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満ち引きする空間-干潟に建つサイトスペシフィックな博物館-

満ち引きする空間-干潟に建つサイトスペシフィックな博物館-

■背景 戦後の日本国内では電力供給や利水を目的として多数のダムが建設された。日本各地に建設されたダムは建設前後の時期はその機能ばかりに注目が集まったが、年月が経つにつれて建設の弊害が明らかになった。山や河川を切り開いてつくったダムは周囲の自然環境に多大な影響を与えただけではなく、ダムによる二次的な水害が発生した地域もある。さらに、過疎化が進む地方都市近辺におけるダムは電力供給の機能がもはや必要ではなくなる場合や、ダムがもたらす環境変化が地域の一次産業に大きな影響を与え、経済発展の妨げになっている場合が見受けられる。人口減少や産業の変化により、小規模のダムが持つデメリットは無視できないものとなっている。 2018年に熊本県球磨川上流に位置する荒瀬ダムの撤去が完了し、日本で初のコンクリートダム撤去の事例として注目が集まっている。この事例を機にダムの撤去への関心が国内で高まっている。 ■設計趣旨...

B4・笹原淳平君がJIA神奈川学生卒業設計コンクール「金賞」を受賞!

B4・笹原淳平君がJIA神奈川学生卒業設計コンクール「金賞」を受賞!
2月24日(日),「神奈川卒業設計コンクール」(会場:馬車道駅コンコース)の公開審査が開催され,学部4年の笹原淳平さんが,見事「金賞」を受賞しました。同コンクールは,神奈川県内各大学の卒業設計優秀案を一同に展示し,公開審査を行い全国大会に推薦する作品を選出し表彰するものです。   <JIA神奈川学生卒業設計コンクール> 会期:2月21日~2月24日 会場:馬車道駅コンコース 審査委員長:木下康子(設計組織ADH) 審査委員 :遠藤克彦(株式会社遠藤克彦建築研究所) :仲 俊治(株式会社仲建築設計スタジオ) :原田麻魚(MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO)  

眼差しの皇居

眼差しの皇居

  01 空虚な中心の存在 東京の中心に皇居は位置している。天皇の住まいであると 同時に歴史の中で強い意味性を持った場所である。しかし ながら、禁域として立ち入ることは許されず、森、石垣、濠といった周縁のみが、我々の皇居の認識である。かつて、R・バ ルトが「表徴の帝国」で指摘したように、ただ森で囲われ たなんでもない場所、空虚な中心として存在する。   02 切断の思考 禁域であるがために中心と周縁は切断されている。皇居は近代国家成立と同時に、江戶城という形式を保ったまま、天皇という内容が与えられた。そこには、恣意的な結びつ きが存在している。近代とは、あらゆる概念の形式と内容 の「切断」と「恣意的」な結びつきによって成り立ってい る。そして皇居、天皇もまた近代的な枠組みの中に投じられた象徴として、切断と恣意的な結びつきが行われている。この切断の思考の柱によって皇居を捉えるこ...

高密度都市マカオにおける勾配をもつ路地の空間特性―路地の領域性・形態・過密性―

高密度都市マカオにおける勾配をもつ路地の空間特性―路地の領域性・形態・過密性―

修士2年の五味です。修士論文の概要を掲載します。 0.1研究の背景 ・マカオは近年、観光とカジノの街として急成長を遂げる都市として知られている。ポルトガル風の街並みと、華人の流入による中華風の文化が混在する都市であり、起伏に富み複雑な街 路形態が特徴である。近代以降、人口密度が世界一となり、世界有数の高密度都市となった。 ・マカオの最大の特徴は高密度な都市が起伏に富んだ地形の上に形成されていることであるにもかかわらず、マカオの都市空間と地形の関係は十分に語られてこなかった。 ・旧市街にはいたる所に複雑な形態を持つ路地が存在し、土地の起伏と相まって濃密な立体的都市が展開している。廟などの宗教施設が点在し、コミュニティーの場となっている。 →本研究はこうした勾配をもつ路地を対象とし、その空間特性を解明することを主題とする。 0.2研究の位置づけ マカオに関する既往研究には、是永らの①都市形成...

現代日本のアトリエ系設計組織を対象とした建築設計プロセスの記述・分析

現代日本のアトリエ系設計組織を対象とした建築設計プロセスの記述・分析

修士2年の小田です。 2018年度修士論文の概要を掲載します。 「現代日本のアトリエ系設計組織を対象とした建築設計プロセスの記述・分析」 序 0-1.研究の背景 建築設計のプロセスは他者がうかがい知ることのできないものであり、我々が目にできるものは最終的なアウトプットとしての建築物が全てである。設計者によってその設計プロセスが千差万別であることは当然のこととして了解されているが、客観的に把握したり、その差異を誰もが使える方法論として共有することは大変難しい。しかし、これまで属人的な秘技のようなものとして扱われてきた建築の設計プロセスを理論化しようとする試みがなかったわけではない。1960年代、高度経済成長を背景に生活に対する価値観の多様化,建築の機能の複雑化,大規模化,設計対象の拡大が促進し、一方では工期の短縮,生産の合理化が求められるようになったことで、設計プロセスを客観的に体系化するこ...

住宅宿泊事業法施行に伴う民泊に関する研究―空間構成・ホスピタリティ・諸制度への対応に着目して―

住宅宿泊事業法施行に伴う民泊に関する研究―空間構成・ホスピタリティ・諸制度への対応に着目して―

M2久木元です。修士論文の概要を掲載します。   ■研究の背景 現在日本では訪日外国人が年々増加する傾向にあり、特に都市部では宿泊施設不足が問題視されている。そのため従来のホテルや旅館、簡易宿所に加えて一般住宅に宿泊させて宿泊料を取る「民泊」という宿泊形態が急激に増加している。 しかし現行の旅館業法では民泊に該当する宿泊形態を規制できないため、「ヤミ民泊」と呼ばれる正式な登録なしに運営される宿泊施設の数が増え続けている。この問題の解消のため2018年6月15日に住宅宿泊事業法が施行されることになった。 住宅宿泊事業法に基づく民泊(以下、新法民泊)では既存の住宅を利用して運営される場合が多く、外国人観光客の受け入れだけではなく、近年の縮小社会によって日本が抱えている空き家問題やコミュニティ問題の解決の一助となることが期待されている。 しかし民泊新法施行以降、Airbnb等の仲介サイ...

国内の「シェアワークスペース」における空間の分節・接続手法

国内の「シェアワークスペース」における空間の分節・接続手法

修士2年の浜本です。2018年度の修士論文の概要を掲載します。   0-1.背景と目的 情報通信技術の発展により働く場を拘束する物理的な要因が減少し、様々なワーカーを対象としたシェアオフィスやコワーキングスペース(以下、CWS)が増加している。それらの新たなシェアを志向するワークプレイスをシェアワークスペース(以下、SWS)と定義する。このSWSは既存の建築計画学や設計論の範疇を超える要請を抱えているものが多く、既存の枠組みの中でその評価軸が明確に確立されているとは言えない。また、このようなSWSでは場を共有することで生まれる交流に価値を見出しているものが多く、ワーカー同士の交流のきっかけを生み出すような空間づくりが行われている。一方、SWSはユーザー相互のプライバシーを保護し、静謐な環境を確保する必要もあり、この対立する要求を設計者はいかにして解決しいているのか。 以上の問題意...

【2018卒業設計公開講評会】大方利希也君が「卒業設計建築学科賞」,笹原淳平君が「卒業設計優秀賞」を受賞!

【2018卒業設計公開講評会】大方利希也君が「卒業設計建築学科賞」,笹原淳平君が「卒業設計優秀賞」を受賞!
2019年1月27日に開催された卒業設計公開講評会が開催されました。長時間に及ぶ議論と厳正な審査の末,大方利希也君が「卒業設計建築学科賞」,笹原淳平君が「卒業設計優秀賞」を受賞しました!おめでとうございます! 大方君の発表 笹原君の発表    

都市のイベントにおける人の集合・離散 —ジオタグ付きtweetの時空間特性に基づく記述・類型化—

都市のイベントにおける人の集合・離散 —ジオタグ付きtweetの時空間特性に基づく記述・類型化—

修士2年の相川です。2018年度の修士論文の概要を掲載します。   —————————————————————————————————————————————————— 背景:都市内の人の動きを把握する代表的な手段に、パーソントリップ調査があります。このような調査を通して、マクロかつ周期的な人の動きが把握できます。これまで、都市内のダイナミックな人の動きを、定量的に把握する事は困難でした。一方で近年、都市活動を営む人々は SNS を介して、様々な出来事を共有しており、このようなデータは、人の動きをミクロに把握する上で有用な情報源であると考えられます。 本研究は、SNS に発信されたデータを用いて、都市内のミクロな人の動きを可視化します。 目的:本研究の目的を以下の2点とします。 ①祝祭性を帯びたイベントによる、局所的な人の「集合と離散」の動きを明らかにする。また、イベントの種別...

未来死向-地域に開かれた葬祭場×イノベションセンター-

未来死向-地域に開かれた葬祭場×イノベションセンター-

 1,敷地:府中トロポサイト かつての米軍基地であり、現在は廃墟と化している。直径14mのパラボラアンテナや高さ107mの鉄塔などが未だに残されている。 図1 府中市航空写真                図2 府中トロポサイト 2,未来死向 一般的に葬祭場などの「人の死」を扱う施設は迷惑施設とされているが、葬祭場には「未来」を考える為の施設になるポテンシャルがあるではないかと考えた。 3,葬祭場×イノベーションセンター 用途は、葬祭場とイノベーションセンターとする。イノベーションセンターは、生活空間とのつながりをもち、廃墟と葬祭場とは対比され、地域に開くことを期待する。 図3 葬祭場外観 図4 イノベーションセンター外観 4,レイヤー性ランドスケープ 既存,広場,建築,遊歩道の4つのレイヤー分けをしつつ互いに干渉し合う余地を持たせることで、相互補完関係を生み出す。この操作により空間が1...

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