Your are here: Home // Archives for 9月 17th, 2019

サン・ピエール教会における構想案の変遷にみるル・コルビュジエによる光の設計手法 -3Dモデリングによる光の復元-

サン・ピエール教会における構想案の変遷にみるル・コルビュジエによる光の設計手法 -3Dモデリングによる光の復元-

1 序章 1-1 研究の背景と目的 「近代建築の三大巨匠」と位置付けられるフランスで主に活躍したル・コルビュジエはフランスに数多くの建築作品を生み出している。その内の1つにサン・ピエール教会がある。サン・ピエール教会は1960 年に計画された建築であるが、高額な工費でと資金難が起因して46年後の2006 年竣工された。この教会はル・コルビュジエが設計を手掛けたが、設計半ばで死去され途中から計画に参加していたジョゼ・ウブルリーという建築家が引き継いた。再建された教会はコルビュジエの構想案をもとに設計されたが、完成に至るまでに変更が加えられたことから、コルビュジエ自身の建築と言えるのだろうか。 本研究では教会内の光の現象がコルビュジエの構想した光の現象として再現されているのかを、コルビュジエの光の設計手法を構想案の変遷と共に明らかにすることを目的としている。 1-2 研究の位置付け コルビ...

テンセグリティ構造を用いたペットボトルアート

テンセグリティ構造を用いたペットボトルアート

1研究の背景 現在、日本各地で行き場を失ったプラスチックごみが溢れ、山積みになっている。2018年1月、中国が突然プラスチックごみの輸入を禁止したためである。それまで日本は輸出するペットボトルごみの7割を中国に送っていた。急激な経済発展における資源不足の解消法として海外から資源ごみを輸入し、リサイクルする方法を選択してきた。中国はこれまで先進国が消費した膨大な量のプラスチックごみを、石油原料よりはるかに安い貴重な資源として活用していた。しかし、世界各地から分別されずに、または飲み残しがある状態で輸入される廃プラスチックをリサイクルするためには手作業で分別する必要があった。その際に発生する薬品や汚泥が環境に流出し環境汚染が深刻化したことを受けて資源ごみの輸入禁止へとつながる。飲み残し、ごみの分別といったものがその後のリサイクルの過程で環境への影響に反映されてくるのだ。さらに現在大きな問題...

平面充填の多角形から導くレシプロカル構造の提案 〜未利用材の有効活用法の検討〜

平面充填の多角形から導くレシプロカル構造の提案 〜未利用材の有効活用法の検討〜

0章:序章 0.1研究背景 0.1.1レシプロカル構造と現代性 レシプロカル構造とは接合部に多くの部材が集中することを避け,部材同士が互いに支え合うことにより立体的に釣り合いを保つ構造であり、近年3DCADの普及により複雑な接合部も正確に設計できるようになった為再び注目を集めている。レシプロカル構造は小さな部材の組み合わせで大空間を構成することができる為、今後も普及していくことが予想されるが、レシプロカル構造の幾何学的な組み方はどのように導き出されるか具体的に定義されておらず、既存の建築も同じパターンを用いることが多くなってしまっている。 0.1.2推進される木造建築と未利用材の現状 2010年に「公共建築物等における木造の利用の推進に関する法律」が成立し公共建築の木造率が増加している。 一方で未利用材は全国で毎年、東京ドーム16個分に相当する2000万㎥分発生しており、その9割が伐採され...

東京の都市空間における新旧共存景観の基礎的研究

東京の都市空間における新旧共存景観の基礎的研究

B4川上です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。   序章 1-1.研究背景 新旧景観は世界の様々な国で生まれている。ヨーロッパでは街並みを意識したゾーニングが行われており尚且つ建物自体が長いスパンを保持する歴史的建造物群と再開発群という明快な対比が生まれている。また、中国では都市を一掃して開発することが珍しくなく、大きなエリアの開発群と既存バラックといった対比の風景が現れている。それに対し東京は雑多で奇妙な風景が錯綜するカオスと言われ、距離は関係なく平然と時代・素材・タイプの異なる建物が建ち振る舞うことで他国よりも対比関係が複雑に絡み合った新旧の景色が生まれていると感じる。こうした新旧景観にこそ東京という都市の特徴がより現れているのではないだろうか。 近年ではますます開発が進み、東京ではこれからもたくさんの新旧景観が生まれてくることが予想される。本研...

アルヴァ・アアルトの設計手法に関する基礎的考察 -内皮と環境因子に着目して-

B4の石渡です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表させていただきます。   1.はじめに 1.1     研究の背景 北欧を代表する建築家であるアルヴァ・アアルトの建築は、その独特な形態や曲線・曲面が特徴的である。中でもそれは天井をはじめとした建築内部に表れていることが多く、建築の内皮が躯体の形態から離れ、自由にふるまっているものも少なくない。 このようなアアルトらしい建築の形態は、アアルトが建築の内部空間にいる人間の感じ方を熟慮して建築を設計していたからではないだろうか。 1.2     研究の目的 アアルトの建築作品における内皮の形態を分析し、アアルトがどのような思想を持って設計していたのかということについて考察する。 過去にも曲面形態に関する研究はなされているが、その研究は形態自体に着目したものであった[i]。本研究は、アアルト建築の曲面形態は単なる形態に留...

近現代における建築と衣服の変遷から見るパビリオン建築

B4寺島です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表させていただきます。 近現代における建築と衣服の変遷から見るパビリオン建築 序章 研究概要 0-1研究の背景 建築と衣服は、古くから、人間の身体を守るシェルターとしての本質を共有し、建築とは“固定されたシェルター”、衣服とは“移動するシェルター”という視点を持つことができる。また、両者は社会的・個人的あるいは文化的なアイデンティティの表出としての役割を担ってきた。両者は時代と共にイデオロギーや技術革新によりボーダーレスな概念をまといながら、結果として様式的に創作動機を共にしつつ、新しい形態や質感をもった作品を生み出し進化させてきた。特にコンピュータをはじめとする様々な技術の革新が、建築や衣服の自由な造形を可能とし、それぞれの表面と構造の関係に変化をもたらしている。 近年、都市から都市へと巡回する移動式パビリオン建築が話題と...

F・L・ライトのフローイングスペースを生む 設計手法の分析と CFD 解析による環境評価 -ロビー邸をケーススタディとして-

B4佐坂です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表させていただきます。 0.序章 0-1.研究背景 日本にとどまらず世界中でのエネルギー消費が産 業革命以来問題となっている実際、日本でも ZEB や ZEH など推進の政策を国を挙げて初めている。そこ で建築家には環境配慮の建築計画が求められている ことがよくわかる。  ここで巨匠フランク・ロイド・ライト(以下ライ ト)は近代建築にフローイングスペースと呼ばれる という設計手法の持ち主として大きな影響を与えた 人物で主に知られている。一方で、ライトが手がけ た住宅作品にはオーガニックハウスといわれる自然 との調和を図った建築構成になっていて、ライト自 身も自らの作品を有機的建築と呼んでいる。さらに は、産業革命に伴い発達した環境設備機器をもいち 早く導入しているのである。ここからライトには意 匠的な空間構成にとどまらず、環境...

Copyright © 2024 OKOLAB.net. All rights reserved.