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SNS及び写真投稿サイトにみる都市のイメージに関する研究
修士2年の川上です。修士研究の途中経過を報告致します。 1.研究背景 近年SNS及び写真投稿サイトは人々の日常の一部となり、観光情報の発信手段にも使われるなど、日々大量の都市の写真が投稿されており、都市のイメージ形成に強く影響していると考えられる。 写真というメディアによる都市のイメージ形成に関する議論は飯沢耕太郎や田中純などにより多く行われており、写真には都市の本質が現れていると考えられる。しかし同時に、SNSが発達し写真のために着飾る現代の都市というのは、写真のみで記述することはできないのではないか。 本研究では、SNS及び写真投稿サイトの写真が都市の何を表象しているのか考察し、実の都市とのズレを分析することで、写真に隠された都市構造を解明すると同時に実の都市を再解釈することを試みる。現在、SNS及び写真投稿サイトに投稿された写真について写真論の観点から議論さ...
首都圏の市街地における都市空間のゆがみに関する研究-時間地図による分析-
M2の氏家です。修士論文の概要を掲載いたします。 序.研究の概要 0.1研究の背景 街を歩いていると、近くなのに遠い場所、近くに見えるのになかなかたどり着けない場所に遭遇することはないだろうか。例えば道路の向こう側に渡りたいが横断歩道が近くになく、遠回りせざるを得ない経験は誰しもあるだろう。こうした距離感の錯誤や遠回りは、都市生活者に対し、空間のゆがみを感じさせる。遠回りさせられることは不便ではあるが、ここに都市のパラドックスのような面白さがある。一方で、本来は遠回りさせられるはずの場所に近道が存在していることで、近く感じる経験をしたことはないだろうか。例えば、赤坂駅から三分坂周辺に向かうには、TBS本社側に迂回するか、赤坂五丁目交番側に迂回するかの2つの経路がある。しかし、一ツ木公園の中の階段を使えば、ショートカットできるのである。このような場所は都市に無数に存在し、都市空間の認知をゆが...
低層住宅地における「奥行」に関する研究―時間地図の作成に基づく分析―
修士2年の氏家です。研究の途中経過を投稿致します。 序章 研究の概要 0.1研究の背景 東京の低層住宅地では、想像よりも道が入り組んでいたり、車であれば一方通行路であったりして、目的地にたどり着くことができないことがある。これは、都市空間の様々な要素が影響し、ゆがみが生じているからだと考えられる。例えば、道路を侵食する植木鉢などのあふれ出しや、道路の狭さは、そこを通る人に通りにくさを感じさせる。何らかの要素が積み重なり、都市空間に違和感が生じていると考えられる。しかし、その要因は場所によって異なる。私たちはそれを何となく感じてはいるが、詳述することは難しい。 日本の都市空間には中心性がないと言われている。槇文彦は「見えがくれする都市」の中で、日本の都市空間について、「奥―包む」という考え方で領域構築されてきたと述べており、「奥行」が日本の都市空間に存在することを説明している。陣内秀信は...
江ノ島電鉄沿線地域における線路敷きに隣接する住宅とその成り立ちに関する研究―和田塚駅、由比ヶ浜駅、長谷駅、腰越駅界隈を対象として―
B4氏家です。春季研究発表の内容を投稿致します。 序章 研究の概要 0-1 研究の背景と目的 一般的に、建築物が線路に対して表側のファサードを見せることはほとんどない。人や車が行きかう道路が都市の表側であると考えられているからだろう。一方で、人が見る側が建築物のファサードであると考えられるならば、多くの人々が乗り、その車窓から建築物を見る、鉄道側に対しても建築物の表側を見せるべきだと言えるだろう。 江ノ島電鉄沿線地域では、一般的な街並みでは見られない、私的横断場、線路敷きに玄関を向ける住宅、線路わきの狭隘な歩行者通路、線路敷きに溢れ出す植栽など特有の風景が見られる。江ノ島電鉄は開業当時、路面電車であった。つまり、開業当時は線路も道路とみなされ、線路にのみ接道する敷地も当時は接道義務を果たしていたと考えられる。しかし、戦後江ノ島電鉄は鉄道として認可されることになった。それにより、路面電車であ...
オタク系テナントの立地様態に関する研究
M2の長谷川です。春季研究発表の内容を投稿します。 序章.研究概要 1-1.研究の背景 秋葉原という街は、周知の通りオタク文化発祥の地として認識されているが、その背景には、戦後のラジオブーム、高度経済成長期の家電ブーム、90年代のPCブームのように、時代のニーズに応えるかたちで存在価値を見出してきた非常にフレキシブルな街としての実態が存在する。また、それらのブーム自体が非常に親和性の高いプログラムが関連していることや、扱うコンテンツに専門性と分化性が備わっていることから、マニアックな人種が往来する街として発展した特徴がある。 そうした背景において、オタクとは、ネット上のデータベースより紡ぎ出された2次創作物を愛好することで賑わいを見せる現代に特化した特殊な人種であり、オタクになる過程でマニアックな知識や共通言語を身につけていることを考えると、正当な秋葉原の継承者と言える。しか...
建築の見え方について
都市、特に東京の様な建築が密集しているような場所の風景は建築が作り出していると言っても過言ではない。その建築は設計するときは通常経済性やプログラムといった内部の要請から形や構成、デザインが決まってくる。そうして出来上がってきた建築が風景の中にどうあるのかというのは実はあまり研究がない。建築と風景の関係について研究することが私たちが設計をするときの新しい手がかりになるのではないだろうか。 表参道は近年、再開発により多くのファッションブランドのフラッグシップショップが並び、ファサード建築と言われるような建築の表層を特異にデザインしたものが多く見られる。そんな中でもSANAA設計のDiorは周囲の建築からも浮かび上がって、風景を軽快なものにしているように感じる。 その要因について考えてみると、ファサードに現れる要素が少ないことや、内部のアクリルドレープが柔らかく質量を感じさせないこと、ガラス面が...
都心の市街地再開発地区におけるペリフェリィの調査研究
0.序 0.1 研究の背景と目的 現在、東京の都心では市街地再開発(以下、再開発)が頻繁に行われ、2011年から2014年までにも約80もの再開発プロジェクトが予定されている。その中でもヒューマンスケールをはるかに超越した高層棟が周囲の景観に与える影響の大きさは明白であるが、一方既存の街との接線である再開発地区の周縁部分(以下、ペリフェリィ)においても、既存の街並みとの不調和や不整合が問題として指摘されている。再開発のペリフェリィにおいて、既存の街並みと調和して賑わう場所がある一方(図1)、再開発により発生した敷地の高低差の悪影響を受けている既存の周辺住宅などもみられる(図2)。こうした再開発地区と周辺の既存市街地との不調和を解決するための糸口として、現状を正確に把握して記述することや、異なる地区を相互に比較したり、評価するための分析手法の確立が必要である。 本研究ではこう...
東京都23区内の市街地再開発地区における ペリフェリィ・デザインの研究
M2の高森仁美です。 学科、研究室の中間発表を終えて、だいぶ先が見えてきました。 残っている作業量の多さも見えてきたので、気合いが入ります。 11/16の研究室内中間発表の発表内容をまとめたものを掲載します。 【中間発表の発表内容】 ◆研究の背景と目的 ◆既往研究 ◆目次 序論 0.1 研究の背景と目的 0.2 研究の対象と用語の定義 0.3 既往研究および本研究の位置づけ 0.4 研究の方法 第1章 ペリフェリィ・デザインのバリエーション 1.1 分類概要 1.1.1 調査敷地の選定 1.1.2  ...