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北京川底下村における住居形態の地形に対する調停メカニズムに関する研究

0 序章 0-1研究の目的と背景 川底下村は北京市西部から約90kmに位置する伝統的集落である。南西側に傾斜したひな壇状の地形に沿って、四合院の住戸群が51戸あまり配置されている。その歴史は古く明朝初期に、集落が形成され作られた。2003年に建設部と国家文物局から歴史文化名村に認定され保護の対象となり、住民は生活を営んでいる。 川底下村は、本来平野部に建つ四合院が山間部の急峻な斜面に密集して建てられている極めてまれな伝統的集落で保存状態も良好であり、歴史的価値は大きい。北京工程大学によって1999年に現地調査がなされている。現地調査を行ったところ、住居の形態、住居の所有区分等に相違点が散見される。そのため、現時点での川底下村の状況を測量し現状を把握することは、喫緊の課題である。 集落には本来は形式性の強い四合院の平面が変形している住居、住居内に微地形をもつ住居が見られ、...
CFD解析シミュレーションを用いた環境共生型学校建築の設計-両義的な壁を用いた豊洲小学校新築計画

0.1研究の背景 近年、コンピューターの普及により様々な解析シミュレーションを行うことができるようになってきた。解析シミュレーションを用いることにより、風や熱や光などの複雑で予想し難い挙動を可視化し把握することができる。このことにより、実際に設計された空間が環境的に意図されたものになっているか検証し、その結果をもとに改善することによってより適切な環境を実現することができる。 学校建築は、学校形態や理念の変化などから、様々な取り組みがなされている。まず、空間の可変性、連続性、開放性を実現する形態としてオープンプラン・スクールが注目されている。オープンプラン・スクールは、教室が完全に独立したものになるのではなく、パーテーションなどで仕切り、開放的で可変性のある形態である。オープンプラン・スクールでは様々な諸室の空気が一体となっており、環境的にお互いに影響を与えやすい。つまり、通風や音、視線...
アルゴリズミック・デザインを用いた密集市街地における小規模共同住宅の設計手法の開発 -東京都墨田区地区の共同建て替えをケーススタディとして-

0.研究の背景 東京の密集市街地の多くは幅員4m以下の細街路が入り組み、公園などの公的な空地が少ない密集した住宅地である.一方、都心に近いという利便性の高さ、安定したコミュニティが存在するといった生活環境の可能性を持つ地域でもある.隙間なく建ち並ぶ住居の多くは「老朽化」、「延焼の恐れ」、「狭小」、「未接道敷地」などの問題点を抱えいる.こうした現状を踏まえ、建築的解決のひとつとして複数の地権者と一体的に共同住宅として建て替えを行う「共同建て替え」が試みられる. 共同建て替えにおける「敷地の取り方」は、賛同する地権者により様々な敷地形状が考えられる.また、その地権者数に従い「住戸数」、「容積(延床面積)の配分」などの初期条件が変動するため、共同住宅においても様々な形態が存在する.設計者がこの初期条件の変動を受けいれ、敷地の取り方と集合形態についての最適解を得るまでに...