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アルゴリズミック・デザインを用いた密集市街地における小規模共同住宅の設計手法の開発 -東京都墨田区地区の共同建て替えをケーススタディとして-
0.研究の背景 東京の密集市街地の多くは幅員4m以下の細街路が入り組み、公園などの公的な空地が少ない密集した住宅地である.一方、都心に近いという利便性の高さ、安定したコミュニティが存在するといった生活環境の可能性を持つ地域でもある.隙間なく建ち並ぶ住居の多くは「老朽化」、「延焼の恐れ」、「狭小」、「未接道敷地」などの問題点を抱えいる.こうした現状を踏まえ、建築的解決のひとつとして複数の地権者と一体的に共同住宅として建て替えを行う「共同建て替え」が試みられる. 共同建て替えにおける「敷地の取り方」は、賛同する地権者により様々な敷地形状が考えられる.また、その地権者数に従い「住戸数」、「容積(延床面積)の配分」などの初期条件が変動するため、共同住宅においても様々な形態が存在する.設計者がこの初期条件の変動を受けいれ、敷地の取り方と集合形態についての最適解を得るまでに...
北京ワークショップ Pekin Univ. & Meiji Univ.
2012年8月30日から9月6日まで行われた北京ワークショップについての報告です. ワークショップ(WS)は中国の北京大学、王(ワン)研究室の学生7名と本研究室の学生11名の計18名で行いました. WSの課題としては、北京の南側に位置する大柵欄(Dashilar)というエリアを対象とし、その中の①「四合院」という伝統的な形式をもった住居のリノベーション、②現存する工場のリノベーションという2つのテーマを扱いました.歴史的・都市的な文脈と未来への動向を咀嚼し、2つのテーマに対して建築的な提案を実働4日間で行うというものでした. 【 大柵欄 】 (↑)大柵欄、表は商業通りとして舗装もされ、観光地としての様相を見せていますが、通りを入った裏側は四合院形式の住居が隙間なく敷き詰められその間を細い路地(胡同)が縫うように配されています.伝統的な街並...
アルゴリズミックデザインを用いた密集市街地における共同住宅の設計手法に関する研究 ー東京都墨田区向島地区を対象とした共同建て替えをケーススタディとしてー
修士2年 石川北斗 アルゴリズミックデザインを用いた密集市街地における共同住宅の設計手法に関する研究 ー東京都墨田区向島地区を対象とした共同建て替えをケーススタディとしてー 0.序論 0-1.背景 密集市街地という環境は、「木造密集」「狭小」といった現代的問題を呈する特異な領域であり、住宅の老朽化や住環境の悪さに対し、共同住宅による建て替えが進められている。その建て替えという建築的解決を担う設計者に投げかけられる条件は密集市街地ゆえに実に重層的であり、それらを咀嚼し一つの形態へと収斂させていかなければならない。計画地というものは「不整形」かつ「狭小」であことから、各住戸の配置は不整形に準じるものとなり、積層形態となると予想できる。加えて「密集」する周辺環境による光環境なども形態生成に関与してくる。設計者は重層的条件を同時的に扱うとい...
プレキャストコンクリート建築デザイン論
B4の石川です。 前期の研究では「デザイン」と「テクトニクス」との関係性を視点に、プレキャストコンクリート(PCa)による建築のデザインというものを見てきました。 今まで建築の素材が木や石に始まり、鉄、コンクリートといった具合に変り、それによって「建築」の幅が広がると共に、技術も次々と発展し成熟し、そして定着してきました。そうした視点からから逆に、何か固有なデザインが技術によって生まれているのではないか??それが出発点でした。さらに、プレキャスト建築というのは今では一般的になってきましたが、実は近頃で60歳。コンクリート生まれの技術にしてはまだまだ若くないですか? 研究では「デザイン手法の展開」と「デザインの固有性」というのをなんとかつかみました 汗 え~、取り敢えず、「システム化による、同一形態の繰り返し」というのがホンシツのように感じました。なんか、とても単調なものができそうですが、逆...