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Porous Town ―街へ開かれた混住型集合住宅―

Porous Town ―街へ開かれた混住型集合住宅―

  1.問題定義 私はこの卒業設計で、多国籍な街へ開かれた混住型集合住宅の設計を行いました。その設計に至ったのは私が2つのことに問題意識を感じているからです。 1つは、近年外国人人口が増加していますが、彼らのコミュニティ形成の環境は未熟であることです。同じ文化の人、同じ国の人で集まりやすく、他国の人や日本人との間に壁が生まれているように感じます。 2つめは、これからの集合住宅に在り方についてです。近年、核家族の形成によりできた家族単位を重んじる住居からシェアハウスのような第3者との交流を誘発する住居ができました、しかしそれらもコミュニティは住居内に収められ外に対しては閉じられています。私は集合住宅が街に対しても開かれたコミュニティを持つ必要があると考えます。 以上の問題から、外国人の方が様々な国の人とも関われ、広く交流を持てるようなまちづくりのきっかけとして外部に開かれた集合...

Minimum City -地方百貨店のリノベーション-

Minimum City -地方百貨店のリノベーション-

Minimum City -地方百貨店のリノベーション- ⒈背景と目的 近年、閉店する地方百貨店が後を絶たない。全盛期の百貨店は、イベントの開催や家族での買い物、レストランでの食事をするハレの場であった。その後、司法百貨店ではモータリゼーションが進行し、郊外の大型商業施設へ消費活動が以降する。また、コンビニエンスストアやネットショッピングの台頭などの影響を受け、百貨店に代表される大資本が中心市街地から撤退しつつある。そして、近代家族と消費携帯の一時代を築いたビルディングタイプが終焉を迎える。地方都市では、新たに新築する経済力が低く、跡地の利用方法は長期間定まらないことが多い。歴史性、象徴性、拠点性など様々な価値を持つ百貨店をただ壊してしまうのではなく、リノベーションして縮小社会に適した建築へ転生する。 2.敷地と対象 千葉県松戸市にある伊勢丹松戸店は、都心から電車で30分の松戸駅近くとい...

【2017年度卒業設計】丁佳蓉さんが建築学科賞,島田里沙さんが優秀賞を受賞!

【2017年度卒業設計】丁佳蓉さんが建築学科賞,島田里沙さんが優秀賞を受賞!
去る1月28日(日)に開催された「2017年度明治大学理工学部建築学科卒業設計講評会」において,当研究室B4の丁佳蓉さんが建築学科卒業設計賞,同島田里沙さんが優秀賞を受賞しました。おめでとうございます! 学科賞を受賞した丁佳蓉さんのプレゼンテーション 島田里沙さんのプレゼンテーション  

マーク・フィッシャーのステージ・デザインに関する研究

マーク・フィッシャーのステージ・デザインに関する研究

修士2年の野田です。研究の途中経過を報告します。   序章 0-1. 研究の背景 ステージ・デザインの歴史は、様々なエンターテインメントとともにその空間が創り出されてきた。 現代を代表するステージ・デザインの一つに、大規模なスタジアムコンサートが挙げられる。スタジアムでのコンサートが事業として生まれたのが、1965年のニューヨーク、シェア・スタジアムで行われたビートルズのコンサート。スタジアムでコンサートをすることのメリットは、一度に何万人のも観客とともに、音楽やパフォーマンスを共有することが出来るということ。人々の音楽の楽しみ方が多様化したことで、音だけでなく、視覚にも訴えるような演出が必要となった。 大規模なスタジアムにおけるステージ・デザインの先駆者である、マーク・フィッシャー(1947-2013)は、英国を代表する舞台美術家・建築家。ザ・ローリングストーンズ、ピンク・フロ...

ポルトガルにおける改修デザインにおける歴史的共作と作家性の相克 ―新旧区分の接合部に発生するディテールに着目して―

ポルトガルにおける改修デザインにおける歴史的共作と作家性の相克 ―新旧区分の接合部に発生するディテールに着目して―

研究の途中経過を報告します。本研究のフレームワークは壮大に「辺境からみたモダニズムの受容と展開」、「建築の時間論」、「デザインとテクトニクス」と考えています。これまで建築の時間に関して深く関心を持ってきました。そこで私が今回着目したのはポルトガルのリノベーション、リノベーションにおけるディテールです。この夏に大河内先生と布施さんとポルトガルで現地調査を行い、興味深い事例に多く恵まれたので研究を通して面白さを伝えられればと思います。 序章 1-1.研究の背景、目的、対象、方法 1. 近年、保存対象となる建造物は多種多様なものへと拡大している。一方で未だに保存か解体かの二者択一的な解決、改修段階においての設計手法は画一的なものが多い。そもそも文化財や保存という概念は19世紀、近代化の過程で再開発に反発して生まれたと言われている。現在ではヴェニス憲章という国際的文化財保存の基本ルールが半世紀もの...

東京都中央区月島三丁目再開発計画 -路地空間の継承と発展-

東京都中央区月島三丁目再開発計画 -路地空間の継承と発展-

修士2年の小林です。遅くなりましたが修士設計の成果を報告致します。   【研究編】 0.序 0-1.研究の背景と目的 日本には数多くの木造住宅密集地域(以下、木密地域)が存在する。木密地域の特徴として、狭い路地が挙げられる。路地は私道であるが、周辺住民達の交流の場であった。しかし、近年、建物の老朽化や火災等の災害時に緊急車両が通れないといった安全面においての問題が浮き彫りとなった。その際に路地の狭い幅員が問題視され、建て替えの際に、道路が拡幅されたり、高層マンションが建設されたりと路地空間は徐々に消滅している。以上を踏まえ本研究では、研究編において、1)月島の路地の成り立ち及び現在の利用実態を明らかにすること、2)集合住宅の「路地的空間」を対象にコミュニティを醸成させる工夫やそれを実現するための設計手法を明確にすることの2点を目的とする。さらに、研究編で得られた知見をもとに、設計...

イギリスの教会から集合住宅へのコンバージョンに見るスケルトンとの融和・対立・乖離

イギリスの教会から集合住宅へのコンバージョンに見るスケルトンとの融和・対立・乖離

修士2年の山本です。修士論文の成果を報告します。   背景と目的 イギリスでは、教会を住宅にコンバージョンした教会転用物件が不動産市場で扱われている。 教会から住宅へのコンバージョンが起こる背景 ①歴史的な建造物を保護する景観規制により古い建物が解体できない。 ②住宅の供給戸数の限定・住宅価格の高騰による慢性的な住宅不足。 ③1900 年代の都市部への人口流入により建設された教会が、脱宗教等で未使用になったが、簡単に壊せない。 ④教会のコンバージョン後の用途は、採算をとるために集合住宅や事務所が一般的である。 ⑤使用材料、構造、デザイン等が質が高いため、教会のコンバージョンへの投資が盛んである。 コンバージョンには主に以下の図の2つの手法がある。 図 主なコンバージョン手法 教会のコンバージョンはこれらの延長なのか。他のコンバージョンと何が違うのか。 ⇨これを明らかにすることが、...

geography of the scene

geography of the scene

1.背景-漂白されていく都市に対するアンチテーゼ 現在都市は様々な人口物により埋め尽くされている。道路はきれいに舗装され、都市の中の植栽は整備され、元々は大きな力を持っていた地形でさえ隠蔽され人の手により飼いならされている。純粋な意味での原っぱなど東京という都市にはもう存在しないのではないか。また、“2020年”というスローガンを掲げ、現在都内では多くの再開発が進んでいる。新宿区四ツ谷はその名の通り4つの谷が存在する場所である。しかし、ここも例外ではなく再開発という名の都市の漂白が場所の個性を消そうとしている。   2.分析-スリバチ地形の時代的推移 かつては豊富な緑と大きな池があり景勝地として知られていた。時代推移と共に花街、住宅街へと変化していった。そのことにより、土地は造成され地形は密集する建物により隠蔽されている。 図2-1 時代的推移   3.提案-大都市...

継 往 開 来 -物流倉庫から小学校へのコンバージョン-

継 往 開 来 -物流倉庫から小学校へのコンバージョン-

1.背景 -物流倉庫の空き家化- かつて、経済成長期の日本。都市は肥大化しその需要に応えるべく供給の拠点として都心部湾岸には埋立地が造成され物流倉庫が数多建設された。しかし今日、物流施設はオートメーション化に伴う施設の集約等、様々な理由により物資を保管する大空間という形態的特徴をのこしたまま、空き家倉庫が増加している。しかしそのような湾岸埋立地には近年住宅地に転用され、それに伴う短期間での人口流入が見受けられる為、公共サービスの不足が見られる。 2.対象地域及び敷地分析 -新興開発都市千若町-   本案では、そのような要因で増加している空き家物流倉庫が目立つ神奈川県千若町を対象敷地とする。この地域は2002年に都市再生特別措置法により緊急整備地区に定められた以後、短期間での過度な人口流入が目立つ。住民は一部稼働している工場と今後開発されるであろう工場跡地に囲まれながら生活してい...

直径1kmの空白 ー科学と自然が共存する都市公園ー

直径1kmの空白 ー科学と自然が共存する都市公園ー

    1.敷地 敷地は神奈川県横浜市泉区、深谷通信隊跡地、面積約770000 平方メートル、直径約1kmの円形空地。この土地はかつて、日本海軍が電波基地を建設するため、用地買収したものだった。終戦後、アメリカ軍によって接収されたが、衛星通信機器の進歩により電波基地は集約され、ほとんど活用されることなく、平成26年に返還された。 特徴的な円形の敷地は電波干渉を防ぐ目的で形作られた。その為、直径1km内部にあった高さのあるもの、豊かな広葉樹林と桑畑は伐採され、その後も長きに渡って放置された結果、土地は荒れ果て、未だに低未利用地となっている。 図1ー敷地航空写真   2.プログラム この敷地に挿入されるべきプログラムには、直径1kmの巨大な円形という特徴を最大限活用すること、そして破壊されゆく自然環境を保全し、市民に対して開いていくことが求められていると感じる...

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