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建築ファサードから受ける心理的影響の研究-表参道における商業建築を対象として-
「空間体験の遷移点」を用いた建築設計手法の提案
研究背景 −空間体験の風景化− 近代産業は、人間性や自然を排除することで大量生産が可能になり、その波にのって建築もますます都市化され均質化し、人間性を欠いた画一的な空間が加速度的に増えていく状況にあるように感じる。それを否定するわけにではないが、そういう時代にどの様にして、人間性を回復して、建築の中に感覚的な部分を呼び戻すことができるかということを考えることは重要であると思う。 それには様々な方法があると思うが、イマジネーションが沸くということもまた建築の中の人間性を呼び戻すことに繋がるのではないだろうか。 建築の体験を風景化し、後には空間体験が印象的に残る建築というものを追い求める意義は大きいと考える。 動機 −シークエンシャルの遷移点− シークエンシャルな空間体験は、連続的に様々なシーンを体験することができる。この連続的...
新宿区大久保地域における多文化混在の分布状況とその秩序に関する研究
B4山口陽平です。 前期は新宿区大久保地域における多文化混在の分布状況とその秩序に関する研究を行いました。 他文化都市と呼ばれカオスと形容される大久保の深層に潜む秩序を記述する試みです。 発表での指摘を受けましてタイトルの変更とまとめに分布図を追加しました。 以下概要です。 背景 新宿区は外国人登録者数が最も多い地域であり、なかでも百人町、新大久保地域は外国人居住者、特に韓国、中国、フィリピン、タイなどアジア系の居住者が多いことが知られ、マルチエスニックタウンとも呼ばれている。 このようにいくつかの異なる文化を持つ人種が共生する都市を多文化都市と定義する。 単一の文化がある地域で発展するケースは、横浜・長崎やサンフランシスコの中華街、大阪市生野区やロサンゼルスのコリアタウンなど、世界各地に存在するが、大久保地域のように同一地域内に異なる文化を背景とする店舗が混在するケースはきわめて稀である...
デジタルファブリケーションを用いた設計手法の研究−間伐材を用いたシェルターをケーススタディとして−
B4の飯田です。 前期は、間伐材を用いたシェルターをケーススタディとして、デジタルファブリケーションを用いた設計手法の研究をし、その成果物を「住空間ecoデザインコンペティション」に提出するということを行いました。 以下まとめです。 1 序 1.1 研究背景 近年のコンピューター技術の発展により今まで実現不可能とされてきた複雑な形態が生成されるようになった。また、レーザーカッターやCNCマシン、3Dプリンタを利用してデジタルデータを木材、アクリルなどから切り出し成形する技術(デジタルファブリケーション)が身近になったことにより、簡単に3次元のデータとして出力することが可能となった。これまでコンピューター上で生成された形態の多くはCGどまりであったが、デジタルファブリケーションの技術により、構想から物質化までの一連のプロセスを統合的に扱うことが可能となった。 1.2 研究目的 本研究では、コ...
築地市場移転に伴う場外市場の再整備計画
サステナブル集合住宅の風環境計画に関する研究
B4の丸山です。前期の研究ではサステナブル集合住宅の風環境計画に関する研究を行いました。研究テーマが定まるまでに時間がかかってしまい一時はどうなることかと思いましたが、一応形になって本当によかったです。大河内先生をはじめ、先輩方ご指導ありがとうございました。以下に論文の一部の要約を載せさせていただきます。 1.序論 1.1研究の目的と背景 サステナブル建築とは、建築物のライフサイクルを通して省エネルギーや省資源などのエコロジカルな視点と、人間の生活の質の向上という両者を満たすことができる建築物をいう。今日の日本では3月11日に起きた東日本大震災や福島原発事故による原子力エネルギーの是非論争などからエネルギーの使用について強い関心が持たれ、建築がライフサイクルを通じて影響を及ぼす環境負荷に対して配慮することは必要不可欠なことだと考えられる。また、その為には建築内で消費するエネルギーを最...
集合住宅におけるコモンスペースの研究-東雲キャナルコートを対象として-
B4石渡です。前期に取り組んだ論文のアップをしたいと思います。 東雲のキャナルコートを対象とした集合住宅におけるコモンスペースの研究をしました。 以下まとめです まずは序章から研究背景などです 序章 0-1.研究背景 現代の集合住宅の現状として、核家族化や価値観の多様化、情報化社会の進展など様々な理由から地域における共同生活よりも個人の生活を尊重する居住者が増えている傾向があり、住民同士の良好なコミュニティが自発的に形成されることは非常に難しいとされている。そしてこの集合住宅におけるコミュニティの希薄化は地域全体のコミュニティまでもが希薄化する原因につながる。また、中でも中高層の集合住宅の多くは、防犯上の配慮により周辺地域とは閉ざされた構造になっていることが多く、また地域住民と顔を合わせる機会も少ないためどのような住民が住んでいるのかもわからないことが多い。 0-2.研究目的 キャナ...
現代中国都市部における集合住宅の研究 ‐配置・住棟・住戸計画から見た日中集合住宅の対比
1. はじめに 中国は1978年の改革開放を皮切りに、資本主義の制度を取り入れ、社会・経済・人文など各方面が根本的に変革してきた。その中に、90年代から続いた高度経済成長と1994年から実施された住宅商品化政策が中国人の住まいに大きく影響を与えた。 経済力の充実より、集合住宅が大量に建設され、伝統住宅での多家族雑居から新築集合住宅での家族ごとに対応する住み方へ転換した。さらに、従来の伝統住宅には勿論、70年代までソビエトに参照したレンガ造集合住宅(簡易楼)にも、遥かに住環境が改善された。また、住宅商品化により、住宅は物資として供給するものから一転し、商品としてデベロッパーから提供するものへ転換した。それと共に民間デベロッパーや個人の建築事務所も出現し、新たな住宅事業に取り組んだ。現在、中国には公営と民間デベロッパーが並立し、さらに外資デベロッパーも加入した。建築設計方面は組織設計が高い割合...
アルゴリズミック・デザインを用いた設計手法に関する研究-個の集合体としての建築・災害用仮設住宅をケーススタディとして-
m2 松井夏樹です。修士設計について、ゼミ合宿までの途中経過を報告させて頂きます。 私の研究の大きなテーマは、「建築設計者とコンピューテーショナル・デザイン」と、「個の集合体としての建築」についてです。この2つのテーマが私の研究のメインのテーマとなります。 動機としては、 1つ目のテーマは、近年注目されているBIM化のように、PCが積極的に設計ツールとして介入されていることについて、私自身も建築設計者として、そのツールに実際に触れ、それについての意見を持っていたい、持つべきだと考え設定した。 2つ目のテーマは、私がこれまで取り組んできた設計演習課題における作品、その多くがこのテーマに従属している感じており、学生時代の集大成として、このテーマに取り組むべきだと考え設定した。 以下は、前期の成果(ゼミ合宿ppt)です。 今後の...
建築の見え方について
都市、特に東京の様な建築が密集しているような場所の風景は建築が作り出していると言っても過言ではない。その建築は設計するときは通常経済性やプログラムといった内部の要請から形や構成、デザインが決まってくる。そうして出来上がってきた建築が風景の中にどうあるのかというのは実はあまり研究がない。建築と風景の関係について研究することが私たちが設計をするときの新しい手がかりになるのではないだろうか。 表参道は近年、再開発により多くのファッションブランドのフラッグシップショップが並び、ファサード建築と言われるような建築の表層を特異にデザインしたものが多く見られる。そんな中でもSANAA設計のDiorは周囲の建築からも浮かび上がって、風景を軽快なものにしているように感じる。 その要因について考えてみると、ファサードに現れる要素が少ないことや、内部のアクリルドレープが柔らかく質量を感じさせないこと、ガラス面が...

