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隣地住宅との共同的外部空間形成の設計手法に関する研究-外部空間の形式と構成要素に着目して-
修士2年の林です。修士研究の途中経過を投稿いたします。 1.研究の背景・問題意識 戦後の戦災復興都市計画の末に、住居が郊外周辺部にスプロールし緑地は失われ過密な木造住宅が広がった。都市の問題に対し住宅からのアプローチとして59年にジャーナリズムに登場したコートハウスは、都市に対して閉鎖的である問題を有しながらも「群構成や社会的なまじわりのシステムを持って都市へ拡大してゆくことができる」有用な手法とされていた。65年から75年にかけては外界に対して閉鎖的で隔離された世界を構築する作品がみられる。東の「塔の家」、林の「起爆空間の家」らの観念的な住居概念を崩すような姿勢が内部空間に見られる作品や、環境問題、都市環境の悪化が問題視される背景がある中での宮脇の「ブルーボックスハウス」(1971)、原の「栗津邸」「原邸」、毛綱の「反住器」、篠原の「未完の家」らの作品が代表するよ...
寄生されるシブヤの繭―身体体験で開拓する都市の道―
B4の林です。卒業設計の梗概を掲載いたします。 1背景 1-1シブヤの歴史 歴史にみる渋谷はカルチャーの中心地であり、路上では多様な異種の要素が混在し、計画性とは切り離された自然空間のような領域、路地が存在している。この都市は異質な要素の集合が全体として渋谷らしさを生み調和している街である。個々の要素、意図が集積し社会現象として現れる劇場性を帯びている。都市の形成の仕方や街の中の活動、人の自由さを吸収する性質がシブヤを草原のような自然環境に近い状態にし、街全体を遊び場と捉え集う。潜在的に人びとをつなぎとめていく性質を生んでいる。人が都市にタグ付けし接続状態であることから居場所となれるような場所が発生している。 1-2シブヤの均質化 現在、度重なる開発を経て新たな姿に更新され続けた結果、シブヤの新たな一面が姿を強めている。その強力な要素であるパッケージ化された巨大施設建築群は、どの都市にも出...
現代建築レビュー8月号
B4の林です。2019年9月23日に実施しました新建築8月号の現代建築レビューを投稿致します。 島田さん:今月号で気になった建築をあげてください。 大澤:僕は、The Hillです。スーパーマーケットと集合住宅の複合施設で従来のスーパーマーケットは屋上を上手く利用できていないが、上に集合住宅とする計画や敷地に対する配置や道の取り方が良いと感じました。 佐坂:僕は、15 Roomsです。一部屋が7平方程度だが、中央の共有部分に4辺が接続されていて縦に3層ほどつながっている。角度を振って生じる部分をバルコニーとして外部とつながっていたりベクトルをいろんな方向に向けていて都市の散漫さが出ていて面白いと思いました。 建入:僕は、つながるテラスです。このような職住近接型のような自分の職としている空間と住居が一体となっていることで同じような意識を持ったひとが住みコミュニティの形成のしやす...
テンセグリティ構造を用いたペットボトルアート
1研究の背景 現在、日本各地で行き場を失ったプラスチックごみが溢れ、山積みになっている。2018年1月、中国が突然プラスチックごみの輸入を禁止したためである。それまで日本は輸出するペットボトルごみの7割を中国に送っていた。急激な経済発展における資源不足の解消法として海外から資源ごみを輸入し、リサイクルする方法を選択してきた。中国はこれまで先進国が消費した膨大な量のプラスチックごみを、石油原料よりはるかに安い貴重な資源として活用していた。しかし、世界各地から分別されずに、または飲み残しがある状態で輸入される廃プラスチックをリサイクルするためには手作業で分別する必要があった。その際に発生する薬品や汚泥が環境に流出し環境汚染が深刻化したことを受けて資源ごみの輸入禁止へとつながる。飲み残し、ごみの分別といったものがその後のリサイクルの過程で環境への影響に反映されてくるのだ。さらに現在大きな問題...