開発の余地が残されている。
本研究では、集合体建築を生成するための設計ツールにA.Dを用いることにより、労力と時間が軽減され、かつ効率的に膨大なスタディを行うことができると考えた。集合体の生成において、A.Dの設計ツールとしての有用性を明示することが本研究の目的となる。この有用性を検討するにあたり設計編では、災害用仮設住宅をケーススタディとした。災害用仮設住宅の計画は、現在、設計者に十分な設計の時間が与えられていないため、様々な問題が生じている。設計ツールとしてA.Dを用いることによって、複雑な設計条件を解決するほか、場所性やコミュニティ等に配慮した設計が、迅速かつ正確に行うことが可能となり、さらには、設計者個人の発想力では思いつくことができない新たな集合体を生みだすA.Dの可能性を最大限に活用して、設計提案としてまとめることを設計編の目的とする。

0-2研究の方法

論文編にて、主に資料や事例分析を通して集合体建築とA.Dについての論考を行い、設計編では災害用仮設住宅について、資料や事例分析だけでなく、実際に被災地である岩手県陸前高田市を訪れ、現場の状況についても調査を行い、論考を行う。そこで抽出された設計条件をもとに、建築系アルゴリズム生成ソフトGrasshopperを用いて、アルゴリズム及びモデルを生成し、建築計画・提案を行い、有用性を検証する。

 

以下、設計提案です。

 

 

本研究は、学部1年で初めて設計した6×6×6から卒業設計、修士スタジオまで、集合体を創ってきた自身の学生時代の集大成として、今の自分と向き合うことと、いかに社会にその可能性を示せるかというものでした。

自身の力不足から、多くの課題が残ってしまいましたが、正面から集合体と向き合うことができ、自身のこれからにとっては有意義な時間を過ごすことができました。

ご指導してくださった大河内先生をはじめ、中間発表で講評して頂いた吉原さん、OBの大村さん、小川さんには、心より御礼申し上げます。また、手伝ってくれた後輩の皆さん、本当にありがとうございました。

 

2012.02.24 松井夏樹

 

 

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