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素材から見たアルヴァ・アアルト ~夏の家のレンガに着目して~
B4の布施です。春期の研究内容を発表させていただきます。 序章 0-1 研究の背景、目的 Alvar Aalto(1898-1976)はフィンランドのモダニズム建築家である。アアルトの作品では戦前は白スタッコ、1950年代はレンガ、1960年代以降は大理石が多く用いられている。 1953年に建てられた夏の家はレンガ時代の始まりの作品である。また、フィンランドではこの時期セメントや鋼材の資源に乏しかったためレンガを主体構造に用いなければならなかった背景もあるが、MITベーカーハウスの設計の際に工業化された均質なレンガではなくあえて手作業でレンガを焼く工場からレンガを仕入れていたという話からもアアルトが素材にこだわりを持っていたことがわかる。アアルトの夏の家からレンガに着目し、素材と建築の関係について分析、考察を深めたい。 研究目的は大きく二つに分けられる。 第1にアアルトの用いる素材から建築...
スイスの現代住宅におけるエコロジーと表層に関する研究
序 0-1 研究の背景と目的 近年、世界的に地球環境と人間社会との共生の在り方が問い直されるようになった。特に環境保全において建築の分野でも、各地域における固有の風土の特性を活かし、適応していくような環境形成の在り方が求められている。スイスはサステイナブル建築の分野で様々な先進的な取り組みを行っており、特に住宅の表層に関して、スイス固有の環境や地域性とサステイナブルな技術が色濃く反映されている。現在、スイスの現代住宅が雑誌等各メディアにおいて、周辺環境の対応などといったデザイン的な側面と技術的な側面に関して、それぞれを取り上げ、論じられているものはあるが、デザイン面と技術面を統合した観点から建築を評価しているものは見られない。建築のデザインと技術を接続して先端的な建築を評価することは、今後サステイナブル建築の新たな価値を確立するにあたって重要である。スイスの建築の表層は、厳しい気候とエネル...
スイスの現代建築におけるエコロジーと表層に関する研究
修士二年の菊池です。前期までの修士論文の成果を報告します。 1.序論 1-1 研究の背景と目的 近年、世界的に地球環境と人間社会との共生の在り方が問い直されるようになった。特に環境保全において建築の果たすべき役割は大きく、建築物における環境付加価値の向上や、省エネルギー、長寿命などのサステイナブルな取り組みが注目されており、各国、或いは各地域ごとにおける固有の風土の特性を活かし、適応していくような環境形成の在り方が求められている。 スイスは、ヨーロッパの中においても環境先進国として注目を集めている国である。国土の大半がジュラ山脈とアルプス山脈に抱かれ、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリアに接しており、この地勢上の特質によって、特色のある風土の中において、人種的多様性を持った固有の文化圏をそれぞれ育んできた。 本研究では、スイスの現代建築を研究対象とし、固有の環境条件と文化...
サステナブル建築の外皮の設計手法―デザインと技術の総合性に着目して―
0-1 背景と目的 本研究では、建物の外皮部分を研究対象とし、設計者による言説と物理的な構成の両側面を検討することで、サステナブル建築の外皮に求められる性能とその設計手法の関係性、そして環境時代に適応した建築デザインの在り方を明らかにすることを目的とする。 0-2 対象事例と研究方法 本研究では、「新建築」「近代建築」「a+u」等の建築雑誌に取り上げられた国内外のサステナブル建築を研究対象とする(戸建住宅を除く)。そのうち、対象建築をサステナブルなものにしている手法・技術が外皮部分に顕著に表れているものを分析対象とし、2000年1月から2009年12月までの10年間に竣工された計85作品(国内:60作品、海外25作品)について、解説文から外皮の形状や設計の意図を、断面詳細図を中心とした図面(補助的に写真)から断面構成を抽出する。 1-2 サステナブル建築と...
サステナブル建築の外皮における設計手法とその特性に関する研究
M2の大津です。先日の後期中間発表のまとめです。 前回投稿した夏合宿時の発表内容から大きく変わった点としては、 □序論(背景と目的)において問題意識を明確に提示すること □断面構成だけではなく外皮設計自体の分析方法の検討 □現代の環境建築の見取り図のようなものを描けるようにすること、の3点です。 後期中間発表をふまえて、論文の構成がなんとかまとまってきました。 以下、簡単にですが本研究の構成とエスキスの振り返りを。 ■序論 合宿時にご指摘いただいた部分に加筆をして、文章はほぼ書き上がっています。 ■第1章 地球環境とサステナビリティに関する認識については、1970年代からの30年余りで おおよその枠組みが成立したといえます。 その背景とサステナブル建築の外皮設計の変遷を概観するために、 いくつかの...
サステナブル建築の外皮における設計手法とその特性に関する研究
M2大津です。 本研究では、サステナブル建築の外皮部分を研究対象として、 環境時代に適応するデザインの在り方を、環境工学や設備・技術との関係から模索していきます。 (Photo : The New German Parliament "Reichstag" , Foster and Partners , 1999) ・・・と簡単に研究概要を述べましたが、そもそも サステナブル建築って何? という壁にぶちあたるのがこの研究です。 言葉では日本建築学会をはじめ方々で定義されていますが、その手法や意味は多岐にわたっているため、 噛み砕いた言い方をすれば、 ダブルスキンを採用していれば、ルーバーがあれば・・・等、なんでもサステナブル建築だと言えてしまうと思うのです。 むしろこのご時世でサステナブル...
「ガラスファサードにおける装飾的表現についての研究」
B4の若田です.合宿で前期論文の発表会を行いました。 私は「ガラスファサードにおける装飾的表現についての研究」を前期を通じて行ってきました。 発表では、パワーポイントの画像のデータが表示されず、グダグダとしたプレゼンになってしまいましたが、 無事発表を終えることが出来ました。 大河内先生や先輩方に、貴重な意見を頂き、その意見を受け止めながら、 本論の原稿を製本できるように更新していきたいと思います。(誤字も直しまくります笑) こちらは、研究の事例で取り上げた,LOUIS VUITTON NAGOYAです。合宿中に見に行きました。(木が邪魔でした笑) こちらは、断面図です。市松模様のプリントを施したガラスと奥に同じ模様の壁を間隔ととって配置されています。 この間隔によってモアレが生じて、見る位置によって見え方は変化し、ファサードに奥行きを感じることが出来ます。 ま...