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自然光を用いた時間の表現に関する研究
はじめに 現代のように人工照明が発達する以前、人間は基本的に太陽の変化のリズムにそって生活していた。暗くなるとろうそくを灯すなど、行動の様々な部分に光の変化が作用していたと考えられる。 人工照明が発達した現代では昼間から夜間に至るまで調整され安定した光の中で生活をしている。そういった環境は変化に乏しく、そこで生活をする人々の時間の感覚は、時計やテレビ・ラジオなどの周期性を持つ光以外のものによって補われている部分が少なからずあると考えられる。人工照明による採光が主流になった現在では、自然光による様相の時間的変動はあってないようなものとして扱われる場合さえある。 一方で、自然光の価値や、時間的変化が見直される動きがあるのも事実である。太陽光の変動をシミュレートした人工照明が開発され、オフィス建築などに導入される例もみられる。 時間によって変化する自然光は、建築の形態や空間に大きな影響を...
2012年度見学会
大河内研究室では毎年前期・後期各一回、年二回建築見学会が行われます。 今年度は 前期:浅草文化観光センター / 隈研吾建築都市設計事務所 後期:町田市新庁舎 / 槇総合計画事務所 の2つを見学しました。 – – – – – – 6/20 wed. 浅草文化観光センター 前期は浅草に出来た浅草文化観光センターの見学を行いました。 浅草のあの場所に建つ建築とあって、竣工前から注目していた建築を皆で見る機会とあって、 様々な議論を行いながらの見学会になりました。 – – – – – – 10/24 wed. 町田市新庁舎 後期は町田新庁舎の見学を行いました。 エントランスから屋上まで、職員の方に丁寧に説明して頂きな...
地域差を考慮した自然光による建築空間設計手法の研究
修士2年 鈴木将平 0.はじめに 建築の設計において、考慮しなければならない事項は非常に多岐にわたっている。法規や必要とされる条件のようなはっきりと満たす/満たさないの判断が比較 的容易で、設計者が客観視することが可能な事項がある。その他に気流や照度、温度といったものも、最近ではコンピューターのシュミレーションによってある 程度の数値化・視覚化が可能になり、これも建築設計を客観的に行ううえで非常に有用である。以上のように、建築設計において人間の感覚によらない部分はあ る程度制度化し、設計者がクライアントとの間で数値を媒介としたコミュニケーションが可能になった。とくに現在では技術の発達も進み、オフィスなどでは建 築空間を電子制御により常に設定した環境に保つことが可能になっていることからも明らかである。 このような観点から考えると、現代建築はモダニズム以降地域差が少なくなっているように考え...
2011後期見学会 大林組技術研究所
2011年度ゼミ合宿 飛騨高山
夏休みもあと少しですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。 遅ればせながら、8/25-27に行われたゼミ合宿の様子をお送りします。 今年のゼミ合宿は飛騨高山と白川郷です。 初日はまずB4の前期論文の発表です。前期の集大成となる論文、みんな熱のこもった発表をしてくれました。 その後はM1の研究計画を発表をしたりしつつ、宴会。 豪華!絵に描いたような宴会スタイルでみんなご満悦です。 非常に盛り上がりました。 2日目はM2の発表から始まりました。 密度の濃い内容に議論も盛り上がります。 その後はB4の卒計基本構想の発表。いよいよ後期からです、がんばれ! 午後からはいよいよ、高山のまちを散策です。 雨もしっくりくる 高山では陣屋や吉島家などの歴史的な建物を多く見ることが出来ました。 夕食の後は先生に用意していただいた中国土産の豪華景品争奪のトランプ大会です。 ほぼ一発勝負の緊張感の中...
2011前期建築見学会 ホキ美術館
建築の反重力的表現に関する研究
B4の鈴木です。遅くなってしまいました。 僕が前期の論文で扱ったテーマは反重力的な建築です。 反重力的というのは、本来地球には重力が存在しているのにも関わらずそれに逆らっているかのような形態のものを指します。 こういった建築を比較したり考察することにより、建築が反重力的形態をもつ必要性はどこにあるのか、それを明らかにすることを目的としました。 装飾の時代が終わり、建築の興味がボリュームの操作や形態にシフトしてきた20世紀初頭あたりから建築は反重力的表現を用いるようになります。 特にロシア構成主義では、計画、実作に関わらず新たな形態を模索していて、そこが出発点であったと僕は考えています。 時代を追って行くと、反重力的形態が生まれたあたりでは、主に思想の反映や、何かを象徴するものとして用いられました。その後から今に至る流れでは主に空間の操作のために...