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「曲面建築論-曲面表現の歴史的変遷と現状-」

M2の松本です。

本研究では、建築において、なぜ曲面表現を使うのか、ということをテーマにしています。

そもそも曲面で建築を構成するとなると、直線で構成されるものよりも多くの困難が生れます。しかしその困難を経てもなお、曲面表現のなされている建築が増えてきているのが現状です。

つまり曲面表現は、建築デザインの現代性の一つの在り方として捉えることができます。そこで曲面の素材、設計意図、形態などの軸を歴史的な視点を踏まえて扱うことで、曲面表現のの現代性について記述し明らかにすることが本研究の目的になります。

 

研究の内容としては、

曲面の設計意図

 1.合理性(構造、環境)

 2.形態性(彫塑、象徴、連続)

 3.空間性(流動、反射、求心)

曲面の形態

 1.幾何学から自由曲面へ

 2.素材に適した表現

などの章立てを考えています。

 

そして現代の曲面とは、

・情報技術の発達によって可能になった形態であること

・意匠・構造・設備の分野横断の解であること

以上2点のことがいえると思います。しかしこれはかなり自明のことで、もっと新しい知見が得られるような仮説を立てる必要があると感じています。

 

最近では、現代の曲面表現と、古代や中世の装飾というのが近しいものがあるんじゃないかということを考えています。

建築の中に人間性だとか豊かさなどを求める方向性は同じなのではないかと。職人でないと施せない装飾や形態というのが、技術の発達に伴い比較的に容易に建築に組み込めるようになったのではないか、など。

少々話しが飛躍していますが、このような疑いを持ちながら、今後は合宿で指摘された点を踏まえつつ質的な内容を深めて進めていこうと思います。

 

以下、合宿で見学した妹島さんの「豊田市生涯学習センター逢妻交流館」の感想です。

 

 フリーハンドで書いたような円形の部屋が複数、3層にわたって積まれている建築です。

全て曲面で構成されているので、部屋以外の場所、いわゆる廊下にあたる部分が一様な広さではなく、廊下以上部屋未満のような場所になっており、当日はそこを子どもが走り回っていました。角がないので出会いがしらにぶつかる危険性が少ないのでしょう。曲面の流動性ということを直に体験できました。

雨仕舞いなどどうなっているか確認できませんでしたが、所々通っている柱の中に樋が納まっているのでしょうか。

また、曲面の施工性の難しさも目の当たりにしました。床のカーペットや戸枠の納まりなど、随所に粗が目立っていました。扉やガラスが全て曲面で出来ているため、コストも倍以上かかっていると思われます。

曲面の効果と実現段階の難しさ両方を、体験として得られたことはとても参考になりました。今後の研究に役立てていきたいと思います。

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