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木造密集市街地におけるCLTを用いた段階的都市更新に関する研究 –東京都世田谷区三軒茶屋二丁目を対象とした建て替えをケーススタディとして–

木造密集市街地におけるCLTを用いた段階的都市更新に関する研究 –東京都世田谷区三軒茶屋二丁目を対象とした建て替えをケーススタディとして–

M2 佐藤滉哉です。修士設計について、ゼミ合宿までの途中経過を報告させて頂きます。   私の研究の大きなテーマは、「木造密集市街地における新たな都市更新手法」と、「木質構造部材CLTの有用性」についてです。この2つのテーマが私の研究のメインのテーマとなります。 動機としては、 1つ目のテーマに関して、都心周辺部に存在する木造密集市街地(下図上)は、老朽化や土地の有効活用を目的として大規模な再開発による都市更新が計画される。しかし、大規模な再開発故に、街並みを残したい住民からの反対や複雑な土地所有の問題もあり、進行し難く、従来のスクラップアンドビルドとは異なるアプローチが求められていると考え、設定しました。 2つ目のテーマに関して、建築は設計段階においてほぼ恒久的なスパンを想定して計画される。一方で時間が経つにつれて都市や建築に求められる要素は変化していく。その都度壊しては作り上げ...

2016年度 春学期建築見学会

2016年度 春学期建築見学会
大河内研究室では、春学期と秋学期の年二回建築見学会を開催しています。 春学期は2016年4月26日に桐朋学園大学調布キャンパス1号館を見学に行きました。 2014年3月竣工、設計は日建設計です。 異なる不均質グリッドにボコボコとヴォリュームが表出した独特の外観を持つ建物です。 音楽大学なので、レッスン室が大半の構成となっていて、各室が不均質グリッド上に配置されています。従って、廊下の幅員もそれぞれ異なり、内部に不均質な空間が連続していました。先生から要所要所でディテールに関する解説があり、短い見学時間の中で多くを学ぶことができたのではないでしょうか。 見学に協力して頂いた関係者の皆様、どうもありがとうございました。  

渋谷迷宮空間ー残余空間に生まれる都市の魅力ー

渋谷迷宮空間ー残余空間に生まれる都市の魅力ー

  01.背景 現在渋谷で計画されている渋谷駅の大規模な再開発。その計画は公開されている情報を見る限り、他の都市においても成り立つ普遍的なモノに感じられる。駅を中心として放射状に展開する渋谷において、この計画によって渋谷の魅力が失われていくのではないだろうか。渋谷は、社会による統制に捕らわれること無く、個による自由が至る所に見受けられる魅力を持つ。   02.都市分析 商業都市として渋谷は下図に示すように、駅を中心に大通りが放射状に展開し、そのアンカーとなる位置に大型施設が繋がる。また、渋谷全体を機能で分けると山手線を軸として東西に分断され、西は商業、左はオフィスが多くを占めている。渋谷は谷底の街として、駅を中心に大資本の対立によって形成され、構成する通りは駅を中心として放射状に広がる大通り、それを円弧状に繋ぐ通り、全体を張り巡る迷路状の小路の3つに分けられる。   03.計画...

アドルフ・ロースの住宅作品における空間構成に関する研究 —ラウムプランの成熟によるファサードと内部空間の同調性−

アドルフ・ロースの住宅作品における空間構成に関する研究 —ラウムプランの成熟によるファサードと内部空間の同調性−

B4佐藤滉哉です。前期の論文を掲載します。よろしくお願いします。 0.はじめに 0-1背景 オーストリアの近代建築家アドルフ・ロース(Adolf Loos 1870-1933)は、1898年に発表した論稿「被覆の原理」のなかで、「暖かく快適な空間をつくり出すこと」が建築家に課せられた課題として第一にあり、その空間を作るために「骨組みを発明すること」が第二の課題であると述べている。これは言い換えれば内部空間と構造のことであり、ロースの建築は内部の皮膜と外部の皮膜、そしてそれを支えるための構造体という三つの層からなっていると解釈することが出来る。また、ロースは部屋割りを階ごとに平面的に考えるのではなく、三次元の空間・立体の展開において考えるとした、建築が作り出す空間についての「ラウムプラン」を提唱したことでも知られている。 0-3目的 「建築は外部に向かっては沈黙を守り、これに対して内部に...

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