どこにいても世界中の音楽が聴ける現代
それでもなぜ我々はホールへ足を運ぶのか
コンサートホールはなぜ建てられ続けるのか
コンサートホールは高い壁で覆われ中に入る機会がないとその建物の良さや様子がわからない
本来都市の中心にあり 集う 場所であったコンサートホールは 聴く 場所へと変化した
その結果、コンサートホールは音の良し悪しばかりが追及されていった
音を楽しむはずのコンサートホールは音が良ければただの箱を置くだけでよいのか
日常の中の非日常的な空間
コンサートというのは特別な時間であり、コンサートホールというのはそういった非日常感を演出する必要がある。
しかし、そういった非日常感は日常に紙一重で存在するものであり、ホールという建築もまたそういった存在であるべきだ。
現在のホールは物理的に壁で外界と切り離すことにより非日常感を演出しているために都市と切り離されていく。
日常を取り込み、非日常を取り出していくことによって、コンサートの魅力をもっと身近に感じてもらえるようなホールを提案する
市民のための音楽文化の教育、発表の場の提案
西洋文化の入り口として、音楽もジャンルを問わず受け入れてきた横浜には今もなおその爪痕が残されていて音楽が根付いている街である。音楽を観たり聴いたりする対象から、自分でも楽しめるようになった現代、市民にその文化を根付かせるには発表の場だけではなく自分たちが練習する場が必要である。音楽を楽しむ様々な空間を周りとつなげることで、音楽の根付く街 横浜の象徴となる建物を提案する。練習して発表するという場を提供するだけではなく、コンサートというものがあふれ出るような空間をつくることで、コンサートホールにより親しみをもち、ホールというものが都市ともっと積極的に関わっていけると考える。
「集う」ホールから「聴く」ホールへ変わった現代、今一度振り返り音楽が根付く街としての「集う」ホールを提案することで、市民がもっと自然に音楽に触れ、より横浜の魅力が増すことを期待する。
敷地 神奈川県横浜市中区北仲通6丁目
桜木町から徒歩5分程度のその場所は海と本町通りに面し、桜木町の華やかな商業地区と歴史的建造物や現代的なオフィスビルが入り混じって建ち並ぶオフィス街の間にある。横浜は港町ゆえにたくさんの世界の音楽を受け入れ、今なお街のあちこちにその断片が残っている。横浜市は国際文化都市を目標に、横浜固有の歴史と文化の魅力を発信し、国際的な交流が行われるような街づくりをしている。文化的施設や、緑、公園など街づくりに対する徹底的な取り組みは、日本でもトップクラスだと思われる。しかし、市民の文化的活動の発信を期待している割には発信する場が圧倒的に少ない。音楽に着目してみると市民が発表する場所の必要性と同時にそのための練習をする場所の必要性があげられる。また、このような文化が街の雰囲気として現れるには、市民が参加しているといった感覚をもつことが大事ある。
西洋音楽の最先端をいっていた横浜
街に音楽が根付いている横浜
しかし、そのことを実感している人はどれほどいるのだろう
そういった背景から横浜の音楽文化を象徴する建物として、市民が音楽に触れられるような場所となるとともに、
ここでしかできない音楽を行える場所を提案する