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現代建築レビュー4月号

B4の髙田です。2022年6月27日に実施しました、新建築2022年4月号の現代建築レビューを投稿いたします。

宋:4月号で気になった建築はなんですか。

石井:私は松崎幼稚園遊戯室が気になりました。鉄骨造の中に蔵が建っている入れ子構造のような構成が面白く感じました。また子供の遊び場に歴史ある建物が存在する事は、子供にとっても良い経験となることが想定されます。

居城:私も松崎幼稚園遊戯室が気になりました。グリーンカーテンや遮熱カーテン、ダンパーによる空調計画など環境設計がよく練られた建築だと思います。部分的な改修によって生まれる3つの異なる空間も興味深いと感じました。

櫻井:私は慈恵大学西新橋C再整備計画が気になりました。特に待合室のゆとりのある空間設計に着目しています。このゆとりは建築計画上、解放感があり、利用する患者の視点から見ても大変良いものだと言えます。

末吉:私が気になった建築は近畿大学E館です。空間のプロポーションが美しいと感じています。鉄骨の細い屋根がシャープな印象を与え、またヴォリューム同士の間をテラスとして活用した空間同士の繋がりも良いです。現代の大学の校舎として適切な空間構成が取られた建築だと考えています。

岡田:私が選んだ建築は法林寺本堂です。一見お寺に見えないようなファサードを持っています。また寺以外の用途として使われることから生まれた採光計画の変化や、空間の変化が大変興味深い建築だと考えています。

髙田:私が気になった建築は新富士のホスピスです。病院で感じる孤独感を建築計画上の問題として捉え、ホスピスという新たな空間形式を提示する様な作品です。回廊と庭による落ち着いた空間の演出も美しく感じました。

金川:私はOAK BLDG.Ⅱが興味深いと感じました。角地である敷地の形を盛り上げて孔を開ける設計は、都市の視点から見ても面白いと感じます。有孔体理論(原広司)が反映されているのではないかと推測できます。RC造でありますが、重厚感が少なく空間の作りも特殊で面白い建築でした。

宋:名前が挙がった建築に対して意見や批判はありますか?

金川:松崎幼稚園は展示空間のように建物を丸々覆う事で保存をしていますが、リノベーションを行いコンバージョンして保存を行う形もあると思います。今回の事例に関して幼稚園の建築ならばリノベーションの方が適していると私は感じましたが、建築の保存の手法に関してみなさんはどのように考えますか?

髙田:2つの保存手法に関して、保存の対象などに大きな違いがあると推測できます。松崎幼稚園で使われている手法では、建物のみでなく、周囲の空間や環境、歴史性を保存しているのではないでしょうか。

末吉:歴史ある建築を保存するならば、美術館や資料館としてこのような保存手法をとることが適しているといえるのではないでしょうか。

櫻井:OAK BLDG.Ⅱは以前訪れたことがあります。孔が開いた部分は門の様になっていて人を惹き込む効果がある様に感じました。

末吉:私も訪れた経験があります。上階にオフィスがあるとは気付きませんでした。壁に孔を開ける行為によって空間に豊かさを齎す点が素晴らしいですね。

宋:新富士のホスピスは車椅子の人が利用する可能性を考慮して、外部の必要性や動線計画は適切なのでしょうか?

金川:緩和ケアを目的とした施設であるからこそ、外部空間との繋がりは必要であると考えます。閉鎖的な病室で最期を迎えるのでなく、自然と繋がり外部に接する空間で過ごす事が患者にとって良いのではないでしょうか。

総括 

建築の保存に対する議論や計画上の問題に関しての議論を展開し、設計者の視点だけでなく、利用者の視点からも建築を捉えることができた回でした。

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