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隣地住宅との共同的外部空間形成の設計手法に関する研究-外部空間の形式と構成要素に着目して-

修士2年の林です。修士研究の途中経過を投稿いたします。

1.研究の背景・問題意識

戦後の戦災復興都市計画の末に、住居が郊外周辺部にスプロールし緑地は失われ過密な木造住宅が広がった。都市の問題に対し住宅からのアプローチとして59年にジャーナリズムに登場したコートハウスは、都市に対して閉鎖的である問題を有しながらも「群構成や社会的なまじわりのシステムを持って都市へ拡大してゆくことができる」有用な手法とされていた。65年から75年にかけては外界に対して閉鎖的で隔離された世界を構築する作品がみられる。東の「塔の家」、林の「起爆空間の家」らの観念的な住居概念を崩すような姿勢が内部空間に見られる作品や、環境問題、都市環境の悪化が問題視される背景がある中での宮脇の「ブルーボックスハウス」(1971)、原の「栗津邸」「原邸」、毛綱の「反住器」、篠原の「未完の家」らの作品が代表するように豊かな住空間を内部空間の質により実現する潮流があった。75年から85年で、住居の内側に自然を引き込み豊かな住空間をつくりだそうとした安藤の「住吉の長屋」、長谷川の「東玉川の住宅」といった作品がみられる。60〜85年頃にかけて、良質な住環境構築に貢献する装置として外部空間の機能が確立された。80年代半ば以降、コートハウスの特徴である中庭型の外部空間の形式が主な傾向であったが、住宅における外部空間の形式は多様化し乱立しはじめている。作品の言説にみられる設計思想からは、外部空間が多義的なものとなってきたことが伺えるが、空間形態との関係性や設計手法は明確化されていない。また、外部空間は都市とのインターフェイスとして意識され様々な実践が現代まで為されてきたが、今もなお敷地の内側に留まっており私的な空間として展開されている。外部空間を住宅単体ではなく複数軒に連なる群で捉えた在り方を考える。

2.研究の概要

□研究の目的

・住宅全体の形式を整理し、隣地との関係性を取り持つ外部空間の形式を明らかにする。

・外部空間の要求、機能の視点と空間を形成する構成要素の視点から住宅作品を分析し、現代の外部空間の設計手法を体系化する。

□論の流れ

3.分析

□形式の分類

現代の多様化した外部空間を構成する形式を8つの類型に整理した。

□形式の年表

85年〜2000年にかけて、主な傾向であった「中庭型」に加えて他の形式の住宅が続出する。

2005年〜2010年頃に「入子型」「並列/付属型」形式の内から外へ住空間を拡張する傾向がみられる。

2015年以降にみられる外部空間を生活の場として扱う傾向と関連して、「屋根の下型」「GLの持ち上げ型」形式の作品が集中している。

□外部空間の構成要素の分析

表:daita2019の構成要素と機能

外部空間における要求と機能に対しての最適な空間形態を明らかにするために、作品ごとの空間の構成要素の分析を行う。

□構成要素と要求機能の対応関係

各作品の分析から得られた結果を横断的に整理し、現代の外部空間における構成要素と要求機能の対応図を作成し設計手法を確立する。

4.設計編

外部空間の形式・形態・機能の関係から、現代住宅の外部の空間形成における指標を獲得し、修士設計として提示する。

研究編で得た知見から、住宅相互間に着目した敷地境界に留まらない新たな外部空間の在り方を考える。

図:敷地境界を超えていく外部空間の考え方

5.予想される結論

以上の研究により、予想される結論は以下の通りです。

・現代住宅の外部の構成形式の傾向を明示し、外部空間の扱いに対するパラダイムが明確になる。

・外部空間の形態、機能に関する知見を獲得し、敷地内に留まらない外部の設計手法を確立する。

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