B4増永です。2021年7月20日に実施しました新建築2021年4月号の現代建築レビューを投稿いたします。
建入(司会):4月号で気になった建築は?
藤井:他学科とあまり関わりを持てない中、武庫川女子大学公江記念館は壁をなくして一体的な空間を作ることで建築を通して繋がりを持たせている。
志藤:ZOZO本社屋は床の高さを変え目線の違いを生み、行き交う人に様々な接点を生んでいる。
柳井:TheMassStandByはMassによって閉鎖的になるのではなく、スロープなどに人が座っていてオープンな社会的な繋がりを感じた。
増永:武蔵野美術大学は大空間を設けるだけではなく学生が自ら空間を作る補助となるものを管理者を通して利用することができるシステムが面白い。
池田:神奈川大学みなとみらいキャンパスは、生徒以外が入ってくる操作がされているのが面白い。また、橋の延長線上に空間があるのは市民にも受け入れられやすい。
柚木:神奈川大学みなとみらいキャンパスはゾーニングが面白い。複数に分けてたり細かく分けたりすることで交流が生まれやすくしてる。
吉村:慶応SFCのように、自分たちで作っていくのはこれから時代に必要であり技術もあるので増えていったらいいなと思う。
早川:慶応SFCの7枚目の建築は木造だけどグリットをずらしているのが新しくて面白い。柱のデティールの工夫も見られる。
林(司会):慶応SFCで他に気になる点は?
柳井:マスタープランを持たないことでポツポツと建てられるが、敷地が荒れた感じが少し嫌な印象。そこも考える必要がある。
柚木:キャンパス全体が手作り感のある建築であったら面白いが、キャンパスとは別に住宅地の一部にあるので見劣りしてしまう。
建入(司会):カモ井加工紙 mt 裁断棟の工場は?
早川:4棟全く別タイプの建物が並んでて面白い。
増永:工場は一般的に機械や効率などを考えるが、作業員の快適性や働きやすさなど人に着目している点が面白い。
池田:紙は日焼けしちゃうのに直射光が入っていて大丈夫なのだろうか。
柳井:フィーレンデール架構によって機械配線を自由に取り入れられている。その配線計画と架構はどっちが先に考えられたのか。
林(司会):その他に気になる作品は?
柳井:武庫川女子大学公江記念館は交流がコンセプトだがエスカレーターがラボのとこは通らないのは使いづらくないのかなと思った。
藤井:ゼミ生や先生の研究活動しかやらないのでそこまでみんな使わない。
柚木:ラボとコラボしている建物がいい。明治大学は建物を分けてしまっているから。
建入(司会):みんなの意見を聞いてのどう思いましたか。
藤井:その場所だから良さが発揮できている建築が多い印象でした。
志藤:配置を交互にすることで人の動きが広がる。
柳井:機能より人を考えたりプロセスを考えたりする時代の流れが確かにあると感じた。
増永:学生同士でつくり上げたり計画段階から敷地拡張を考えていたりと時間軸が考えられている。
池田:利用者に委ねられる部分がとても多い印象。空間を設えると同時に周辺との関係や実際にどうやって人が入っていくのかも考える必要がある。
柚木:学生で空間を作るのは自分たちで作りたいと思う人がいないと難しそう。
吉村:全体的にフレキシビリティやセルフビルドが最近の動きであり、建築家がどこまで考えるべきなのかがこれから難しくなってくる。
早川:敷地や学科によって大学の在り方が多様化がみられる。
総括:空間づくりを利用者に委ねる計画は、大学や建築家の意義を改めて考えさせられる。