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北京川底下村における地形と集落の空間構成の関係性の研究
序論 0-1研究の目的と背景 「川底下村」は北京市西部から約90kmに位置する伝統的集落である。南西側に傾斜した地形に沿って、ひな壇上に四合院の住戸群が約76戸あまり配置されている。「川底下村」は、宿場、防衛拠点として栄えていたが、近代化の折に主要な交通網から外れてしまったために、現在も当時の建物の姿が残っている。村は歴史文化名村として保護され、住民は生活を営んでいる。集落は「地形」「水」「建物」「道」の要素で構成されており、それぞれの構成要素と時代ごとの社会的背景が影響しあいながら集落が形成されている。これらの構成要素の中でも特に「地形」に強い影響を受けながら集落が形成されたと考えられる。そこで、本研究では集落の「地形」に着目し、「川底下村」の空間構成を明らかにすることを本研究の目的とする。 0-2本研究位置づけ 北京川底下村に関する選考研究としては「北京川底...
『竹を活用した仮設建築の設計-千葉県南房総市における里山プロジェクト-』
M2齋藤和也です。 『竹を活用した仮設建築の設計-千葉県南房総市における里山プロジェクト-』 1.序論 1-1.研究の背景 環境共生の意識が高まる中で、地場産の建材を代表する竹材は特有の靭性を持ち、繊維方向が木材と同等の強度を持つため、建築材として利用拡大の可能性をもつ循環型資材であるといえる。実際に海外では竹材を利用した建築が多く存在しているが、日本では伐採された後に放置されたまま荒廃していくことが未だに多いのが現状である。また現在全国の竹林は生活用品の変化、安価な輸入タケノコの台頭、市場価格 の低下などにより、竹の使用率は低下しており、中でも里山では次世代の林業への担い手が減少を続け、伐採や間伐が行われず荒廃が続くという深刻な問題を抱えている。そこで建築資材として竹材を有効活用することが竹林問題の解決につながると考えた。 1-2.研究の目的 竹材を用いた建築事例は数が少なく...
地域差を考慮した自然光による建築空間設計手法の研究
修士2年 鈴木将平 0.はじめに 建築の設計において、考慮しなければならない事項は非常に多岐にわたっている。法規や必要とされる条件のようなはっきりと満たす/満たさないの判断が比較 的容易で、設計者が客観視することが可能な事項がある。その他に気流や照度、温度といったものも、最近ではコンピューターのシュミレーションによってある 程度の数値化・視覚化が可能になり、これも建築設計を客観的に行ううえで非常に有用である。以上のように、建築設計において人間の感覚によらない部分はあ る程度制度化し、設計者がクライアントとの間で数値を媒介としたコミュニケーションが可能になった。とくに現在では技術の発達も進み、オフィスなどでは建 築空間を電子制御により常に設定した環境に保つことが可能になっていることからも明らかである。 このような観点から考えると、現代建築はモダニズム以降地域差が少なくなっているように考え...
CFD解析シミュレーションを用いた学校建築の設計手法に関する研究-豊洲における小学校の提案-
研究の背景と目的 近年コンピューターの普及により、様々な解析シミュレーションを行うことができるようになってきた。解析シミュレーションを用いることにより、風や熱や光などの複雑で予想し難い挙動を可視化し把握することができる。このことにより、実際に設計された空間が環境的に意図されたものになっているか検証し、その結果をもとに改善することによってより適切な環境を実現することができる。 現在の建物の環境は、主に機械制御でコントロールされている。そんな中、設備に依存するのではなく建物の形状を直接的に変化させ、パッシヴな建築を形成することは設備の負荷を抑えることができ、環境的課題が多く取り上げられている今日において極めて有効である。また、環境的合理性を考慮し設計することによって、計画学的合理性を考慮し設計されたものとは違う造形が生まれる可能性がある。 近年学校建築は、学校形態や理念の変化な...
アルゴリズミックデザインを用いた密集市街地における共同住宅の設計手法に関する研究 ー東京都墨田区向島地区を対象とした共同建て替えをケーススタディとしてー
修士2年 石川北斗 アルゴリズミックデザインを用いた密集市街地における共同住宅の設計手法に関する研究 ー東京都墨田区向島地区を対象とした共同建て替えをケーススタディとしてー 0.序論 0-1.背景 密集市街地という環境は、「木造密集」「狭小」といった現代的問題を呈する特異な領域であり、住宅の老朽化や住環境の悪さに対し、共同住宅による建て替えが進められている。その建て替えという建築的解決を担う設計者に投げかけられる条件は密集市街地ゆえに実に重層的であり、それらを咀嚼し一つの形態へと収斂させていかなければならない。計画地というものは「不整形」かつ「狭小」であことから、各住戸の配置は不整形に準じるものとなり、積層形態となると予想できる。加えて「密集」する周辺環境による光環境なども形態生成に関与してくる。設計者は重層的条件を同時的に扱うとい...
GISを用いた秋葉原地域における空間特性と店舗集積とその変容に関する研究
修士2年の笈川です。秋葉原の研究を行っており、ゼミで発表した修士論文の途中経過を掲載します。 1.序章 1−1.研究の目的と背景 秋葉原は日本の文化として定着しつつあるアニメやゲームの街として世界的に見てもとても興味深い街である。戦後、電気興業専門学校(現東京電機大学)に近いことからラジオの部品を扱う露天商が集まり、電気機器やパソコンの街として知られていた。しかし日本の流通業の進展の中で、家電量販店でチェーン展開する量販店が1980~90年代にかけて急増した。低金利政策や株式市場の充実が資金調達を容易にし、関東近隣へ多くの家電チェーン店が出店してきた。自動車の普及も相まって、即日持ち帰れるという魅力と駐車場無料というサービスがわざわざ秋葉原まで買い物に行くという行為を奪っていった。この電化製品販売の不振に取って代わるようにアニメやゲームマニア対象のソフトウェアを...
幼保一体型施設における空間形態に関する研究 —都市型認定こども園の提案
1. 研究の背景と目的 近年、都市部では多くの待機児童の存在が問題となっている。需要にともない保育所数は増加している。東京都独自の制度である認証保育所は、都市部の保育所不足の対策として設置されている。アクセスの良さや開所時間へのニーズには応えられている一方、従来の認可保育所の施設基準では設置場所の確保が困難なため基準を緩和している。したがって、施設面積の縮小や設備の質が低下するといった、子どもの成育環境として疑わしいものが増加している。 認証保育所だけでなく、保育施設の運営形態は様々である。その結果、質や環境について格差が発生しており、地域や施設ごとに異なる保育環境となっている。子どもの数が減少している地域では、子ども施設(注)における集団規模が小さく、社会性の獲得について都市部とは差が生じてしまう。 このような状況において、現在、保育施設の制度が変革の時期を迎えている。すべての子どもに標...
パラメトリックデザインによる建築の設計手法に関する研究―木造仮設劇場をケーススタディとして―
修士2年の大谷です。 先日の修士設計中間発表の内容を掲載します。タイトルは、発表時と若干変わっており、未だ仮のもです。 0 序 0.1 研究の背景と目的 近年のコンピューター技術の発展により、プロダクトや建築の造形として、これまででは実現が不可能であったり困難とされてきた複雑な形態が生成可能となってきている。さらに、同時にレーザーカッターや、3Dプリンターなどのデジタルファブリケーションの技術も進展し、3次元データを容易に出力し、制作することが可能となった。これにより、コンピューター上での3Dモデリングからその実現に至るまでが一連のプロセスとしてトータルに扱うことができる時代となっている。 このような技術は、どのような造形をも可能にするという造形的な意味での新規性の開拓に対する価値をもたらすだけではなく、木材...
ルイス・バラガンの空間構成手法に関する研究―奥行性を持った絵画的空間の集合体としての建築―
修士2年の木村です。前期の修士論文の成果を投稿します。 私は「ルイス・バラガンの空間構成手法に関する研究」として、バラガンの建築を奥行き性をもった絵画的空間の集合体であると仮定して、研究の主題としています。 【1.序論】-------------------------------------------------------- 1-1.研究の背景 ルイス・バラガン・モルフィン(Luis Barragan Morfin/1902-1988)はメキシコ人の建築家であり、その地に数々の名作を残している。バラガンの建築は基本的に簡素で幾何学的なモダニズム建築であるが、メキシコの民家によく見られるような黄色・ピンク・赤・紫などの色を壁一面に塗るといった要素を取り入れ、メキシコ独自の地域性(地域主義)と国際的なモダニズム性の調和を図っていた。 そのためバラガンの建築は鮮やかな「壁面...
多文化都市における立体的混在度の分布状況に関する研究 2012年 新宿区大久保
大河内研究室B4の林颯生です。前期研究の内容について投稿します。 1.序論 研究の背景と目的 新宿区は外国人登録者が最も多い街である。その中でも様々な人々が居住している新大久保はマルチエスニックタウンと呼ばれている。横浜市にある中華街に代表される様に単一の異文化がある地域で発展することは珍しいことではない。しかし新大久保の様に多国籍の文化が同一敷地内で発展しているケースは珍しいことと言える。実際に新大久保の中では、異なる文化や宗教を持つテナントが隣接して展開していること、一つのビルの同一階または上下階混在していることなど、他では見ることのない空間利用の例が見られる。これらの要因からアジア圏特有の、道に様々な看板がせり出す雑多な表情が構成されている。それはある種、街の魅力であるといえる。しかしこのような様相は、一般にカオス的状況として理解が踏み入らない状態で止まっている。 新大久保地域...