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近代化産業遺産の保存・改修に関する研究 ―新町紡績所の改修計画―
M2黒坂です。僕の研究テーマは『近代化産業遺産の保存・改修に関する研究 ―新町紡績所の改修計画―』で、リノベーション・コンバージョンを通して地域の再活性化を図る設計をしていきたいと思います。 1.背景と目的 現在、地球温暖化等の環境問題、また世界規模の経済的問題などの背景により、サステナブルやローコストといった観点から建築のコンバージョンやリノベーションというものが日本国内でも重要視されています。 日本には、戦後の近代化を支えた産業遺産が数多く残されており、その中には工場や倉庫といった歴史的価値のある建築物もあり、それらには地元保存会が存在します。保存会の働きにより建築物を残すことはできているが、有効利用は出来ていないというのが現状であると考えられます。また、産業化時代に工場と共に成長し、活発であった地域が工場の衰退と共に衰退していったというのも事実です。 以上の...
中国フィールドワーク「川底下村」
2011中国北京のフィールドワーク
【2011.07.25】 連日悪天候が続いていましたが,本日は晴天に恵まれました. 始めは万科藍山.日本人建築家が設計した超高級集合住宅です. 1住戸にひとつのEVを設置し,高いセキュリティを実現しています.また住戸の占有率80%とかなり高いレンタブル比を実現しています.販売価格もスケルトンで1億5千万円程度.かなり高額ですが実際に住んでみたいと思わせる質の高さがあります. 次に,金融街金色漫香林5期を見学した後,迫さんが設計した国融国際を訪れました.当初オフィスビルとして設計されたものが途中で建築主が代わり,集合住宅として完成したものです.従って,プランはセンターコア型です. 次に中信新城を訪問しました.広大な敷地面積でニュータウンのイメージです. ここでは工事現場を見学させてもらいました.中国国内では比較的整頓された現場のようです.なかなか中国の現場を見る機...
ダイヤモンドと蛇~歌舞伎町コンプレックス~
耕作放棄地を活用した市民農園プロジェクトの実現方策に関する研究
1.序論 1-1 研究の背景と目的 本研究の目的は耕作放棄地を市民農園へと転用する実現可能性を検討する事である。今日、食の安全性やTPPなどがメディアに取り上げられ農業への関心が高まっている。しかし、日本では食糧自給率の低下や就農後継者の不足、耕作放棄地の増加など多くの課題があり社会問題にもなっている。耕作放棄地とは以前耕作されていた農地が、現在は耕作せれず荒廃した農地のことをいう。ここで耕作放棄地を取上げる背景には建設コンサルト会社であり、ランドスケープ業務を扱う遊緑地設計有限会社(以下、遊緑地設計とする)でインターンシップを行った経緯がある。 遊緑地設計の基幹事業は横浜市など行政からの公園設計や樹木調査などを請負っている。現在、公園整備には助成金があり請け負う業務が多くある。しかし、公園整備が完了した数年後には業務が激減し、基幹事業を失う可能性がある。このような危機感を遊緑...
サステナブル建築の外皮の設計手法―デザインと技術の総合性に着目して―
0-1 背景と目的 本研究では、建物の外皮部分を研究対象とし、設計者による言説と物理的な構成の両側面を検討することで、サステナブル建築の外皮に求められる性能とその設計手法の関係性、そして環境時代に適応した建築デザインの在り方を明らかにすることを目的とする。 0-2 対象事例と研究方法 本研究では、「新建築」「近代建築」「a+u」等の建築雑誌に取り上げられた国内外のサステナブル建築を研究対象とする(戸建住宅を除く)。そのうち、対象建築をサステナブルなものにしている手法・技術が外皮部分に顕著に表れているものを分析対象とし、2000年1月から2009年12月までの10年間に竣工された計85作品(国内:60作品、海外25作品)について、解説文から外皮の形状や設計の意図を、断面詳細図を中心とした図面(補助的に写真)から断面構成を抽出する。 1-2 サステナブル建築と...
秋葉原地域における空間利用とその変様に関する研究
0. はじめに 秋葉原地域(東京都千代田区・台東区)は、映画の街ハリウッドやITの街シリコンバレーなどと同じように、グローバルな視点で見てもアニメやゲームの街としての世界的地位を獲得している。だが、「公共よりも民間が圧倒的な力をもち、しかも財閥系の巨大資本ではなく、知恵とスピードで時代の波を先取りする中小の商業資本が相互に激しい競争をしながら共存して」1)きたことや、アジアの都市に特有のアナーキーな様相を目の前にして、“混沌”という形容詞付きでしか語られていないのが現状であり、その成功のエッセンスを抽出することが困難な対象である。 研究者たちはこのように、とかく“混沌”の一言で表されがちな秋葉原の様相を様々な側面から記述しようと試みてきた。歴史的側面からは、秋葉原の戦後史を描いた「秋葉原は今」1)が、文化的側面からは、オタク人格の集中...
ジャン・プルーヴェのアルミニウムを用いた建築作品に関する研究−クラフトマンシップとデザインの関係性について−
0.序 0-1. 研究の背景 近代建築以降、建築家がその存在を知りつつもなかなか汎用的に用いることができなかった構造材の一つとしてアルミニウムがある。日本でアルミニウムに構造材料としての 役割が認められたのは2002年5月の建築基準法の改正からである。サッシュや金物としての使用は一般的であったが、近年アルミニウムを構造材とした建築が多く見られるようになってきた。伊東豊雄のアルミニウムを使ったハニカム構造や難波和彦の箱の家など、日本の著名な建築家がアルミニウム建築を試みている。しかしこうしたアルミニウム建築はまだ実験的な段階で留まっており、今後さらに発展していく素材である。また、アルミニウムは軽量で耐食性に優れ、容易にリサイクルできることから、環境に優しい素材として評価が高く、注目されている素材である。こうしたアルミニウムの特性は、今後の環境と調和した持続的な循環型社会を築いていく上でアルミ...
都心の市街地再開発地区におけるペリフェリィの調査研究
0.序 0.1 研究の背景と目的 現在、東京の都心では市街地再開発(以下、再開発)が頻繁に行われ、2011年から2014年までにも約80もの再開発プロジェクトが予定されている。その中でもヒューマンスケールをはるかに超越した高層棟が周囲の景観に与える影響の大きさは明白であるが、一方既存の街との接線である再開発地区の周縁部分(以下、ペリフェリィ)においても、既存の街並みとの不調和や不整合が問題として指摘されている。再開発のペリフェリィにおいて、既存の街並みと調和して賑わう場所がある一方(図1)、再開発により発生した敷地の高低差の悪影響を受けている既存の周辺住宅などもみられる(図2)。こうした再開発地区と周辺の既存市街地との不調和を解決するための糸口として、現状を正確に把握して記述することや、異なる地区を相互に比較したり、評価するための分析手法の確立が必要である。 本研究ではこう...