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SNS及び写真投稿サイトにみる都市のイメージに関する研究
修士2年の川上です。修士研究の途中経過を報告致します。 1.研究背景 近年SNS及び写真投稿サイトは人々の日常の一部となり、観光情報の発信手段にも使われるなど、日々大量の都市の写真が投稿されており、都市のイメージ形成に強く影響していると考えられる。 写真というメディアによる都市のイメージ形成に関する議論は飯沢耕太郎や田中純などにより多く行われており、写真には都市の本質が現れていると考えられる。しかし同時に、SNSが発達し写真のために着飾る現代の都市というのは、写真のみで記述することはできないのではないか。 本研究では、SNS及び写真投稿サイトの写真が都市の何を表象しているのか考察し、実の都市とのズレを分析することで、写真に隠された都市構造を解明すると同時に実の都市を再解釈することを試みる。現在、SNS及び写真投稿サイトに投稿された写真について写真論の観点から議論さ...
築土構木ー環境装置としての首都高再生ー
B4の川上です。卒業設計の梗概を掲載致します。 1.背景 1-1 土木バッシング 近年の土木は人や自然に負荷を与える罪深き存在として批判の対象になっており、建築と区別し軽視され、地形をキャンセルする経済の道具として利用されている。 1-2 矛盾を抱える近代土木 批判の対象である一方で、土木は常に人々の生活に必要不可欠であるという事実が存在する。 ①都市のあらゆるインフラを支えている。 ②土木の語源に築土構木という中国の言葉がある。それは、本来土木が自然と共生する人々の生活を守る利他的行為であるということを示しており、現在区別される建築と土木を包括していたと考えられる。 1-3 土木に罪はあるか 経済に従順に対応している土木そのものには罪はないのではないか。建築を通して近代土木と人々の関係性を再構築し土木の矛盾をほどくことを考える。 2.敷地 2-1 日本橋 今回敷地と...
東京の都市空間における新旧共存景観の基礎的研究
B4川上です。2019年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。 序章 1-1.研究背景 新旧景観は世界の様々な国で生まれている。ヨーロッパでは街並みを意識したゾーニングが行われており尚且つ建物自体が長いスパンを保持する歴史的建造物群と再開発群という明快な対比が生まれている。また、中国では都市を一掃して開発することが珍しくなく、大きなエリアの開発群と既存バラックといった対比の風景が現れている。それに対し東京は雑多で奇妙な風景が錯綜するカオスと言われ、距離は関係なく平然と時代・素材・タイプの異なる建物が建ち振る舞うことで他国よりも対比関係が複雑に絡み合った新旧の景色が生まれていると感じる。こうした新旧景観にこそ東京という都市の特徴がより現れているのではないだろうか。 近年ではますます開発が進み、東京ではこれからもたくさんの新旧景観が生まれてくることが予想される。本研...
現代建築レビュー3月号
B4の川上です。2019年4月25日に実施しました新建築3月号の現代建築レビューを投稿致します。 大河内(司会):今月号はリノベ特集でしたね。では皆さん気になった作品をひとつ挙げていきましょう。 建入:僕が気になったのは旧山口萬吉邸です。歴史的建造物としての保存にかかる相続税を考慮しリノベされた経緯が面白いと感じました。また、オフィスの設備とレトロ感の融合が良いと思いました。 森本:一番良いと思ったのは、西陣産業創造曾館です。木造であることを視認できるように構造的に補強をしている点や混構造を理解して設計が検討されている点が面白いと思いました。 林:僕はシカゴのギャラリーです。階段の向きが効いていて、新しいRCとレンガが向き合っている様子が良いと思いました。この敷地だからこそできた建築という感じがしました。 石渡:私もシカゴのギャラリーが良いと思いました。新旧の対立、レンガの凹...