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ジャン・プルーヴェのアルミニウムを用いた作品の分析と考察

 

 
 
M2佐藤あかねです。
 

 

 
 
 
 
 
 


 

1)伊東豊雄:ブルージュ・パビリオン(2002)、2)難波和彦+界工作舍:箱の家83(2004)
 
 
2002年5月、建築基準法が改正され、アルミニウムに構造材としての役割が認められました。以降、アルミ建築は日本では伊東豊雄さんや難波和彦さんなどが積極的に取り入れていますが、まだ一般的な普及に至ってはおらず、実験段階にあります。アルミニウムは軽量で耐蝕性に優れ、容易にリサイクルできるという特性があり、環境に優しい素材として注目されています。これからの環境時代を築く上でアルミ建築の果たす役割は大きく、研究の意義があると思っています。
 
 
フランスの建築家ジャン・プルーヴェ(1901-1984)はアルミ建築の先駆者です。プルーヴェは自身の工場を持ち、常に設計と製作を同時に行ってきました。新しい素材の研究はこういった環境で盛んに行われていました。プルーヴェは数多くの特許を持ち、なかでもプルーヴェの開発した「カーテンウォール」は今では一般的なものになっています。
 
 
本研究では、プルーヴェのアルミ作品にみられる特徴を総合的に捉えてみることで、プルーヴェの建築に対する思考や、工業化に果たした役割、現在に及ぼした影響を明らかにしアルミ建築の可能性を探ることを目的としています。
 
具体的な内容として、
 
1、クラフトマンシップ
2、構法への取り組み
3、        デザイン思想
 
の大きく3つの観点からアルミニウム作品を考察していきます。
 
 
中間発表では「デザイン思想」で論じるテーマを重点的に進めたので、今回はこれについて少し紹介します。
 
 
「プロダクトとしての建築」
 
プルーヴェの建築には場所性や歴史的背景があまりみられません。それは建築を、自動車や飛行機など工場で製作され、常に新しい技術を反映させた「プロダクト」として扱っているからであると考えられます。実際プルーヴェは自動車の愛好家であり、デザインの原点とも思えるようなスケッチが数多く残っています。アルミニウムは工業製品としても多用され、加工しやすくデザイン性にも優れていたことから、プルーヴェが着目したのも当然の結果であると言えます。
 
 
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3)                      4)                        5)
 
 
 
「架構システムと家具デザイン」
 
プルーヴェにとって家具は建築と同様に重要であり、建築に併行して設計と生産が繰り返されました。プルーヴェは建築において、いくつか独自の架構形式を考案しています。これらの架構形式には、家具のデザインからルーツが見てとれるものがあります。機能性、合理性を保持しながらも、微妙な曲線を描いていることがデザインの特徴です。
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 

 

6)エヴィアンの鉱泉工場         7)スタンダードチェア
 
 
現段階ではまだ、プルーヴェの基本的なデザイン思想について触れただけなので、これからさらに、アルミニウムに関する事例を集めていこうと思っています。
 
 
 
写真
1) 伊東豊雄建築設計事務所 http://www.toyo-ito.co.jp/index.html
2) 難波和彦+界工作舎 http://www.kai-workshop.com/
3)〜7)『ジャン・プルーヴェ』TOTO出版

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