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シークエンスにおける遷移点の研究 ‐美術館建築をケーススタディとして‐

シークエンスにおける遷移点の研究 ‐美術館建築をケーススタディとして‐

[研究編] 0.序 0-1背景・目的 映画や音楽が場面の移り変わりを連続させることで体験者に意識の変化を与えるように、建築においても空間の抑揚によって起こる場面転換を連続的に体験することによって、その建築の中に引き込まれていくことに魅力的を感じた。空間体験をする中で、その建築に引き込み、現実の世界に引き戻すまでの体験はどのような仕組みによってつくられているのだろうか。 空間体験は、感覚的で抽象的な要素によって成り立っているため、建築作品について明確な評価や比較がされることはなかった。また、建築設計において空間構成をとらえ設計することは容易ではあるが、空間内を移動することによる体験は想像力を必要とし、見過ごされやすい。こうした空間体験の設計は設計者個人の経験や勘に依存する部分が大きく、設計の過程で効果の確認が困難である。従って、空間体験の設計方法をある程度理論化し、誰もが利用できる知見として...

「空間体験の遷移点」を用いた建築設計手法の提案

「空間体験の遷移点」を用いた建築設計手法の提案

  研究背景 −空間体験の風景化− 近代産業は、人間性や自然を排除することで大量生産が可能になり、その波にのって建築もますます都市化され均質化し、人間性を欠いた画一的な空間が加速度的に増えていく状況にあるように感じる。それを否定するわけにではないが、そういう時代にどの様にして、人間性を回復して、建築の中に感覚的な部分を呼び戻すことができるかということを考えることは重要であると思う。 それには様々な方法があると思うが、イマジネーションが沸くということもまた建築の中の人間性を呼び戻すことに繋がるのではないだろうか。 建築の体験を風景化し、後には空間体験が印象的に残る建築というものを追い求める意義は大きいと考える。 動機 −シークエンシャルの遷移点− シークエンシャルな空間体験は、連続的に様々なシーンを体験することができる。この連続的...

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