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築地市場移転に伴う場外市場における整備計画 ~サスティナブルネットワークの構築を目指して~

築地市場移転に伴う場外市場における整備計画 ~サスティナブルネットワークの構築を目指して~

研究の目的と背景 2011年、築地市場の豊洲移転が都市計画法に基づき決定した。これは全国的に中央卸売市場が再整備を求められていることが背景にある。(卸売市場法 第四条―第六条 )その問題点として、施設の老朽化・狭隘化が進んでいて危険であるということと、ライフスタイルの変化に伴う消費需要の低下、スーパーマーケットの大規模進出によって安定供給が主流になり、かつて物流ネットワークの中心であった中央卸売市場の価格決定権が次第になくなりつつあることがあげられる。築地場外市場では、卸売市場に寄生する形で人・物・空間・地理・機能等のネットワークが形成されているが、卸売市場が移転したときに更新は免れず、今までの関係は保てないだろう。しかし、日本文化にとっては残すべきものであり、保存のためには街のアイデンティティと新たな経済戦略が必要となってくる。本研究では、現地調査、住民へのアンケートを行い、築地が抱える...

日本と中国の比較から見た北京の現代集合住宅に関する研究

日本と中国の比較から見た北京の現代集合住宅に関する研究

序 0.1 研究の背景  1949年の建国から現代に至るまで、中国の集合住宅建設は、長年の努力でストックの確保と居住水準の向上が着実に実現している。ただし、近年の高度経済成長と共に、建設業界が非常に繁栄している一方、バブル経済による投機的な建設も様々な問題を招いている。2011年の半ばから、中国政府は不動産業における景気の過熱に対し、抑制政策が次々実施した。北京が代表する中国の大都市は、約10年間で続いた集合住宅の大量建設が緩やかになり、質を求める時代への転換期に入った。  北京の現代集合住宅における問題は以下の3点てある。1.著名な建築家が集合住宅の設計に関与するようになり、世界中から注目を集めるようになったが、中国の集合住宅の特徴が、単なる印象論で語られており、調査や客観的な事実に基づき、論じたものが少ないこと。2.建設ラッシュの混乱の中、住宅の供給が優先され、しっかりとした品質の検...

シークエンスにおける遷移点の研究 ‐美術館建築をケーススタディとして‐

シークエンスにおける遷移点の研究 ‐美術館建築をケーススタディとして‐

[研究編] 0.序 0-1背景・目的 映画や音楽が場面の移り変わりを連続させることで体験者に意識の変化を与えるように、建築においても空間の抑揚によって起こる場面転換を連続的に体験することによって、その建築の中に引き込まれていくことに魅力的を感じた。空間体験をする中で、その建築に引き込み、現実の世界に引き戻すまでの体験はどのような仕組みによってつくられているのだろうか。 空間体験は、感覚的で抽象的な要素によって成り立っているため、建築作品について明確な評価や比較がされることはなかった。また、建築設計において空間構成をとらえ設計することは容易ではあるが、空間内を移動することによる体験は想像力を必要とし、見過ごされやすい。こうした空間体験の設計は設計者個人の経験や勘に依存する部分が大きく、設計の過程で効果の確認が困難である。従って、空間体験の設計方法をある程度理論化し、誰もが利用できる知見として...

ガラスの透過性を考慮した街路空間の三次元的な開放性に関する研究

1.はじめに 1-1 研究の背景・目的 都市に建つ建築は都市と相互に何かしらの影響を持っていると考えることができる。建築を設計するときにその影響について把握することは非常に重要なことであると考える。街路空間の視覚的な開放性について考えたとき、そこに建つ建築のファサードが視覚的に透明なのか不透明なのかということは大きな問題であると考えられる。18世紀、ジャンパディスタ・ノリは都市を図と地(白と黒に塗り分け)で現した。この図は建築を都市空間を規定する地と捉えることで、都市空間が図として浮かび上がることを示した図であり、都市と建築が表裏一体の関係にあることがわかる。このように建築は都市の街路空間を規定する輪郭と捉えられてきた。 しかし実際の体験では、視線はガラスを透過し、街路から見ることのできる建築内部の領域も考慮すべきである。街路空間はさまざまな手法を用いて記述されてきたが、実際の視覚体験を...

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