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現代建築レビュー3月号

こんにちは。B4の川上です。2019年4月25日に実施しました新建築3月号の現代建築レビューを投稿致します。

 

大河内先生:今月号は主にリノベ特集でしたね。では皆さん気になった作品をひとつ挙げていきましょう。

建入:僕が気になったのは旧山口萬吉邸です。歴史的建造物としての保存にかかる相続税を考慮しリノベされた経緯が面白いと感じました。また、オフィスの設備とレトロ感の融合が良いと思いました。

森本:一番良いと思ったのは、西陣産業創造曾館です。木造であることを視認できるように構造的に補強をしている点や混構造を理解して設計が検討されている点が面白いと思いました。

林:僕はシカゴのギャラリーです。階段の向きが効いていて、新しいRCとレンガが向き合っている様子が良いと思いました。この敷地だからこそできた建築という感じがしました。

石渡:私もシカゴのギャラリーが良いと思いました。新旧の対立、レンガの凹凸とRCのシャープさの対立や、外装窓と階段の位置のズレにより違った窓の見え方が起きている点が面白いと感じました。

寺島:私は鍵屋の中庇+万年橋が気になりました。足し算的に操作するのではなく、引き算的に操作を加えて現代での使い方を提示することは果たしてリノベと呼べるのかという疑問が湧きました。

福井:僕はHama House HAMA1961です。ダイナミックな開口がまちに溶け込んでおり、気持ちよさそうな空間だと感じました。また、まちに光が漏れる様子は障子のようで日本的だと思いました。

大澤:僕は鍵屋の中庇+万年橋に興味が湧きました。古さを隠さずリノベしていて時間の流れが感じられる点が良いと思いました。また立体駐車場までもリノベしていることが新鮮で印象に残りました。

佐坂:僕は小高パイオニアヴィレッジです。クリエイターに刺激を与えるむき出しの素材感と、小さなスケールの中に様々な機能を内包している無機質な空間が面白いと感じました。同じむき出しでも、先ほどの鍵屋の中庇+万年橋とはまた違う空間になっていると思います。

皆川:私はUTSUROI TSUCHIYA ANNEXです。地域起こしという意図に基づき、既存を感じないほど新しい空間を魅力的に生み出している点、レイヤーを重ねたギャラリー空間がその空間のみに留まっていない点が良いと思いました。

川上:私は小高パイオニアヴィレッジです。小さな空間の中に程良い人の距離感や回遊性があり、低資金により生まれた軽やかさや仮設感も空間を魅力的にしていると感じました。

大河内先生:どこまでがリノベなのかという点に関してはどうですか。

石渡:私は前に少しの内装変更はリノベでないように感じた経験があり、鍵屋の中庇+万年橋もあまり大規模ではない点でリノベとは呼べないように感じました。

大河内先生:触れる規模の観点でいくと、シカゴのギャラリーは残す部分の少なさからリノベというより再利用と言えるような気がします。

福井:竹橋のオフィスは元の既存躯体の良さを生かしつつ現代の使い方を上手く適用させていて一番リノベらしいと思いました。

大河内先生:考え方の種類として、青木淳さんのようにあらゆるものがリノベであるという考え方や、元の状態から価値が上がっていないとリノベとは呼べないという考え方があります。

川上:価値が上がっていないとリノベとは呼べない場合、誰にとっての価値かによって考え方が変わってくると思いました。少しの内装変更も使用者にとって価値が高まっていればリノベと呼べるのではないかと感じました。

大河内先生:その場合、その空間をどれだけの人が享受しているかが重要になってきますね。

建入:僕は今まで、リノベには新旧の対立関係を面白くするパターンと、既存を尊重した融合によって面白くするパターンの二種類だと思っていたので、ただ剥がすという鍵屋の中庇+万年橋は意外でした。

林:リノベかどうかは価値が高まっているかどうかだと思います。価値の考え方は人それぞれですが僕は、少しの内装変更でも多くの人が使うことによって価値が高まると思うので、結果として、使用者は限定的で大規模なリノベと相対的に良いリノベといえるのではないかと思いました。

総括

今回のレビューを通して、リノベかどうかの具体的な線引きが曖昧であることがわかった。判断基準としては

①手を加える範囲の大きさ ②操作手法 ③価値の向上

の3つが挙げられ、それぞれの観点でリノベの線引きの仕方が変わった。

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