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DISTORTED GRID -月島超高層ビルディング計画-

画一的に空間が反復される建物は合理的ではあるが空間体験としての魅力が乏しく、空間同士の関係性が希薄で退屈だと思われた。また、表層的に形態操作がなされているものは内外の不一致を誘発するように見て取れ、それは建物の規模が大きい程、顕著に現れているように感じれた。 この計画は、現在の高層ビルディングタイプの形態の新しい可能性を探ることを目的とし、全体の空間構成として多様な場面展開と関係性を持つ建物を目指すものとする。 『グリッドを歪ませる』という幾何学的な操作を出発点とし、それらを建築的なボキャブラリーに置き換える。それらを簡略化された建物のモデルとして構成し、三次元的な歪みを与え建築形態を生成する。 三次元的な複数の歪みは、計画地における都市の特徴や周辺環境の諸条件に対応させるとともに、建物内部の機能や動線等の使われ方・各方位の景観・建物の見え方といった事柄と連動させる。これらの形態操作は、...
空白から余白へ 〜都市と繋がるリサイクルスポット〜

GIS を用いた秋葉原地域におけるテナントの立地特性と変容に関する研究

序章 研究の背景と目的 0-1. 研究の目的と背景 都市の様相は建物の規模や密度といった物理的要素や都市計画等の法的な要因が重なって決まるが、その中でもテナントの業種やその構成等のソフトの面による影響も無視できない。近年の秋葉原は、日本の文化として定着しつつあるアニメやゲームの街として世界的に見てもとても興味深い街である。戦後、電気興業専門学校(現東京電機大学)に近いことから、ラジオの部品を扱う露天商が集まり、電気機器の街として知られていた。しかし日本の流通業の進展の中で、家電量販店でチェーン展開する店舗が1980 ~ 90 年代にかけて急増した。しかし、郊外に安く土地を購入し、大型の店舗を構え始めると、秋葉原まで足を運ぶ人が減少し出した。この電化製品販売の不振に取って代わるようにパソコン関連の機器や部品の売り上げが伸び始め、1994 年の秋葉原電気街の売り上げが家電関係を上回りパソコン街...
都市のマイクロ•リノベーションーガソリンスタンドの未来ー

background ガソリンスタンドは全国に約37000カ所あり1994年には60000カ所もあったが23000カ所も閉鎖されてきた。この減少の理由に過当競争の激化とEV(電気自動車)の登場であり、ガソリンスタンドはEVへの対応に追い込まれている。一方で、ガソリンスタンドはシンプルな施設構成とシンプルなカタチを持ち多様なポテンシャルを含んでいる。そのポテンシャルは『空間力』『立地力』『点在力』の3つあると考えられる。十分なオープンスペース、裏手に広がる地域社会にも開かれた施設、ガソリンスタンド特有の距離感。このポテンシャルとEV社会への流れを含めたリノベーション提案とする。 site 敷地は新宿駅周辺に建つ3カ所(都庁前、代々木、歌舞伎町)のガソリンスタンドとした。理由として新宿には様々な要素をもった場が提供されており、このような敷地に建つ3カ所のガソリンスタンドはリノベーション後...
竹を活用したHPシェル構造シェルターの設計-千葉県南房総市における里山プロジェクト-

1.序論 1-1.研究の背景 環境共生の意識が高まる中で、建築資材として自然素材を利用することは価値のあることとして注目されている。その中で建築資材としての竹材は特有の靭性を持ち、繊維方向が木材と同等の強度を持つため、その特性を活かすことで利用拡大の可能性をもつ循環型資材であるといえる。さらには日本全国の竹林では伐採された後に放置されたまま荒廃していくことが未だに多いのが現状で、里山では次世代の林業への担い手が減少を続け、伐採や間伐が行われず荒廃が続くという悪循環が働き、深刻な問題を抱えている。そのような里山が抱える竹林問題解決の糸口として、建築資材として竹材のもつ特性を最大限活用するモデルをつくり、竹材の地産地消を行うシステムを提案することはできないかと考えた。 1-2.研究の目的と位置付け 実際に竹材を利用し、実施設計まで行った研究として共通しているのは竹...