Your are here: Home // Archives for 10月 8th, 2024
工場併用住宅における増改築と空間・社会に関する研究
修士2年の三橋です。修士研究の途中経過を報告します。 1.研究の背景工場併用住宅は自宅と工場を兼ねた併用住宅の総称である。大田区大森南地区は、東京都の南部に位置し、工業地域の住宅地が共存する地域特性を持ち、生産の場(工業)と生活の場(住居)を共存しながらが変化してきた。住宅部分では、家族の構成やライフスタイルの変化に応じて住居スペースの拡張が求められることが多くあり、階段を利用した上階の増築や、バルコニーの新設などが挙げられ、これらは住居の快適性を向上させる要因となっている。一方で、工場部分でも増改築が行われることが多く、作業効率を高めるためのスペースの再配置や、新しい設備の導入を目的とした増築が行われている。 以上の背景から増改築により、住工の生産性を向上させることが可能となっており、限られた敷地内の効率的な土地利用が重要な手段となっている。これら増改築には周囲の環境や建物...
戦後自由が丘における闇市の変容過程に関する研究(仮)
修士2年の田中です。修士研究の途中経過を報告します。 1.研究の背景1-1.戦後の痕跡を残す場所の行方 戦後日本の都市風景は、再開発事業が盛んに行われ、急激に変化を遂げた。これは現代においても継続され、私たちの生活する都市空間は常に変化を繰り返している。一方でその裏側には、闇市やマーケットなどの戦後復興期の痕跡を遺した空間が、都市の至る場所に存在している。そのような場所には、人間の身体にあったスケール感や、人々の営力を感じることができる雑多性など、従来のトップダウン的な建築空間とは異なる魅力がある。 近年では、そのような場所にも老朽化や経済効率化などの理由から、再開発事業が介入し、空間が画一化されてしまうことで、長い時間をかけて培われてきた「場所性」は失われてしまっているように思える。しかし、このような「場所性」は未来に継承されていくべきではないだろうか。1-2.自由が丘における再...
アートプロジェクトにおける地域性の研究 ー大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレを対象としてー
修士2年の山﨑です。修士研究の途中経過を報告します。 1.研究の背景1-1.日本各地で行われる地域型アートプロジェクト 1990 年以降日本各地でアートプロジェクトが行われるようになり、1995 年の阪神・淡路大震災を契機にアートと社会の接点をつくる動きが見られるようになってきた。そして、2000 年以降他分野と結びつき、社会の仕組みへ働きかけるアートプロジェクトが生まれ始めていく。その結果、アートプロジェクトは「ふるさと再生」や「地域活性化」の観点で注目を浴びるようになった。経済的観点では自然や人材、場所、企業、産業などまちの既存資源を活用し、活性化させることでまちに新たに経済の動きを生み出すことが期待される。経済以外にも、作品やプロジェクトの拠点がまちの新たな観光資源となって観光客を呼び込むことで、交流人口が増え、外部からの注目を浴びることで、シビックプライドが高まり、若者が地...