- 背景
近年実空間で過ごす意味が問い直されているが、その意義は場の小さな変化に気づく楽しさにあると考える。多くの部材や構法、情報が混在した都市空間とは対照的に、1つの素材を用いて建築と都市の間のスケールの建築群を設計することで、それぞれの場所で土という素材がどのように変化し現れるかに気づくことができる新しい回遊体験を作りだす。
2. 設計趣旨
土がどのように現れ人の目に入るかの変化を生み出すための設計方法を取る。敷地は三浦半島南端に位置する城ヶ島のある広場とし土から派生するアート体験を中心とした様々な体験ができる施設を設計することで人々が定期的に訪れる新しい観光要素となることを想定する。
まず敷地内を3つのゾーンに分け、それぞれのゾーンで使う部材、構法、仕上げ、建物と地中の土との関係を一つの視覚的な印象を与えるように統合することで、訪れた人が回遊する中で土がどの程度加工され現れているの変化を感じられるように計画する。
また各ゾーンをつなぐ位置に宿泊者がアート制作に取り組みながら好きなように作り替えられる展示空間を設けることで、宿泊者の入れ替わりごとに発生する空間体験の一回性を生み出す。
図1. 設計趣旨1
図2. 設計趣旨2
図3. 平面図(左:一階平面図、右:地下一階平面図)
図4. 展示空間の段階的変化