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ガラスの透過性を考慮した街路空間の三次元的な開放性に関する研究

1.はじめに 1-1 研究の背景・目的 都市に建つ建築は都市と相互に何かしらの影響を持っていると考えることができる。建築を設計するときにその影響について把握することは非常に重要なことであると考える。街路空間の視覚的な開放性について考えたとき、そこに建つ建築のファサードが視覚的に透明なのか不透明なのかということは大きな問題であると考えられる。18世紀、ジャンパディスタ・ノリは都市を図と地(白と黒に塗り分け)で現した。この図は建築を都市空間を規定する地と捉えることで、都市空間が図として浮かび上がることを示した図であり、都市と建築が表裏一体の関係にあることがわかる。このように建築は都市の街路空間を規定する輪郭と捉えられてきた。 しかし実際の体験では、視線はガラスを透過し、街路から見ることのできる建築内部の領域も考慮すべきである。街路空間はさまざまな手法を用いて記述されてきたが、実際の視覚体験を...

建築の見え方について

都市、特に東京の様な建築が密集しているような場所の風景は建築が作り出していると言っても過言ではない。その建築は設計するときは通常経済性やプログラムといった内部の要請から形や構成、デザインが決まってくる。そうして出来上がってきた建築が風景の中にどうあるのかというのは実はあまり研究がない。建築と風景の関係について研究することが私たちが設計をするときの新しい手がかりになるのではないだろうか。 表参道は近年、再開発により多くのファッションブランドのフラッグシップショップが並び、ファサード建築と言われるような建築の表層を特異にデザインしたものが多く見られる。そんな中でもSANAA設計のDiorは周囲の建築からも浮かび上がって、風景を軽快なものにしているように感じる。 その要因について考えてみると、ファサードに現れる要素が少ないことや、内部のアクリルドレープが柔らかく質量を感じさせないこと、ガラス面が...

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