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タカバシラ-個の暮らしが集まるスタジアム型都市拠点-
1.背景 現在一世帯あたりの人員は減少傾向にあり、世帯人員が一人の世帯が約4 割を占めている。かつて社会- 家族- 個人であった社会構造は社会- 個人へと変化した。その中で今まで家族というコミュニティで補っていた暮らしの中の相互扶助は家族の欠落により困難となった。また核家族を閉じ込めていた住宅は今度は個人を閉じ込めるようになったために、孤独死等の問題が生じている。つまり、家族を前提とした社会と家族がいない現実との間にずれが生じている。そこで家族に代わる個人の集まりによるコミュニティの編成が提言された。 2.設計主旨 シェアハウスやコレクティブハウスとは違う、ありのままの心地よい人間関係を築けるような個人が集まる集合住宅を目指し設計に取り組んだ。具体的にはコモンスペースとは強制的に関わる関係でないことや、物理的距離の近さではなく社会的距離の近さゆえ集まるこ...
中庭型の集合住宅の空間配列に関する研究―コモンスペース・境界の分析を通して―
B4藤ノ木です。2023年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。 第1 章 研究の概要1-1. 研究の背景、目的 熊本県営保田窪第一団地(図1)は山本理顕によって設計された公営団地である。この集合住宅の特徴の一つに図2 のようなパブリックスペース―住戸―コモンスペースの順番で構成された空間配列がある。これは中庭型の集合住宅が敷地の外に対してコモンスペースよりも先に住戸が配置されていることによって成立している。また、この空間配列にすることによりコモンスペースがよりプライバシー性の高い空間となることと、コモンスペースに出なくとも外に出ることができるため、コモンスペースに関わるのか選択性が生まれる。 以上のように中庭型の集合住宅にはその特徴的な空間配列の構成によって、コモンスペースに対して今まで以上にオープンな関係性を築ける可能性があると同時に、選択性のある共...