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建築と土木の融合 -神田川河口の船溜まりを対象とした船宿の保存と親水空間の提案-

建築と土木の融合 -神田川河口の船溜まりを対象とした船宿の保存と親水空間の提案-

修士2年の柳井です。2023年度の修士設計の内容を報告させて頂きます。 序章 研究の背景と目的0-1 研究の背景 我々日本人は,地震,津波,火災,噴火といった厳しい天災と常に向き合い,それを克服して生きてきた。災害を契機に,図1 のような住境の間近に大きい防潮堤があることや,図2 のような宅地造成のための擁壁がヒューマンスケールから乖離している実例が挙げられ,これらは,土地の場所性を無視した計画であり,人間の生活する環境を脅かす存在となっている。図1, 図2 より,建築と土木がトータルでデザインすることが欠落していると言える。つまり,建築と土木が分断しているのである。これらから建築と土木を融合することは必要だと考える。 図1 隣り合う住宅街と防潮堤                    図2 宅地造成のための擁...

土木と建築の融合 -神田川に現存する船宿と堤防を対象として-

土木と建築の融合 -神田川に現存する船宿と堤防を対象として-

修士2年の柳井です。修士研究の途中経過を報告致します。 1研究の背景 1-1災害対策で非人間的な土木に埋め尽くされる懸念 近年災害は日常的に起こっている。 1995年   阪神・淡路大震災 2004年   新潟県中越地震 2011年   東日本大震災 2016年   熊本地震 など、地震・津波などの大災害は記憶に新しい。今後もこのような災害に見舞われるであろう。その背景から今後作られる建築は災害対策を施すために土木的な役割が増すことが予想できる。都市的な視点から考えれば防潮堤、ミクロな視点では図1のような擁壁である。このような土木ばかりを重視して都市が埋もれていくと、そこに人の居場所や安らぎの場はなくなってしまう。 1-2土木と建築の分断 都市や地域・地区を社会システムというトータルで広域的な観点から捉え、基盤的な空間・...

建物の配管の分布様態から見た渋谷道玄坂エリアの都市構造

建物の配管の分布様態から見た渋谷道玄坂エリアの都市構造

B4柳井です。2021年春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。 1研究の背景と目的 都市の表と裏は何から生まれてくるのであろうか。人間が創り出す空間である以上そこに差異が生まれてくると思う。通常、都市における表と裏はいかなるものであろうか。例えば、銀座のように整然と計画された繁華街では幅員の大きな幹線道路に面して隙間なく街区の壁面線がそろっており、こうした都市では「表」に「裏」が表出することはまずない。そこで、渋谷の都市に着目してみると表と裏が分かりにくく、表にいたのにいつのまにか裏にいたという現象、それに加え、唐突に裏が表出した部分が発見される。人が溢れている表の空間からすぐに人の少ない裏の空間にいけるのは非常に魅力的だ。渋谷の表と裏の関係は実在するが、そこにモザイク状の抽象性がある。そのモザイク状の抽象性を暴く武器として配管を用いる。  本研究で...

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