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アーキファニチャを用いた新たな団地再生手法の研究
修士2年の建入です。修士研究の途中経過を投稿いたします。 1.研究の背景・問題意識 近年の住宅は、在宅ワークやSOHO型住宅、多拠点居住など、ライフスタイルの変化に合わせて、住空間も多様に変化しています。 その中で団地は、大量供給のために標準化された設計により、同型のプランの集積によって構成されており、多様性があるとは言えず、高度経済成長の負の遺産として空き家が増加しています。 一方で、広い隣棟間隔や周辺施設の豊かさなどから団地を再評価しようという流れがあり多くあるストックを解消しようと、独立行政法人都市再生機構(以下UR)は様々な取り組みを行なっています。 団地の周囲に菜園を計画するものや、高齢者のためにEVを設置するなどバリアフリー化するなど様々な事例がありますが、ここでは室内空間の改修に着目します。 ■室内空間の改修につい...
解、のちに現 -分解された空き家における新たなふるまいの観察-
B4の建入です。卒業設計の梗概を掲載いたします。 1.背景 1-1分解世界 普段私たちは、料理を「作る」、年齢を「重ねる」、といったように生活の中で常に生産し、作り上げるといった足し算や掛け算の世界を生きていると思わされている。しかし、種が殻を割って発芽するように微生物が落ち葉を細かく砕くように、実は私たちは破裂や分解の世界も同時に生きている。 1-2反新品社会 新品に溢れた煌びやかで華やかな社会。そこには傷やシミなどなく、綺麗な物しかないがどこか居心地が悪いように感じる。例えば、一枚の戸板が修繕されたときに得ることのできる「改められた新しさ」というのは新品社会には存在しない。戸板はそこに存在していた時間的連続から一度切り取られ、周囲との関係性が一度消去される。それを再配置されることにより時間軸や関係性が、更新されるといった点でこの試み はある種新しい。 1-3新品社会に取り...
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの団地改修手法の研究
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの団地改修手法の研究 01.序 1-1.研究の背景 高度経済成長とともに、住宅の大量供給を支えたUR都市機構(以下URとする)の所有する団地型集合住宅は、住民の高齢化や、住居の老朽化等の様々な問題が存在している。特に日本では、人口減少や少子高齢化、団地への興味の低下などにより、進む空き家問題が深刻化している。 そのなかでMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは家具等の専門小売企業である株式会社良品計画(以下MUJIとする)とURが手を組み、団地の良さを見直し、保存、再生するとともに新たな住空間の提案をするといったプロジェクトである。 そこで、近年盛んに行われているリノベーションに関して、企業同士のコラボレーションによるリノベーションの対象として本事例を取り上げた。 1-2.研究の目的 本研究の目的としては、2つある。 1つ目は、時代の流れに...